夕飯の冷製パスタ
あれから僕は浴衣に着替えて、寝室で座布団を枕にして寝転んでいた。
今日は体をよく動かしたこともあってか、心地のよい疲労感に包まれていた。あやうくウトウトしそうになるのも無理はないだろう。
「夕飯できたよ」
少女が声をかけてきたのはそんなときだった。
僕は大きくあくびをしながら何とか返答する。少女はそんな僕をくすりと笑う。
「寝るならご飯食べてからにしてほしいな」
せっかく作ったんだからと少女は言う。
「もちろんだよ」
こんなやりとりもすっかり慣れたものだった。
食卓にはすでに夕飯が並べてあった。
「夏野菜の冷製パスタだよ。今日も暑かったからね」
今日もおいしそうな夕飯だった。
少女は座るとポットに麦茶を注いでくれる。
「お箸でいいよね?」
「うん」
少女の作る食事はお店というよりはどれも家庭料理に近い。味付けもそっち寄りだ。この夕食も家族と食卓をともにしている感覚に近い。
それでいて少女の作る料理は逸品だ。腕については間違いない。
「水着とか乾かしたら寝室にあるかごに入れておくからね」
「ありがとう」
「お兄さんの服も洗っておくけど、いいよね?」
「え?」
それは下着なんかもだろうか。
「大丈夫大丈夫。私はそういうの気にしないから」
僕が気にするかもしれないようと言いたかったが、問題ないという結論になった。
こうして夕食の時間は過ぎていった。
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