表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第十四章開始】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第十四章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

828/837

多重ゲート4

828

「さっさと終わらせるぞ!」


 今や圭たちもA級覚醒者集団である。

 そのことを鼻にかけて油断するつもりはないけれど、B級相当のボスに苦戦しているようではドラゴンなんか倒せないだろう。


「こっちこいよ、デカブツ!」


 カレンが盾を構え、魔力をボスレッドスキンオーガに差し向ける。

 敵意を持った魔力を向けられたボスレッドスキンオーガは、全身をチクチクと攻撃されたような不快感を覚える。


 不快感の正体を探し、それがカレンだと気づく。


「ふうう!」


 ボスレッドスキンオーガが剣を振り下ろし、カレンは盾で受け止める。

 盾は攻撃を防いでくれるが、相手の力を全て吸収してくれるわけではない。


 剣と盾がぶつかる衝撃、上から押しつぶされそうになる力がカレンの体を襲う。

 魔力を充実させた体は衝撃に耐え、巨大なボスレッドスキンオーガの一撃はカレンに止められてしまった。


「ひひ、ビリビリすんな」


 盾を持っている腕が衝撃で痺れている。

 それでも盾を手放すことはないし、まだまだ攻撃を受けられる余裕がある。


「いっくよー!」


 翼を広げた波瑠がボスレッドスキンオーガに襲いかかる。

 ボスレッドスキンオーガの太い右腕の周りを回転しながら上がっていく。


「ほっ!」


 一瞬遅れて、ボスレッドスキンオーガの右腕から血が噴き出す。

 波瑠のナイフによって腕はズタズタに切り裂かれていた。


「おっと、そのままそこにいてもらおうかね」


 ボスレッドスキンオーガの足元が凍りつき、鋭く伸びた氷が突き出してくる。

 まるで足に氷が突き刺さって、ボスレッドスキンオーガの足がその場に拘束されてしまう。


「ピピー!」


 フィーネが近くにあった家の屋根に足をかけて高く飛び上がる。


「フィーネ、やっちゃえ!」


「おうともさー!」


 フィーネは下から大きく鎌を振り上げる。

 ボスレッドスキンオーガは防御しようと、ズタズタになった腕で剣を持ち上げる。


 次の防御なんかも考えていないフィーネのフルスイングが剣と衝突する。

 ボスレッドスキンオーガを遥かに上回るフィーネのパワーによって、剣が弾かれて腕が後ろに一回転する。


 ゴキンと鈍い音がボスレッドスキンオーガの肩から響いて、痛みに顔を歪ませて叫ぶ。


「俺の出番はあまりなさそうだな」


「お主も手伝っておけ」


「分かりました」


 圭たちの実力が初めて会った時とは比べものにならなくなっている。

 まさかこんなふうになるとはダンテもルシファーも思っていなかった。


 ダンテが剣に黒い魔力を集める。

 刃に手を添えて引き、ボスレッドスキンオーガに向けて突き出す。


 黒い魔力の突きが飛んでいく。

 パッと左手を突き出して防ごうとしたものの、そんなことでは防ぎきれない。


 手のひらに穴が空き、それでも威力を失わずにボスレッドスキンオーガの胸にも大きな穴を空ける。


「圭さん、支援します!」


 薫は圭に魔力を集中させる。


「ありがと!」


 薫の支援を受けると体が熱くなる。

 足取りが軽くなって、剣を握る手に力が入る。


 ボスレッドスキンオーガは後ろに倒れていく。

 圭は走って勢いをつけると、地面を蹴って飛び上がる。


 剣を振り上げ、ボスレッドスキンオーガの頭を狙って一撃を繰り出す。


「くらえ!」


 ボスレッドスキンオーガが地面に倒れるのと、圭の剣がボスレッドスキンオーガの頭をかち割るのは同時だった。

 しっかりと魔力を込めた一撃は頭から胸だけでなく、その下の地面まで大きく切り裂いていた。


「ふぅ……」


 苦戦したドラゴンのイメージを払拭するように各々が力を出した。


「大丈夫……ちゃんと強くなってるな」


 ボスレッドスキンオーガもさほど苦戦しなかった。

 やはりドラゴンが異常なまでに強かったのだ。


「あっ! 圭くん、あれ!」


「……あれは……ゲート?」


 ボスレッドスキンオーガを倒した。

 これで終わりかと思っていた圭たちの前にゲートが現れた。


「……多重ゲート」


 こんなに簡単に終わるはずがない。

 そう思っていたのだけど、実際に何かが起こると嫌な予感がしてしまう。


「とりあえず青龍ギルドと合流しよう」


 なぜ唐門ギルドが失敗したのか。

 その理由がうっすらと分かったような気がしたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ