どこへ行く?
朝食後、僕は管理人室を借りて自分のノートパソコンを広げていた。
見ているのはこの周辺のマップだ。
周辺は本当に田畑しかない。こういう場合はどうやって一日を過ごすべきなのか。目的を持ってきたわけでないので、困り果てていた。
僕は身を投げ出すようにして寝そべる。
何もない天井を見あげていると思わずあくびがでそうになる。
「お兄さん、いる?」
少女が襖を開けて入ってくる。
「どうしたの?」
聞けば、先ほど伯父さんがきて、洗ってもらうものを持って帰ってもらったり、食料なんかを届けてくれたらしい。
「お兄さん、どうやって過ごすか困ってる?」
「そうなんだよ」と白状する。
「だったら私と一緒に川へ遊びに行こうよ」
浅瀬のいい場所を知ってるんだと少女は言う。
川か。そういえば昨日、休憩したときに行った川はきれいだった。水も冷たくて気持ちいいだろう。
「へえ。それならお言葉に甘えようかな」
「決まりだね」
そうと決まればと早速支度に取りかかることになった。
少女は覗かないでねと言って、隣の部屋に引っこむ。
襖の向こうから布が擦れる音。ひょっとして着替えているのかもしれない。
それから待つこと五分ほど。少女は襖を開けて、入ってくる。
「どうかな?」
少女は水着姿だった。
ブルー基調に白い雲のような模様がところどころ入っている。上は首元から胸元までしっかり覆われているデザインになっている。
そのかわりビキニスタイルなのでおなかの部分はしっかり露出している。
下は動きやすさを重視してのことか、水着の上に切れこみの鋭いホットパンツを履いている。
少し日焼けした健康そうなお腹と太ももを惜しみなくさらすような水着姿である。
「ひょっとして、水着のそのまま外に出るの?」
「バカ」と少女に言われてしまう。
少女いわく、外に出るときは濡れてもいいシースルーのワンピースがあるから、それを着ていくということだった。
当然と言えば当然か。
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