気づけば夕暮れ
僕はいつの間にか寝てしまっていたらしい。
ゆっくり起きあがって、外のほうに顔を向けるともう日は傾きかけていた。
それと付近から寝息が聞こえてくるので、僕がそれをたどると隣にあどけない寝姿をさらした少女の姿かあった。
どうやら少女もあれから寝てしまっていたらしい。
おそらく何もせずにごろごろと過ごすという選択もあるのだろうが、それは危険な誘惑であると自覚させられる。
少女がこんな近くで寝ていたことに胸の奥あたりから熱いものがこみあげてきそうになる。
僕はそれを何とか振りはらって台所へ向かった。
それからコップをとって、冷蔵庫からよく冷えた麦茶をだしてきて入れた。
あとは飲み干すだけで、頭がキンとするのを感じていた。いまはそれさえも気持ちいい。
ふうとため息をつくと、僕は麦茶の入ったポットを冷蔵庫に戻して、とりあえず寝室へ戻ることにした。
少女はまだ寝ている。そろそろ起こす方がいいだろうか?
そんなことを考えていると、少女がふと目を覚ます。
「お兄さんのほうが早かったね」
「そのようだね」
少女は半身だけ起きあがり、それから大きなあくびをする。
「まだ寝たりない?」
「大丈夫。もう動けるから」
いろいろ準備もあるからとのことだった。
これから茜色が濃くなっていくだろう。
そんな予感とともに少女の夕飯の準備がはじまろうとしていた。
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