表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第十四章開始】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第十四章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

802/837

力に飲み込まれた男2

「フィーネ右!」


「オッケー!」


 人形状態のシャリンはあまり戦えない。

 無理をすれば戦えないこともないが、人形が壊れてしまえばまた魔界に逆戻りになってしまう。


 だから戦わずにフィーネの胸元にいる。

 戦わない時はフィーネとシャリンで圭のどこかしらにいて、戦う時はフィーネをメインにシャリンはそばで応援という形になっている。


 最初こそ戦えないことに不満はあったけれど、みんなと一緒にいるためなら仕方ない。

 それにフィーネにくっついて戦うのも意外と楽しいようだ。


「ふむ……スケルトンの編成が変わってきたねぇ」


 夜滝が魔法を放ちながら全体を俯瞰して観察する。

 ただのスケルトンが多かったこれまでと変化して、スケルトンウォリアーやスケルトンマジシャンが増えてきている。


 前回の経験からすると、こうして少し強めのスケルトンが増えてくるとリッチクラスのボスが出てくるかもしれないと警戒を強める。


「圭君! あれじゃない?」


「あれ?」


 空を飛ぶ波瑠が先の方を睨みつけるように見ている。


「……あれか?」


 いまいち圭からはあれというものが見えていなかったけれど、フィーネが暴れてスケルトンの数が減っていくと奥に何かが見えてきた。


「ローブを着たスケルトン……リッチか?」


「んー、リッチマジシャンかねぇ?」


「そもそもその二つの違いってなんだ?」


 リッチはスケルトン系の最上級と見られている。

 その能力としては強力な魔法使いである。


 対してリッチマジシャンという存在も試練の中にある。

 リッチが魔法を使う存在であるのに、その中でさらにマジシャンとはなんだろうと今更疑問に思った。


「分からないねぇ、まあ、倒せばいいのさ」


「そうだな……」


 まだチラリと姿が見えるだけでかなり距離がある。

 圭の真実の目の範囲外で、情報も見られない。


「もうちょい近づけば見えるんだけどな」


 真実の目ともここまで長い付き合いだ。

 なんとなく効果がある範囲も分かっている。


『リッチマジシャン

 リッチに忠誠を誓い、力を与えられた魔法使い。

 リッチを守り、リッチのために戦う。

 かつては名のある魔法使いだった。

 世界のためにリッチに忠誠を誓い、リッチとして戦った。

 もはや彼女の名前を憶えている人はいるのだろうか?』


「おっ、見えた! どうやらリッチマジシャンのようだな」


 戦いながら前進していくと、真実の目の効果範囲内に入った。

 見てみると相手はリッチではなく、リッチマジシャンのようであった。


「なんかしてるぞ?」


 リッチマジシャンが地面に杖を突き立てる。

 すると地面に魔力が広がっていって魔法陣が描かれていく。


「チッ……止めるには少し遠いな」


 強い魔力を感じる。

 何かしらの魔法を使おうとしていることは確実である。


 しかし間にはスケルトンウォリアーがひしめいている。

 軽く飛び越せるような距離でもなくて、ダンテは眉をひそめて舌打ちする。


 地面に描かれた魔法陣が空高く飛び上がっていく。

 魔法陣の真ん中に魔力が集まっていく。


「ねぇ、なんか……危なくない?」


「……なんか嫌な感じがビンビンとするな」


「夜滝ねぇ!」


「ちょっと対抗できるか分からないけど、やってみるよ」


 巨大な魔法陣の真ん中に集まった魔力が燃え上がる。

 まるで太陽のような巨大な火球が生み出された。


 ゆっくりと回転していた魔法陣の動きが止まり、火球が圭たちに向かって落ち始めてきた。

 圭は慌てて夜滝の方を振り返る。


 夜滝も流石に辛いかもしれないと思いながらも魔法を発動させる。


「スケルトンが……」


 ただひたすらに押し寄せるように動いていたスケルトンは、系たちを取り囲むように動いていた。

 数が多すぎてもう下がることもできなくなっている。


「二重魔法……」


 圭たちで押し寄せるスケルトンを倒して夜滝を守る。

 夜滝は二つの魔法を同時に生み出す。


 しかしそれぞれ独立した魔法ではなく、二つで一つの魔法を作り出していた。

 ドリルのように先端を尖らせて渦巻く水に、絶対零度の刃を混ぜ込んだ。


「いくよぅ!」


 相手をズタズタに引き裂く水と氷の混合魔法が撃ち出された。


「ちょ……意外と大きすぎやしないかぃ?」


 リッチマジシャンが放った隕石のような火球は、近づくほどに大きく見えてきた。

 直撃すれば圭たちのみならず、周り一面焦土となってしまいそう。


「でも負けるつもりはないよ!」


 夜滝の魔法とリッチマジシャンの魔法が衝突する。


「うぐっ……」


 夜滝は魔法に魔力を送り続けるも苦しい顔をする。


「カレン、俺をリフトしてくれ!」


「オッケー! 大地の力!」


 このままでは危ないかもしれない。

 カレンが大地の力で地面を迫り上がらせて、ダンテのことを高く持ち上げる。


 ダンテは迫り上がる地面で勢いをつけて跳び上がる。


「ふっ!」


 ダンテの剣から黒い魔力が噴き出す。

 そのまま剣を振り下ろすと、噴き出す黒い魔力は斬撃となってリッチマジシャンの火球に襲いかかる。


「ね……あれ、大丈夫なの?」


 夜滝の魔法とダンテの攻撃。

 二つの力によってリッチマジシャンの火球が二つに割れる。


 しかし火球は二つに割れたまま落ちてくる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ