朝起きて
朝は自然と目が覚めた。時間は8時過ぎ。
隣に寝ていた少女の姿は既になかった。布団を触っても残熱はなく、かなり早く起きたのではないだろうか。
「お兄さん、起きたんだね」
襖を開け放つエプロン姿の少女。目は爛々と輝いて完全に覚醒しているようだった。
それに対して僕は思わずあくびがでてしまう。
「とりあえず顔でも洗っておいでよ。そしたら朝食にしよ」
少女はしょうがないなという表情だ。なんだか母親のようである。
「とりあえず、そうするよ」
縁側を出るとギラついた太陽が庭を照りつけている。今日も暑くなるのだろう。
洗面台で顔を洗って、フェイスタオルで顔を拭く。
さて、今日は何をすべきか。
周辺でまともな店は昨日行ったコンビニくらい。いちばん近くの商業施設は車で一時間。後者については電動自転車を考慮に入れてもあまり現実的ではないだろう。
二日目にして一日の過ごし方を悩まないといけないとは思わなかった。
どうすべきか少女に聞いてみるのがいいかもしれない。
そんなことを考えていると額から汗がじんわりと滲んでくる。
実際、かなり暑かった。さっさとエアコンの効いた室内へ入ろう。
蝉の鳴き声があたりから響いてくる。一日のはじまりだった。
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