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【第十四章開始】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第十三章

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意外と近かった4

「攻略するにしても、しないにしても確認はしておこうか」


 洞窟が本当にシークレットクエストの古代遺跡かはまだ分からない。

 攻略するつもりはなくとも確認ぐらいしておけば、巻き込まれることを避けられる可能性もある。


 洞窟の中に古代遺跡があるのかどうかだけは確認しようと圭は考えた。


「よしっ」


 たとえ覚醒者といえど、かなりの高さの崖から飛び降りてしまえば無事にすまない可能性も大きい。

 加えてただ降りるだけならともかく、崖下から崖上に向かうルートも分からなければ一方通行で降りるだけというのはリスクになる。


 波瑠に頼らず崖を登る手段も確保して降りたいところである。

 そこで圭はロープを取り出した。


 ロープは亜空間の収納袋に入れてあったものだ。

 いつか必要になることもあるかもしれないと思って、いくつか使えそうなものを袋に入れて持ち歩いている。


 本当に使うことあるのかとカレンに突っ込まれた長いロープも良い使い所ができた。

 魔法で地面を盛り上がらせた。


 崖に近いと崩れる可能性もあるから崖から少し離して盛り上がらせた地面にロープを巻き付ける。

 そして崖にロープを垂らし、ロープを伝って崖を降りていく。


 崖がポロポロと崩れるので降りにくかったけれど、なんとか下まで無事に降りた。


「骨に洞窟……いかにも何かありそうだねぇ」


 骨と洞窟は全く別物の可能性はあるが、圭以外の人はそれを知らないので骨と洞窟を関連づけて考える。


「ふうむ……とりあえずモンスターはいないねぇ」


 夜滝が火の玉を飛ばして洞窟の中を照らす。

 ひとまず入ってすぐに襲われることはなさそうだ。


「ほんじゃ行くか」


 カレンを先頭に、盾を構えたタンクが先に洞窟に入っていく。

 こういう時にリスクを背負うのもタンクの役割だ。


「罠無し、モンスター無し!」


 多少踏み込んでみてもなんの変化もない。

 安全を確認して、圭たちも洞窟の中に入っていく。


 独特の空気感のある洞窟の中を進んでいく。


「ん?」


「なんだか……変な感じがあったな」


 何かを通り抜けたような奇妙な感覚があった。

 それは圭だけでなく他の人も感じていた。


「ゲートを通り抜けた時のような感じね」


 どんな感覚だと聞かれると言葉に表現しにくいが、ゲートを通り抜けた時の感覚にも似ているとかなみは思った。


「扉……」


 進んでいくと洞窟の突き当たりには巨大な石の扉があった。


「何か文字のようなものが書いてあるけれど……」


「読めないねぇ」


 扉には文字のようなものが書いてある。

 しかし見たこともない文字であり、読むことはできなかった。


「ただ……こんなのどうやって……」


 巨大な石の扉は非常に重たそう。

 押して開くようにも見えない。


「うわっ!?」


 圭がふと石の扉に触れた瞬間、触れたところから光が広がった。


「何をしたんだい?」


「何もしてないけど……魔力持っていかれた」


 ギュンと魔力を扉に吸われた。

 光は扉の端までゆっくりと広がっていき、突然洞窟全体が揺れ始めた。


「くっ!」


 立っていることも難しいぐらいに揺れて、圭たちは屈むようにして揺れに耐える。


「きゃー、こわーい」


「……本当に怖がってる?」


 たまたま近くにいた黒羽が圭にしがみつく。

 顔も声のトーンも特に怖がっているようには見えない。


「見ろ!」


「扉が……開いていく」


 石の扉がゆっくりと開いていく。


「……揺れが収まったな」


 石の扉が開き切って洞窟の揺れが止まる。


「…………これが古代遺跡?」


「なんつーか……想像していたのと全然違ったな」


 扉の向こうには、崖下丸ごとくり抜いたような巨大な空間があった。

 石造りの建物が並び、一つの大きな町になっている。


「明るいな」

 

 天井には太陽でも模したような光っている部分があって町全体を明るく照らしている。

 地下という空間なのに、そのおかげで外よりも明るいぐらいだった。


「ここを攻略すんのか……?」


「いや、骨が折れそうだな」

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