朝のシャワー
家に帰って少女は宣言通りシャワーを浴びに行った。
僕は少女に倣って、あとから僕もシャワーを浴びようと縁側で待っている。ちょっとずつ日差しが出てきて、肌がジリジリするのを感じていた。
それから少女は濡れた髪のまま脱衣所から出てくると朝食の準備をしてくると言って、早々にその場をあとにする。
僕は脱衣所に入るとふと脱衣かごが目に入る。そういえば先ほど少女の服装が少し変わっていたことを思い出す。
案の定、脱衣かごにはこれから洗濯するであろう少女の服が入っている。
ゴクリと喉が鳴るも、慌てて深呼吸をする。朝からなんて日だろうか。
僕は落ち着いたつもりで、服を脱いでシャワーを浴びに行く。少女は気にしないタチなのか、それともそういう素振りなのか。
いずれにしろ聞いてみないとわからないことなのだろう。
僕は汗を軽く流すくらいでシャワーを浴びる。
それから体を拭き、服に着替える。体を拭いたタオルは脱衣かごへ入れた。
あとはドライヤーで髪を軽く乾かしてから脱衣所を出る。
まずは朝食だろうか。少女がどんな朝食をだしてくれるのか楽しみだった。
「もう出てきたんだ」
少女が両手で洗濯カゴを抱えて、縁側にでてくる。
「朝食の準備で時間かかるのはご飯を炊くくらいだから」
いまのうちにできることをやってしまおうということだった。
「何か手伝おうか?」
「ダーメ。お兄さんは潔くお世話をされてください。代わりに私が洗濯物を干してる姿を見る権利をあげるよ」
少女は冗談めかしているが、どうも本気のようだった。
動きやすいよう少女は髪を後ろでくくってポニーテールにしていた。
洗濯物を干す少女の後ろ姿。その姿が不思議と楽しそうだった。
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