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【第十四章開始】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第十三章

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再び三つ巴の戦い2

「じゃあ俺たちは作戦通りに行こうか」


「よろしくお願いします!」


 圭たちも阿鼻叫喚の状態となっている銀行前に飛び出していく。

 覚醒者協会側として戦っている覚醒者はちゃんと覚醒者協会と書かれたものを身につけている。


 拝金教はスーツの人や装備を身につけた人など色々だが、やはりエルボザールファミリーは外国人ということでちゃんと見れば三つそれぞれ区別はつけられる。


「怪我するなよ!」


「任せロ!」


 エーランドやカルキアンたちには自由に戦ってもらう。


「なんだこいつら!?」


「‘モンスターだと!’」


 急に現れたガルーに対して現場はさらに混乱する。

 ガルーは多少有名になってきたが、それでもニュースに興味がない人は知らない。


 外国から来たばかりのエルボザールファミリーにとってみれば、知らない人の方が多い存在である。


「"はははっ! 暴れろ!"」


 確保が目的ではあるものの、混戦状態でそんな贅沢言ってられない。

 加減せずに戦っていいと圭から言われているのでガルーたちも自由に戦う。


「‘なんだあれは!’」


 ガルーたちを見てオルボットは顔をしかめる。

 あんなものがいるなんて聞いた覚えはない。


「大地の力!」


「‘なっ……これは!’」


 オルボットを囲むように岩の柱が競り上がる。


「‘あの時の……チッ! 始末しておけばよかった’」


「囲むぞ!」


 圭たちが狙うのはオルボットである。


「‘この……!’」


「うっ!」


 盾に身を隠すようにしてカレンが岩の間から飛び出した。

 オルボットはホルスターから銃を抜いてカレンを撃つが、盾に当たって防がれる。


 カレンも前回の戦いでオルボットの一撃が強いことはわかっているので、しっかりと盾を持って手放さない。


「大地の……力ぁ!」


 地面が競り上がってオルボットのことを包み込んでいく。


「いいぞ、カレン!」


 オルボットはかなり強力な攻撃能力を持つ覚醒者である。

 しかし弱点がないわけじゃない。


 むしろオルボットは制約の多い覚醒者といえる。

 一撃必殺のといえる破壊力を持つ銃撃はリロードが必要なのである。


 リボルバー式の銃に入る弾と同じく、六発しか装填していられない。

 しかも魔力を込めて固めて弾にするという必要があるのだ。


 そのためにオルボットは連戦に弱い。

 弾を打ち切らせてしまえばだいぶ優位に戦うことができるのだ。


「‘ふざけた真似を!’」


 オルボットを囲んでドーム状になった岩が爆発するように吹き飛ぶ。


「‘近寄るな!’」


「ぐっ!」


 オルボットが銃を撃つ。

 またしても銃声は一発なのに、カレンは盾に三度の強い衝撃を受けて後ろに転がる。


「こっちもいるぞ!」


 圭はフィーネの腕を大きな盾に変えてもらって、オルボットの後ろから飛び出す。


「‘チッ!’」


 オルボットは盛大に舌打ちしながらフィーネに向かって銃を放つ。


「ピッ!」


「‘なんだこいつら!’」


 オルボットの計算では盾を破壊して相手を撃ち殺すつもりだった。

 なのにカレンもフィーネも盾が壊れない。


 神が作った盾とアダマンタイトドラゴン製の金属盾なのだからそう簡単に壊れるはずがない。

 馬鹿みたいな硬さの盾にオルボットは思わず顔をしかめる。


「はっ!」


「いくよ!」


 弾を撃ち尽くしたオルボットに圭と波瑠が襲いかかる。


「‘クソどもが!’」


 圭の剣は銃で防いだが、波瑠のナイフはオルボットの腰を掠める。

 オルボットの銃が光を放つ。


 撃ってしまえば終わりなんてさすがに呆気なさすぎる。

 オルボットのスキルである高速魔弾生成は短い時間でのリロードを可能とするのだ。


「大地の力!」


「氷の力もあるよぅ」


 圭の前に岩壁が、波瑠の前には氷の壁が発生する。

 それぞれの壁に大きな穴が二つ空くが、圭と波瑠は無事だった。


 波瑠は飛び退いてカレンが出していた岩壁の後ろに隠れ、圭の前には盾を構えたフィーネが出てくる。


「こっちもいるからな!」


「‘この……雑魚ザルどもが!’」


 盾を持ったフィーネとカレンが迫る。

 オルボットは顔を赤くして怒りを浮かべ、二人を撃つ。


 高速魔弾生成を使えば戦い続けられるように思えるのだけど、そう単純な話ではない。

 タダで簡単に弾を生成できるならオルボットに弱点があるなどと言われることはないのだ。


 高速魔弾生成は普通に魔力で弾を込めるより遥かに大きな魔力を消費する。

 加えて連続して使用していくと生成速度も落ちてきてしまうのだ。


「‘クソ……’」


 再びオルボットの銃が光る。

 

「二回目」


 カレンとフィーネに二発ずつ。

 さらには飛んでくる夜滝の魔法に一発。


「シャリンもいるよ!」


「‘ぶっ殺してやる!’」


 岩壁の上からシャリンが飛びかかる。

 しかしオルボットの銃にはまだ一発残っている。


「シャリン!」


「残念!」


「‘なんだと……!’」


 放たれた銃弾をフィーネはキャッチして、ニヤリと笑った。

 一発だけ自分に来ると分かっているのなら、対処する自信がフィーネにはあった。


 しかも狙うのは頭だろうという予想もしていた。

 流石のシャリンの手にも穴が空きそうな衝撃があったけれど、上手く弾丸を掴むことができたのである。


「‘化け物かよ!’」


 オルボットの銃が光るけれど、弾が込められるよりもシャリンの方が速い。

 蹴り飛ばされてオルボットが吹き飛んでいく。

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