表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第十四章開始】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第十四章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

817/837

ブラックドラゴン戦1

『あなたは勇者です! 邪悪なブラックドラゴンを倒してください!

  ◽︎◽︎◽︎ヲ◽︎タ◽︎◽︎エエエ

  アウェ◽︎◽︎◽︎◽︎

  伝説の聖剣を手に入れろ!』


「何だかすっごく不安だな……」


 十八階まで上がってきた。

 今回は亜空間の収納袋に色々詰め込んだだけでなく、十一階にも物資を持ち込んで保管してもらっている。


 いざとなれば塔から出ることなく、長期間活動できる準備をして挑んでいた。

 そして十八階に来た瞬間に試練の表示が現れた。


 ただ何か怪しい。

 試練の内容の毛色が少し他の階と少し違うこともそうなのだが、試練の内容が文字化けしているのだ。


 圭だけじゃない。

 みんなの表示も同じく文字化けしていて内容が読めないところがあるのだ。


「間の文字化けしてるところは無視していいのかな?」


 とりあえずブラックドラゴンを倒せという大きな目標と聖剣を手に入れるという小さい目標は普通に読める。

 その間の何行かが文字化けしているのであり、そこがどう影響してくるのかいまいち分かっていない。


 もし試練ならクリアしなきゃブラックドラゴンと戦えない可能性もある。

 単純に何かの説明かもしれない。


「シークレットはどうだい?」


「……いや、表示されてないな」


 圭の表示はみんなのものと同じだった。

 つまりシークレットクエストが出ていないのだ。


「これが異常かどうかも分からないのは怖いねぇ」


 シークレットクエストがない階もあった。

 そのためにシークレットクエストの表示がなくとも、これが以上であるとは言い切れないところがあるのだ。


「けどこんな感じなら……あってもおかしくないけどな」


 カレンは周りのことを見る。

 今いるのは森のど真ん中。


 こんな感じのフィールドタイプの階層では、大体シークレットクエストがあった。

 やっぱりシークレットがないのは異常なんじゃないかと思う。


「まあでもこうなってきたということは相手も焦ってるのだろうな」


 ダンテは早々と表示を消して周りのことを警戒する。

 敵の妨害が激しくなるほどに、終わりに近づいているのだとダンテは考えていた。


 色々な手を尽くさねばならないほどのところまで来ているのだとポジティブには考えられる。


「行こうか」


『異常ナーシ!』


 圭たちの一大戦力でもあるキューちゃんはクンクンと匂いを嗅いでいる。

 一回圭の匂いを吸って恍惚とした表情を浮かべた後、周りの臭いからモンスターがいないか確かめてくれていた。


 シャリンとフィーネ、それに波瑠がキューちゃんに騎乗して、とりあえず森の中を進んでいくことにした。


「雰囲気としては悪くないんだけどな」


 十八階は十七階のような重たい雰囲気がない。

 太陽は見えないものの、空は晴れていて明るく、森は植物がしっかりと茂っている。


 何か危険があるというような感じはなく、今のところ下の階のようですらある。


「おっ、道だ」


 どこに進んでいいのかも分からないので、ゲートから真っ直ぐ進んだ。

 すると明らかに人が通るような道があった。


「こっち!」


「んじゃそっち行くか」


 ただ道のどちらを見ても何かがあるわけじゃない。

 進むべき決め手はないので、フィーネの勘に従って進む。


「何となくだけど、中世っぽい感じだねぇ」


「なんで?」


 ただ道があるだけである。

 舗装はされていないが、それで中世っぽいとは思えないと波瑠は首を傾げる。


「わだちの跡がある。これは自転車なんかじゃなくて馬車だろうね」


「あー、なるほど」


 道を見てみると二本のわだちの跡が続いている。

 細いわだちは車のタイヤの跡ではない。


 だからといって自転車の跡にしては他にわだちがなく、同じ間隔でわだちがずっと続いているのも変だ。

 となると馬車だろうと夜滝は予想した。


 ここまでの塔の中の世界はファンタジーっぽい感じの世界観なことも多かった。

 十八階もそんな感じかもしれない。


「おっ! なんか見えてきたぞ!」


 遠くの方に家みたいなものが見えてきた。


「波瑠!」


「うん! 任せて!」


「フィーネも!」


「びゅーん!」


 波瑠が翼を広げて飛び上がる。

 フィーネも同じく翼を作り出して飛んでいく。


「むむむ……」


 波瑠は高い位置から家の方を眺める。

 町というよりも村のような規模の家々が見える。


「村があるよ!」


「モンスターはいそうか?」


「モンスターは……いなさそうかな? あれ? 人もいない……?」


 モンスターがいないかどうか確認しようとして波瑠は違和感を覚えた。

 村の家は綺麗で、まだ人が住んでいそうな雰囲気もある。


 なのに人の姿がない。

 明るさからすると昼間であり、人が外におかしくないのにモンスターも人もいないのだ。


 波瑠は背中がゾワっとするような不気味さを感じだ。

 周りが穏やかで、何の問題もなさそうなだけに、小さな不穏さがやたらと目立っている。


「フィーネ、人もモンスターも見えないよね?」


「ん、いない!」


「ジーっ……見えない……」


 波瑠に見えていないというだけじゃなく、フィーネとシャリンにも見えていないようである。

 波瑠は下に降りて、見えたものをみんなに説明した。


 人も見えないという違和感もしっかりと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ