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【第十四章開始】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第十三章

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古代遺跡3

「圭さんを支援します!」


 足が凍りついて動けなくなった丸ゴーレムに圭が向かう。


「させるかよ! 大地の力ぁ!」


 動揺することもないのか、丸ゴーレムは脱出よりも先に圭のことを狙った。

 しかし圭のことは狙わせないとカレンが地面をメイスで殴る。


 カレンに近いところから柱状に地面が盛り上がっていき、圭の足元からも岩が高く迫り上がる。

 迫り上がる岩は圭のことを持ち上げ、一瞬遅れたビームは岩の柱を穴だらけにした。


「どりゃああああっ!」


 岩の柱に持ち上げられて高く飛び上がった圭は丸ゴーレムを狙う。

 赤く光っている丸ゴーレムの目に向かって、突き刺すように剣を振り下ろす。


「あぶねっ!」


 しかしそれでも丸ゴーレムは倒せず、銃口が一気に圭に向けられた。

 圭は深く刺さりすぎて抜けない剣から手を離して、丸ゴーレムの上から転がるように避難する。


 間一髪のところでビームはかわせた。


「もっと可愛いゴーレムフィーネがいるよ」


 ビームを撃ち終えた丸ゴーレムの上にフィーネが立つ。

 いつの間にか圭の服の中から飛び出していたようで、ビームの撃ち終わりを狙って人化していた。


 手には大きな斧。


「ふぅん!」


 フィーネが狙ったのは圭の剣が突き刺さっているところだった。

 甲高い音が鳴り響いて、フィーネの斧が丸ゴーレムの目から背中にかけてを大きく切り裂いた。


「‘あそこね!’」


 切り裂かれた背中から魔石が見え、ユファは魔力の矢を放つ。

 一瞬で飛んでいった魔力の矢は、完璧なコントロールで丸ゴーレムの魔石を貫いた。


 ガクンと大きく丸ゴーレムが揺れて、目の光が輝きを失って地面に倒れた。


「やっぱりゴーレムはゴーレムだねぇ」


 ゴーレムといえば弱点があり、弱点を攻撃すれば容易く倒せる代わりに、弱点を攻撃しないと倒せないという面倒なところがある。

 弱点とはゴーレムの魔力を司る魔石である。


 以前戦った複製ゴーレムもフィーネの一撃が魔石を破壊していたのだ。


『マルコスキュネスの複製警備ゴーレム

 古代都市マルコスキュネスを守るために作り出されたゴーレム。

 本来の警備ゴーレムであるクラトナを参考に作られたが、素材などの軽減のために表面しか金属が使われていない。

 すでに命令する主人を失い、遺跡となった古代都市をただ警備だけの存在になってしまった。

 魔石は上質なものを使っているので味は悪くない』


 圭は丸ゴーレムのことを真実の目で鑑定する。

 いきなり現れていきなり戦闘が始まったのでちゃんと確認している暇もなかったが、外にいたゴーレムとあまり説明的には変わらなかった。


「ゴーレムの説明的には表面が硬い感じになっているようだな」


 何を使っているのか知らないが表面は良い素材を使っているようだ。


「敵……というより俺たちが侵入者みたいなもんなのかな」


 ゴーレムがモンスターとして人を襲っているというよりも、古代遺跡を守ろうとして侵入者を攻撃しているような感じかもしれない。


「うわっ!? なんだ?」


 急に古代遺跡の中に音が鳴り響く。

 まるでサイレンのような音に圭たちは警戒を強める。


「向こうからゴーレムが来るよ!」


 飛び上がった波瑠が周りを警戒していると丸ゴーレムが走ってきていた。


「あ、あれ?」


 武器を構えた圭たちだったが、丸ゴーレムはそのまま横を通り過ぎていってしまった。


「む、無視された?」


「こんなこともあるのか?」


「このサイレンのせいかもしれないねぇ」


「俺たちのせいじゃなかったのか……」


 丸ゴーレムが圭たちを無視したのはきっと鳴り響くサイレンと関わりがあるはずだ。

 てっきり丸ゴーレムを倒したから鳴り始めたのかと思ったが、圭たちが原因ではないようである。


「〜〜〜〜」


「なんか言ってるようだけど……わかんねぇな」


 サイレンに混じって何か言葉のようなものも聞こえている。

 けれどもサイレンに混じって聞こえにくい上に、丸ゴーレムが放っていた言葉のように多分知らない言葉であった。


「ピピ、避難、侵入者あり。シェルターに隠れましょう」


「この言葉もわかるのか」


「はぁ……便利な能力だな」


 フィーネはカルキアンやエーランドの言葉も分かるし、世界各国の言葉もなぜか理解できる。

 理由は全く分からないが、そんな能力がある。


 それは古代遺跡の言葉でも通じるようであった。


「警備ゴーレム、および守護ゴーレムに命じる、集まれ」


 繰り返される文言をフィーネが軽く翻訳してくれる。


「内容的にはサイレンっぽい内容だねぇ」


 何かが警戒しているものに触れてしまったような感じである。

 今の状況ならおそらく先行して入った欧州連盟の覚醒者たちだろう。


「あのゴーレム集まってくると結構めんどくさそうだけど、大丈夫かな?」


 丸ゴーレムは結構強い。

 ただ一体だけならそれほど脅威でもない。


 表面的な硬さやビームの破壊力は確かに強いが、ビームは銃口を向けてわずかなチャージ時間がある。

 決して長い時間ではないけれど、ビームが直線的な動きであるので攻撃の予想や回避は難しくないのだった。


 ただ何体もいるとめんどくさいだろう。

 ついでに守護ゴーレムの方まで現れると上手く役割分担して戦わないと危険である。

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