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【第十四章開始】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第十四章

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追い詰められていく世界

「何だか嫌味のようなものを感じるな……」


 十七階は攻略したものの、消耗が大きかった。

 長い間逃げ回られた挙句にようやく攻略したという喜びはあるものの、アルトとエルサントの悲恋によって素直に喜びきれないところもあった。


 十八階に挑みたいところだけど、焦っては上手くいくものも上手くいかない。

 ともかく体力や魔力を回復させるためにも、圭たちは一度塔を脱出した。

 

 ただすぐに外に出たわけではなく、少しやることもあった。

 リッチやスケルトンは消滅して出てこなくなったが、エルサントたちは消えなかった。


 どうなるのか、ちょっと分からず少し様子を見た。

 するとエルサントたちも普通にお腹が空いたり、寝たりと生きている人間として活動していたのである。


 花は生えていても、それ以外何もない。

 人が暮らしていける環境じゃなかったのだ。


 放置しても大丈夫なのかどうか分からない。

 エルサントたちは大丈夫、仮に死んでも悔いはないというのだけど、圭たちは放置して死なれたら大丈夫だとは思えない。


 亜空間の収納袋があるので食料を運ぶこともさほど難しくはない。

 ただ面倒である。


 そのために一つ試してみたことがあった。

 エルサントたちが階層を移動できないか。


 十一階のメルシリアやクロノアのように別の階に行けるならと思ったのだ。

 結果的には移動できた。


 ということでエルサントたちは十一階に住むことになったのである。

 そんなことをしながら、塔の中で最終的には十日ほどを過ごすことになってしまった。


 出てきてみるとまた世界は少しゲームに追い詰められていた。


「わざわざリッチのゲート出すかね……」


「まるで仕返しみたい」


 アフリカにとあるゲートが出現した。

 最初からブレイクを起こしていたゲートからはモンスターが溢れ出して、現在アフリカの一部地域は封鎖されてしまうほどの被害を受けている。


 出てきたモンスターはリッチ。

 不死の軍隊がいまだにアフリカで暴れ回っていた。


 強いモンスターのゲートが出現する可能性が加速度的に増していくことはわかっている。

 だが圭たちがリッチを倒したタイミングで、リッチのゲートが出現したことは偶然とは思えない。


 ある種の意趣返しではないかと圭たちは感じた。

 逃げ回らせて時間を稼いでいたリッチを倒したから、リッチを出したのだ。


「ほんと、性格悪い!」


 あからさまなやり返しに波瑠もカレンも怒っている。

 こんなものすぐに気づくに決まっている。


「アフリカは対応に追われてる……対処できるか分からないな」


 圭たちが戦ったアルトはエルサントの助けもあった。

 限られた世界の話であり、戦力的な限界もあるものだった。


 だが現実にブレイクゲートからリッチが出てくるとかなり厄介だ。

 死体を操って自分の戦力ともするリッチは、被害が拡大していくほどに強くなる。


 早めに倒さねば、アフリカは支配されてしまうかもしれない。


「他には太平洋沖ゲートか……」


 いくつか危険そうなゲートの出現がニュースサイトにまとめられている。

 アフリカのリッチゲートがメインで出ているが、今は太平洋沖に巨大ゲートが出現したなんて情報もある。


 どこかの国に出現したならともかく、海のど真ん中にゲートが出現するのはなかなか困ってしまう。


「こっちはブレイク起こしてないけど、ゲートの中によってはかなり大変そうだな」


 そもそも海の真ん中まで攻略しに行くのは大変だ。

 どこの国が権利を主張するのかも、複雑な関係がある。


 そんなことしている暇じゃないのに、まともに攻略に移れるかも不安だと圭はため息を漏らす。


「今のところ、アフリカも遠い話だからアレだけど……」


 もしリッチゲートが日本に出現していたら塔の攻略も気が気じゃなかっただろう。

 だが早く攻略しなきゃ行けないし、と焦りも抱えることになったはずだ。


 あるいは場所によっては塔から一度出ることもできなくなっていた可能性すらある。


「次に塔に入る時はこうしたことも覚悟しなきゃいけないな」


 攻略に時間をかけている間に最悪の場合、帰る場所がないことも想定しなきゃいけない。

 あるいは単純に日本の出口から出られないなんてこともありうる。


 最悪の場合を想定して動かねばならない。


「やだな……塔から出ようとして、日本無くなってるの……」


「そうそうそんなことにはならないと思うけど……本当の最悪の場合はな」


 数日で日本が滅ぶことなんてないだろうとは信じたい。

 しかし何があるかは分からない。


 現実的にはゲートの出現などで一時的に出られない、なんて可能性は考えられる。


「ともかく次は十八階だ。早く攻略しよう」


 圭の言葉にみんなが頷く。

 一階ずつでもしっかり登っていく。


 圭の中にも焦りはある。

 早く攻略しなければ被害も増える。


「絶対にこのゲームには負けない!」

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