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あの夏にまた逢えるのなら

耳に響くセミの鳴き声。


青空にはすじ雲が。


夏は少しずつだが、終わりを迎えようとしていた。


軽トラで送ってもらった先は最初に来たバス停だ。


伯父さんにお礼を言っていると、ちょうどバスがくる。


僕は頭を下げてバスに乗りこむ。


バスに乗っている人はいなかった。


席は選び放題だ。


最初は田園風景ばかりだったが、それも駅に近づいていくと民家が増えて、商業施設も姿を見せる。


この時、自分はようやく帰りつつあるのだという実感がわいてくる。


時間がありあまるというのはいまでいうと贅沢なことだったのかもしれない。


いままでの日常が非日常へ反転する。


そこにあるのは恐怖というよりは驚きだろう。


この夏が終わる。


来年も夏はやってくるというのにこの夏は一度きりなのだろう。


もう少ししたら駅を降りて電車を待つことになる。帰るときは待たされてばかりだという。


時間はあるのだからちょうどいい。


僕の肩に寄りかかって静かに寝息を立てる少女。


彼女も家に帰るのだという。


聞けば少女と僕の帰り道はほとんど一緒だった。


だから時間はたっぷりある。


さて、何の話をしようか?

お読みいただきありがとうございます。

話につきましてはここで終了といたします。


ただし4000PVを達成し、その後も1000PV更新していくようでしたら、番外編として執筆を行うことも考えています。

それと熱い感想などをいただければ作者の心が揺れ動くやもしれません。


ですので、引き続きの応援をよろしくお願いします。

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