神社にてその2
あれから小一時間くらいだろうか。雨は降り続いている。
僕らは社殿の外へでられない状況にあった。
とりあえずレジャーシートを敷いて二人で肩を並べている。
レジャーシートはの下はコンクリートなもので、座り心地は悪い。水着だから余計かもしれない。
お互い上着はびしょぬれなので、タオルを肩にかけて上着代わりにしていた。
「止まないね」
雨音にかき消されるのではないかというくらいに囁くようなか細い少女の声。
肩を寄せあうくらいの距離。それでも僕の耳はたしかに聞きとっていた。
少女は退屈そうに両腕で腿裏を抱えて、ひざ小僧にあごをのせている。
あくびをして、うつらうつらとしはじめている。
「眠い?」
「ちょっと、ね……」
少女は言うが早いか、頭が僕の肩へ寄りかかってくる。
それとともに寝息がきこえてくる。
――寝てしまったのかい?
そうたずねても答えはきっと返ってこないだろう。
雨音が屋根や地面を叩く音がよく響いた。それに少女の寝息がコントラストになって交わる。
田舎で人がいないからといって騒がしくないわけではないのだと教えられるようだ。
日の光は分厚い雲に遮られているせいであたりは灰色に染まりかけている。
もっとも、それもいつまでも続かないだろう。
少し雨足が弱くなった気がした。
遠くの雲間から少し日差しが見える。
雨が止もうとしている。
もうじき、この時間は終わるのだ。それは少しだけ残念なことのように思えた。
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