鉄道博物館その2
「涼しいね」
先ほどまで炎天下の中にいたせいか電車のなかが恐ろしく快適に感じる。
電車のなかは一両目はパネル展示になっていた。鉄道が開通してから閉鎖するまでの年表に当時の写真などが貼りつけてある。
「鉄道が残ってたらお兄さんはここまで電車で来てたかもしれないね」
それはそうだったかもしれない。
だが、いまは博物館になっている。当時の線路も一部は車両の一般道路になったらしい。
飾られている写真はどれも当時を彷彿させるもので、少し色あせていたりして時代を感じさせる。
二両目は観光マップやこの電車の模型が飾られている。電車については愛好者からの寄贈らしい。
一通り見てまわると一旦僕らは電車を出る。
線路へ下りられるということで、少女の希望もあって下りることにした。
線路の上を歩く体験は普通ならできないというのもあって、少女は楽しそうだった。
「いま触ったら熱いよね」
「火傷するかも」
太陽にジリジリと灼かれる電車に手を近づけようとして少女はすんでのところで止める。
熱気が伝わったのだろう。
「売店で飲み物でも買おうか」
それについては賛成だった。僕らは売店で売っていた手作りのクッキーと水を購入して、博物館をあとにするのだった。
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