夕飯は?
少女は昼食のときと同じエプロン姿で、調理をはじめていた。
ご飯は僕が風呂に入っている間に準備していたそうで、いまは蒸らしているとのことだ。
食材の納品は僕らが家に戻ってくるまでにすんでいたようで、冷蔵庫の中は食材でいっぱいになっていた。
さて、伯母さんはついでによく煮込んだ特製カレーを鍋に入れて置いてくれていた。言葉通りによく煮込んであって、野菜なんかは完全に溶けてしまっていた。
そこで少女は夏野菜を素揚げして、野菜カレーにしようとしていた。
本当に少女は楽しそうに料理をする。それが僕にはとても輝いて見えてしまうのだ。
僕は少女の姿をどうやってシャッターのフレームに収めるかを考える。
「せっかくだから可愛く撮ってね」
「君はどう撮っても可愛いと思うよ」
思わず返した言葉であったが、少女が一瞬硬直したように思えた。
「や、やだなぁ。可愛いだなんて照れちゃうよ」
あははと少女は頬をかく。照れくさかったのだろうか。
「ところでお兄さんは福神漬け派?」
どちらかというと好き嫌いはない。だされれば食べる派である。おいしければなおよいというところか。
「じゃ、いれておくね」
できたと少女は野菜カレーを二皿台所から運んでくる。
いただきますをして、カレーを二人で食べはじめる。
素揚げしたかぼちゃ、なすび、レンコンなど、食感を楽しませてくれる。
僕はカレーを美味しそう食べるからだろうか。少女の表情は終始ほころんでいた。
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