表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

41/67

夜は更ける

僕と少女は相変わらず同じ寝室で寝ている。スイカを食べてからしばらくして寝てしまった。


時計は深夜の一時。そういえば少女と観ていた映画で深夜の一時に登場人物が襲われるシーンがあったなと思い出す。


寝る前にトイレへ行っておけばよかったと後悔しても仕方ない。僕は起きあがろうとすると、グイッと浴衣の裾が引っ張られる。


「……どこ行くの?」


こんなことができるのは少女しかいない。


「えっ――と、トイレ?」


自分でもなぜかわからないが、疑問形で答えてしまう。


「私も行く」


少女は寝ぼけまなこをこすりながらむくりと起きあがる。なるほど、少女もいまになってということか。


「先は譲ってあげる」


縁側をでてトイレの前に来ると少女が言った。とてもありがたい申し出だった。


「ありがとう」


僕が用を足して出てくると少女が入れ替わる形で入る。


「待っててね」


扉を閉める際、顔を半分だけ僕を覗きながら念押ししてくる。前と一緒だ。


もちろん置いていくつもりはない。大人しく待っていることにした。


「寝る前にスイカはやめた方がいいね」


ため息つきながら少女が出てくる。それはたしかにそうかもしれない。


トイレから寝室まではわずかな距離だ。それでも少女は下を俯いたまま、僕の浴衣の裾を離さなかった。



お読みいただきありがとうございます。

引き続きよろしくお願いします。

感想、評価、お気に入り登録も今後の励みになりますので、ぜひお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ