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【第十四章開始】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第十三章

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古代の遺物を取り戻せ1

「戦いの音が聞こえるな」


 大量のゴーレムがあった部屋にはいくつか扉があって、適当に一つを選んで研究所の中を探索していた。

 うっすらと戦うような音が聞こえてきて圭たちは顔を見合わせる。


 一本道の廊下を走る。


「あれは……」


「先に行った欧州連盟の覚醒者たちだねぇ」


 廊下の一面がガラス張りになって、向こうの様子が見えるようになった。

 隣は部屋になっていて、廊下からは見下ろすような位置関係になっていた。


 部屋の中では、先に古代遺跡に入っていった欧州連盟の覚醒者たちがゴーレムと戦っている。


「数が減ってるな……」


「半分……とはいかないけど、三分の二ぐらいかな?」


 入る時に見た人数よりもだいぶ減っている。

 三割ほどいないところを見ると、どこかでやられてしまったのだろう。


「あまり良さそうな状況じゃないな」


 欧州連盟の覚醒者たちに余裕はなさそう。

 すでに怪我を負っているような覚醒者もいる。


 全滅するかは分からないが、厳しそうなことは見ていて分かった。


「助けに行こうか」


 このまま進んでしまえば次にいつ出会えるか分からない。

 スルーしていって全滅されては流石に罪悪感を覚えてしまう。


「……ガラスに穴はないか」


 どこか降りられそうなところはないかと廊下の先を見てみるが、穴が空いているようなところはない。


「無いなら空けりゃいい!」


 カレンがガラスを壊そうとメイスで殴りつける。


「でっ!」


 ガインッと音がしてカレンのメイスが弾かれる。

 ガラスには小さな傷がついたものの、割れることはなかった。


「おお……手が痺れる」


 こんなことになるとは想像していなくて、思い切り殴りつけたカレンはメイスを置いて手を振っている。


「強化ガラスのようなものなのかねぇ」


 今やB級のカレンの力はかなり強い。

 メイスも殴ることに特化した武器であり、力が乗りやすいはずなのに全然割れなかった。


 分厚さあるもののただのガラスに見えていたが、普通のガラスでは無いのかもしれない。


「ピピ! フィーネにお任せ!」


 圭の服の中から飛び出してきたフィーネは体の形を変化させる。


「なかなか凶悪だね」


 人型になったフィーネだけど、右腕もすでに変形済みだった。

 右腕はいわゆるパイルバンカーと言われるような巨大な杭打ちの形をしている。


「どこでそんなもの覚えてきたんだ……」


 一般的に見るようなものでは無い。

 そもそも覚醒者が多くいる世の中でも、そんなトンデモ武器使っている人はいない。


「ピピピピピピ……」


 ギシギシと音がして、杭が引き絞られていく。

 どんな構造しているのか分からないが、ちゃんとパイルバンカーとして使えるようである。


「ピー!」


 ガラスに杭の先端をつけるようにして、フィーネが力を解き放つ。

 爆発するような低くて鈍い音が響き渡り、杭がガラスを貫通して突き刺さる。


 廊下に張られたガラスには細かなヒビが走って向こう側が見えなくなってしまう。


「ん、んっ! ピッ!」


 杭が抜けなくて、フィーネは右腕を普通の人の形にして引き抜いた。


「カレン、壊せるか?」


「これならいけそうだ!」


 カレンはパイルバンカーによって穴をあけられたところを中心に、メイスで殴ってガラスを破壊する。

 細かなヒビが入ったガラスは、ガンガンと殴りつけられて細かく割れて落ちていく。


 それでも一気に割れたりしない以上、かなり丈夫なガラスである。


「よいしょ!」


 圭も剣を鞘ごと抜いて、ガラスを殴って壊す。

 大体人が通れるぐらいの大きさまで穴を広げることができた。


 欧州連盟の覚醒者たちはいまだに戦い続けている。


「これぐらいなら飛び降りられるか」


 やや高さはあるけれど、覚醒者としての能力があれば無事に飛び降りることができそうだった。

 圭たちは一人ずつ空けた穴から飛び降りていく。


 夜滝や薫といった少し身体能力的に不安があった二人も無事に降りられた。


「‘なんだ? 急にゴーレムが止まった……’」


 圭が近づくとゴーレムが動きを停止した。

 キーは部屋で暴れていたゴーレムにも有効であったみたいだ。


「‘大丈夫ですか?’」


 夜滝が欧州連盟の覚醒者たちに声をかける。


「‘君たちは……後から来た……’」


「‘ひとまずゴーレムから離れましょう。いつ動くか分からないので’」


 圭たちは欧州連盟の覚醒者と共に、欧州連盟の覚醒者が来た一つ前の部屋に戻った。

 閉まっていたが、キーを持っていると開けることができた。


「‘助かったよ。うちももう限界だった’」


 一つ前の部屋には多くの破壊されたゴーレムと何人が倒れている人がいた。

 薫が治療してやると欧州連盟の覚醒者たちは感謝の言葉を述べて、薫のことを女神だなんて言っている人もいる。


「‘ゴーレムに追われてここに入ってから戦いが続いていて……’」


 欧州連盟の覚醒者のリーダーはエルモドといい、塔を攻略するために複数のギルドで連合的に手を組んでいるチームのリーダーをしているらしい。

 町の捜索を行いながら移動して、研究所の前の広場に着いた途端サイレンが鳴り響いてゴーレムが集まってきた。


 ゴーレムを避けるために研究所に入ったのだが、そこからがまた大変だった。

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