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【第十四章開始】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第十三章

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何かの研究所1

「にしても……どこから入るんだ?」


 休憩所でも研究所でもどちらでもいいが、どこが入り口なのか分からない。

 研究所という表示があるということは、近くに入り口があるのだろうと思う。


「それっぽいのはあるけど……塞がれてるしな」


 形的に入り口っぽいところはある。

 ただそこは壁で塞がれている。


「塞がれてしまっているのかもしれませんね」


 アルファが入り口っぽいところをペタペタと触る。


「見てください。擦れたような跡があります」


 アルファが見上げる先に上下に伸びるような跡があった。


「上から……あるいは下からこの壁が出てきたのでしょう」


 コンコンと拳で壁を確かめるように叩く。

 アルファは元々壁があった場所が入り口で、今は壁によって塞がれているのだと予想した。


「かなり分厚い壁……少し下がっていてください」


 触ってみた感じ簡単に壊れる壁ではなさそうだが、試してみる分には自由だとアルファは壁の前で剣を抜く。

 剣に魔力を込めて壁のことを突く。


「……チッ」


 蜘蛛の巣状に壁にヒビが入ったけれど、アルファの剣は先端が突き刺さったところで止まった。

 手が痺れてアルファは舌打ちする。


「無理ですね。中には何か鉄板のようなものがあります」


 表面上は石壁だが、中には金属のような硬いものがある。

 破壊するのはまず不可能だ。


「中に入れないとなると困ったねぇ。これはどっちの壁だろうか」


「どっちって?」


「外から入れないための壁なのか、それとも中から逃がさないための壁なのかってことだよ」


「それってなんか違うのか?」


 カレンは何が言いたいのか分からないといった感じで眉をひそめる。


「違いはあるよぅ。外からの侵入を防ぐ目的なら入る前に壁が発動する。それなのに先に行った欧州連盟の人たちはいない……ということはどこからか先に入ったはずだねぇ」


「確かに」


 戦いの跡はあるのに他に人はいない。

 ならば研究所の中に入ったのだろうと推測できる。


 今のところ入れるようなところはないが、どこかに入れる場所がある可能性は高い。


「中から逃がさないように壁が出たのだとしたら……すごく厄介だ」


「なんでだ?」


「そんなことするということは罠だということだよぅ」


 RSIなんかで考えれば、モンスターが逃げないようにということで壁が出てくるところもある。

 しかし侵入者が入ってきた後に壁が出てくるのは、相手を閉じ込めるための罠だと通常は考えられる。


「つまりここは罠の可能性があった……ということですね」


 正面の入り口が罠である。

 なかなか凶悪なことだ。


「罠だろうね。サイレンが鳴って、ゴーレムが集まってきて、そこで開いた入り口がある……逃げ込むだろう」


 夜滝は罠だったのだろうと考えていた。

 先ほどなったサイレンとゴーレムもきっとその一環だったのだ。


 ゴーレムが集まってきて戦いが辛くなると、ゴーレムが身動きしにくくて数を絞れる狭い所を戦いに選ぶことも考える。

 目の前に中に入れそうな避難所があったらそこに飛び込んでみることだろう。


 そうして飛び込んだら壁が出てきて出られなくなる。

 単純だが効率的な罠である。


「そうなると……中の人たちがどうにかなるまで開かないってことでしょうか?」


「その可能性は大きいねぇ」


「だけどさ、どっちだって今は中に入れないことに変わりないだろ」


 壁の意味がどちらなのか知らないが、どちらだろうと今は壁に塞がれていて入れない。

 カレンは肩をすくめる。


「まあ、そうだけど……罠だったとしたらより警戒しなきゃ危険だね」


 内部がゴーレムだけでなく、罠もあるとしたらまた難易度が跳ね上がる。

 かなり面倒な攻略になるだろうとため息しか出てこない。


「だが……どこかに出入り口があるかもしれねぇ」


「そうなのか?」


「考えてもごらんよ。敵が中にいる間に開かないのだとしたら中に最初からいる人はどうなる? 同じくずっと閉じ込められたままだというのはキツイだろうね」


「こっそりと脱出するための出入り口があるってことですね」


「おそらくね」


 罠の出入り口があるなら罠ではない出入り口もあるはずだ。


「探してみよう」


 今のところ入れる場所が無いのなら探してみるしかない。

 圭たちは正面の入り口を諦めて、別の入り口がないか探してみることにした。

 研究所の壁沿いを歩きながら、出入り口のようなものはないかと壁を調べていく。


「入れそうなとこなんてないけどな……」


 カレンは壁に手をついて軽く押してみる。

 開くはずもなく、びくともしない。


「ゴーレムだ!」


 建物をぐるりと回って裏手までやってきた。

 出入り口のようなものは見つからなかったが、町を巡回していた丸ゴーレムを見つけた。


 丸ゴーレムの方も圭たちに気づいて襲いかかってくる。


「……なんか撃ってこないな?」


「なんでだ?」


 丸ゴーレムは銃口を圭たちに向けているが、ビームを撃ってこない。

 なぜなのかと圭は首を傾げる。


「まさか……後ろの研究所を撃たないようにしているのかねぇ?」


 圭たちの後ろには研究所がある。


「やべっ、撃ってくるぞ!」


 丸ゴーレムがカサカサと移動する。

 銃口に魔力が集まる光が見えて、カレンは盾を構えた。

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