ひまわりを君に
ひまわり畑は広大である。それでも有名な観光地に比べれば規模は小さいかもしれない。
僕らより背の高いひまわり畑は入ってしまえば迷路のようなもの。僕らは自然と手をつないで、ひまわり畑の迷路を進んでいく。
それなりに有名なスポットらしく土日になれば観光客がかなりやってくるそうだ。
それなのにいま人の姿はまばらだ。平日なのと朝なのが関係してるのか。
「ひまわりってこんなに高くなるんだね」
少女の声が弾む。本当に楽しんでいるようだった。案外、体を動かすのが好きなのではないだろうかと思ってしまう。
「僕より背が高いもんな」
少し見あげなければ花は見えない。
ぐるりと一週まわると僕らはひまわり畑をでる。
するとひまわり畑の管理人に声をかけられて、少女はひまわりを一本もらっていた。
僕が募金するところを見ていたらしく、お礼をこめてのものらしい。尚、こういうことはめったにしないと笑いながら言っていた。
「せっかくだから写真撮ってもらっていい?」
少女は両手でひまわりを一輪持ち、ポストの前に佇む。後ろにはひまわりがいっせいにこちらを向いている。
僕はためらわずシャッターをきった。
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