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【第十四章開始】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第十三章

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アンデッドと悪魔2

「うーん、良さげなのないね……」


 都合の良いゲートというのは、意外と見つからないものである。

 検索範囲を広げてアンデッド系モンスターのゲートを調べてみるが、今のところそんなものは出現していない。


「これは……攻略済みか」


 高等級のものはもう攻略されてしまっている。

 今あるものはD級以下のゲートしかない。


「とりあえずD級ゲートに行ってみるか……」


 等級が低いからと可能性がゼロなわけではない。

 行ってみればここでも大丈夫となる可能性もある。


 アンデッド系モンスターが出るところで、中でも等級が高く、さらには一番近いところを探してみる。


「少し遠いけど……ここぐらいならいけそうかな」


 国内に一つD級ゲートがあった。

 覚醒者協会が定めた攻略期限が迫っているようなゲートであり、都心部から外れた遠い場所にある。


 出てくるモンスターは、スケルトンナイトとスケルトンマジシャンというスケルトンよりも少し強いモンスターが出てくるようだ。


「とりあえず予約しちゃおうか」


 みんなのスケジュールを確認して、攻略にはいけそうだった。

 なのでゲートの攻略権を落札して、攻略の予約を入れておく。


 こんな時にネットで完結できるのはありがたい。


「ダメだったらちゃっちゃと攻略しちゃえばいいか」


 ーーーーー


「手荷物少なめはありがたいねぇ」


 都心部から離れたゲートの攻略は面倒だ。

 ゲートそのものが面倒というより、ゲートまで行ったり準備したりするのが面倒であるという話である。


 移動だけでなく、移動の距離によっては野営なんかの準備も必要となる。

 テントや寝袋も決して軽くて小さい荷物ではない。


 力や体力的にデカい荷物を背負っても今は苦にならないが、だからと言って楽勝であるとも言えない。

 しかし圭たちには亜空間の収納袋がある。


 デカい荷物は袋の中に入れてしまえばいいので、移動の心配だけしていればいいのだ。

 圭たちは予約したゲートに向かっていた。


 山の中にゲートは出現していて、かなり山奥に入っていかねばならない場所にあった。

 できる限り近いところまで車で来て、そこから山に入った。


 メンバーはいつものみんなとルシファー運搬係としてダンテも来ている。


「D級ゲートが余裕……なーんていう日が来るなんてね」


 移動がめんどくさいなと思うだけで、みんなの中にゲート攻略の不安は微塵もない。

 みんなの能力もB級だし、ダンテに至ってはA級だ。


 D級ゲートなんて攻略が難しいこともないだろう。

 伊丹なんかが圭たちの攻略予定を見たら、何をしでかすつもりなのかと訝しむことだろう。


「見えてきたねぇ」


 今いる地点から少し下ったところに青白く光るゲートが見える。

 見つかってから時間が経っているゲートで、攻略の申し込みもなく、ゲートブレイクも不安視されていた。


 ただ見た感じではモンスターはいないからまだブレイクは起こしていないようだ。


「時間は微妙だな。ここにテント張って明日挑もうか」


 攻略そのものは難しくなくても、どれぐらいで攻略できるのかは分からない。

 焦る攻略ではないので、時間に余裕を持って準備しておく。


「少しだけ先に入ってできそうかチェックだけはしようか」


 ルシファーが入ればシャリンを呼べそうな場所かどうかは分かる。

 野営の準備を進めつつ、圭はダンテとルシファーとゲートの中に入ってみることにした。


「なんだかいかにもって感じの場所だな」


 ゲートの中はドヨンとした空気をしていた。

 重たい雲が空に広がっていて、空気もなんだか悪い。


 枯れた黒い木がところどころに生えていて、地面は土が露出している。

 なんだか剣や槍のようなものも地面に刺さっている。


 古い戦場みたいだと圭は思った。


「……ふむ、悪くはないがここじゃダメだな」


 ダンテのポケットから顔を出して、ルシファーは深いため息をつく。

 場の雰囲気はいかにもジメジメとしてていいが、シャリンを呼び出せるほどではない。


「そうか……」


「ピピ……残念」


 圭の服の中にいたフィーネもしょんぼりとした声である。


「フィーネもそう落ち込むなって。準備はできてるんだから後は場所だけだしな」


 となるとゲートはさっさと攻略してしまうのがいい。

 圭たちは次の日ゲートをサラッと攻略して、シャリンを呼ぶのに適した場所を探し始めたのだった。


 ーーーーー


「ピピ! 早く!」


「そう急ぐなって!」


 なかなか都合よくアンデッド系高等級ゲートも出ない。

 そんな中で一つ希望のある話を聞いた。


 現在塔の攻略で一番進んでいるのは十七階となっている。

 十六、十七階になるとまだ他のギルドからの攻略情報も公開されていないのだけど、なんとブラックマーケットが情報を集めてきてくれた。


 どうやったのかは知らないが、攻略したギルドから情報を得たのだろう。

 それによると、なんと十七階はアンデッド系モンスターが出てくる場所となっているらしかったのだ。


 ゲートの出現を待つよりも塔の攻略を進める方が確実だ。

 元より塔は登っていくつもりだったので都合もいい。


 そういうわけで圭たちは再び塔の攻略を進めることにした。

 ブラックマーケットが調べてくれたとはいっても、これまでに比べて圧倒的に情報が少なくなる。


 そして圭の予感ではあるが、塔の上も近づいている。

 このゲームを終わらせられるのか。


 どんな結末を迎えるのか。

 それはまだ分からないのだった。


 ーーー第十三章完結ーーー

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