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【第十四章開始】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第十四章

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光明2

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「あっ、はい」


 ウェイロンの方が何かを言っている。

 ヤンが聞き取って通訳してくれようとしている。


「四川省の情報は比較的厳重に管理されているようですね。ゲートの攻略もしっかりなされているようです。ただそれでもゲートを隠し切ることは難しいです」


 いかにゲートを隠そうとも、多くの場合は隠しきれない。

 人里離れた場所にあるならともかく、人の生活圏に近い場合は不可能だといってもいい。


 そもそもゲート自体が非常に目立つ上に、長期間放置すればブレイクを起こしてしまう。

 攻略できない、あるいはしないゲートもあれば分かってしまうのだ。


「四川省にある攻略されていないゲートは現在五つです」


「五つ……」


「結構あるね」


 意外と多いなと圭たちは思った。


「高難度は分かりますか?」


「五つのゲートのうち、二つはだいぶ長いことあるようです。他三つは最近現れたもので、攻略の準備を進めていると思われます。難易度が高いかどうかは……今ここでは分かりませんね」


 ヤンがウェイロンとやりとりしながら圭の質問に答えようとしてくれるが、ゲートがあることまでわかってもゲートの中身までは難しいようだ。

 多少長いこと残っているとしても攻略できないんじゃなくて準備をしているだけのこともあれば、利益的なところが大きくて残している可能性もある。


 なぜ残しているのかは、ゲートの支配権を持つギルドじゃなきゃ分からない。


「……少し調べる時間が欲しいそうです。それと、ゲートのことを聞いてどうしたいのかと」


「ゲートを攻略したくて」


「なぜ四川省のゲートを?」


「理由はお話しできないんですけど、ちょっと訳がありまして」


「そうですか……」


 ヤンは眉を寄せて悩むような顔をする。


「事情があるのならおうかがいしませんが、我々青龍ギルドの力が及ぶところならともかく、四川省……難しいかもしれませんね」


「攻略……させてもらえませんかね?」


 いきなり別の国のゲートを攻略させてくれといって、攻略させてくれることの方が少ない。

 国内で見たって、自分の勢力圏のゲートを他に明け渡すことを嫌うようなギルドもいる。


 厳しい可能性は予想していた。


「まず応じてくれないでしょう。特に我々と親しくしていると聞いたら……」


 そんなにバチバチのライバル関係なのかと驚いてしまう。


「そこでなければダメな理由が?」


「ええ……」


 ようやく見えた光明なのだ。

 四川省のゲートは何としても攻略したい。


「分かりました。攻略権の交渉も含めて、ゲートの調査もこちらに任せてはいただけませんか?」


「いいんですか?」


「ムラサメ様には大きな恩がありますから。こちらでできることはさせていただきます」


「じゃあ、お願いします」


 他国のことはその国の人に任せるに限る。

 少なくとも青龍ギルドなら信用はできる。


 わざわざギルドマスターと副マスターまで出てきて話を聞いてくれたのだから、四川省のゲートのことは青龍ギルドに任せることにした。


「さて……どうなるかな」


 無理なら無理でどうにかする方法を考えねばならない。

 そう思っていたのだけど、青龍ギルドから圭に再び連絡が来たのはおよそ一週間後のことであった。

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