夜の帰り道
コンビニに着いてから、僕らはおやつを買っていた。大半は少女の好みにあわせたものだったが。
それと花火もなぜか買っていた。その場の勢いというものだろう。
「だいぶ暗くなってきたね……」
少女がつぶやく。外を出ると真っ暗になっていた。
それから自転車で少女と家路へ向かう。
農道に入ると外灯はほとんどなく自転車の電球だけが光源だった。
溝にはまらないようにしないと。あたりに少し気を配るよう心がける。
「見て、月がもう出てる」
少女が夜空を指さすと、そこには満点の星空に大きな丸い月が浮かんでいる。
「落ちてきそうだよね」
月明かりが夜道をぼんやり照らしてくれる一方で夜道に目が慣れてきたのもあって、おぼろげだが、道も見えてくる。
一度走った道というのもあるのかもしれない。僕は夜道が徐々に慣れてくるのを感じた。
「夜に自転車で出かけるのもいいよね」
いつもと同じ景色が違って見えるから。少女の主張だった。
夜になっても少し残暑が残っている。
そんな夜に駆ける僕たちは夜風に混じりあったようだった。
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