帰宅
あれから小休止を挟みながら一時間くらいかけて、僕らは家まで帰ってきた。
冷たいお茶を一杯飲み干してから、シャワーを浴びる。
少し早いが浴衣姿になっていた。
寝室へ行くと敷き布団もない畳の上に寝そべる。そのままだと頭が少し痛むので、座布団を枕代わりにしていた。
さすがに疲れたというのが正直なところ。それでも有意義なものであったのは否定しない。
「これから昼寝?」
少女が寝室へ入ってくる。
「寝る予定はいまのところないかな?」
少女も僕のあとにシャワーを浴びていて、服装もいつもの部屋着になっていた。
「やっぱり自転車移動は大変だよね」
「僕も日中走りっぱなしはさすがに堪えるよ」
もともと運動をよくするほうではない。
「これを機に頑張ってみるとか」
「んー、検討しようかな」
僕は心にもないことを言った。とても長続きするように思えなかったからだ。
少女は当然とばかり僕の隣に座る。
「添い寝してあげようか?」
魅力的な提案であるのに違いはないだろう。
「本気かい?」
「本気だと思う?」
逆に聞かれる。何かの謎解きとでも言うのか。
僕は知らぬ間に自分の意識がまどろんでいくことを気づかないでいた。
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