川遊び
陽光が流るる川の水に反射している。
水は透き通って、水底までよく見えた。
サンダルを履いたまま川の水に足をつけると、しんとした冷気が体を駆けめぐるようだった。
それでも照りつける太陽のおかげで帽子は手放せない。この帽子も少女からもらったものだ。
少女は広げたレジャーシートの上にシースルーのワンピースの肩ひもをほどいている最中だった。
ほどききるとワンピースはするりと足下に落ちて、少女の水着姿があらわになる。
「……お兄さん、なんか視線がやらしいよ」
少女はこちらへ近づいてきつつ、そんなことを言ってくる。
気のせいだと僕は言い訳した下に水着を着ているとはいえ、まじまじ見るようなものでもないのはたしかだ。
僕は本当にいやらしい目で見ていたのだろうか。
「ごめんごめん。嘘だよウソ」
少女はからかっかたことを詫びた。案外、しゃれにならならいのでやめてほしい。
「冷たっ」
少女は川の水にサンダルを履いた足をつけて、思わず悲鳴をあげた。
それでも気持ちはいいみたいで楽しそうに足で水をパシャパシャしている。
「ワンピース脱がなくてもよかったんじゃない?」
「ダーメ。せっかく遊ぶんだから」
それっと僕に両手ですくった水をかけてくる。
にんまりといたずらっ子の表情だ。
「こらっ」と思わず僕も水をかけ返す。
「あははっ。冷たいよ」
気持ちいいと少女は言う。
ただの水のかけあいだが、これも誰かががいてこそだろう。
こんな単純なことでも僕らの時間は過ぎていった。
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