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【第十四章開始】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第十三章

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意外と近かった2

「向かってみようか」


 波瑠が行った方に向かってみるとモンスターの姿が見えてきた。

 一つ目の巨人である人はサイクロプスである。


 この階においてはゾンダと呼称されている。

 サイクロプス自身の名前なのか、サイクロプスの種類の名前なのかは分からない。


 圭が真実の目で見てもゾンダと表示されていた。


『うおーん! やるよー!』


「いくぞ、キューちゃーん!」


 キューちゃんが遠吠えしてやる気を見せ、背中に乗っている波瑠もやる気満々だ。

 高速で移動したり飛行したりする波瑠は、圭よりも高速移動に対して耐性がある。


 キューちゃんも毛を操作して足を押さえることで振り落としを防止するという新しい技を身につけ、キューちゃんと波瑠の高速移動組で組んで戦うという新たな戦闘スタイルを生み出していた。


『そんなもの当たらないよ!』


 ゾンダが手に持っていた棍棒を振り下ろす。

 けれどもキューちゃんは軽くかわしてしまう。


「どりゃー!」


 キューちゃんが飛び上がり、波瑠はナイフを振るう。

 スパッと脇腹が斬り裂かれて、ゾンダは怒りで目を血走らせる。


「フィーネと!」


「シャリンも!」


「「合体技!」」


 キューちゃんと波瑠コンビに触発されたようにフィーネとシャリンも連携を見せる。

 シャリンが手を組んで腰を下げ、フィーネがシャリンの手に足をかける。


「いけー!」


「ピピピー!」


 シャリンが手を跳ね上げ、フィーネはタイミングを合わせてジャンプする。

 高く飛び上がったフィーネは右手から巨大な剣を作り出す。


「フィーネ……ピッ!」


「フィーネ!? フィーネーーーー!」


 しかしゾンダもやられっぱなしではない。

 不用心に高く飛び上がり過ぎてしまったフィーネは空中で身動きが取れなかった。


 思い切り足をキューちゃんに噛みつかれているのを無視したゾンダは、空中のフィーネを棍棒で殴り飛ばした。

 フィーネが飛んでいった先には崖があった。


 赤茶けた大地が続いてるのでよく見えていなかったのだ。


「ピーーーーーー!」


 慌てて圭が覗き込むとドスンとフィーネが落ちた音が聞こえてきた。

 崖はかなり高い。


 思わずヘルカトが潰された時のことを思い出してしまう。

 今戦っているのもゾンダであるし、場所的にはもしかしたら近いのかもしれない。


「フィーネ、大丈夫かー!」


 一応フィーネの姿が豆粒のように見えている。

 圭はできる限り大きな声で叫ぶ。


「ピピッ! だーいじょーぶー!」


 起き上がったフィーネも叫ぶ。


「おい! あんまり無理するな! こっちが終わったらどうにかするから!」


 どうやらフィーネは崖を登ろうとしているようだ。

 しかし崖はボロッと崩れてフィーネはまた落下してしまう。


 圭が触れている縁部分もボロボロと崩れているし、崖はかなり脆くなっているようだった。

 今すぐにでも助けに行きたいところだけど、まだゾンダとの戦いは続いている。


 戦っている状態では落ち着いて状況確認もできない。


「シャリン! さっさとあいつ倒すぞ!」


「うむ! 任せあれ!」


 ともかくフィーネを助けるためにもゾンダを早く倒さねばならない。


「おらっ! こっちだ!」


 ゾンダはあまり賢い方ではなさそうだ。

 カレンが魔力を差し向けると、簡単にカレンの挑発に乗ってしまう。


「おっと!」


 上から押しつぶすように振り下ろされた棍棒を盾で受け止める。

 カレンの足元が軽く陥没するような一撃もカレンは受け切ってしまう。


「いくよぅ」


「喰らいなさい!」


 夜滝とかなみが魔法を発動させる。

 槍状に伸びた氷と水がゾンダの背中に突き刺さり、ゾンダは悲鳴のような声を上げる。


『波瑠!』


「うん!」


 ゾンダが怯んだ隙にキューちゃんが飛び上がった。

 キューちゃんの背中を蹴って勢いをつけた波瑠がゾンダの頭に迫る。


「どりゃっ!」


 波瑠がナイフを持った手を突き出す。

 一個しかないゾンダの目に波瑠のナイフが深々と突き刺さる。


「ほっ!」


 波瑠はゾンダの頭に足をかけて宙返りするようにしてナイフを抜く。


『はい!』


「ナイス、キューちゃん!」


 宙返りした波瑠をキューちゃんが受け止める。

 すっかり連携も様になっている。


「まずは足から攻撃だ!」


 目を潰したので後は総力を上げて倒せばいい。

 圭が呻き声を上げるゾンダの足元に入り込み、足を斬りつける。


 大きなモンスターは足元から崩していくのが定石の戦いである。


「ほいっ」


 黒羽も圭に続いてゾンダの足を斬り裂く。

 人間でいうところのアキレス腱のあたりを深々と斬られて、ゾンダは耐えきれずに倒れ込んだ。


「前は仕留め損ねたからな……」


「赤城さん、お願いします!」


 赤い炎をまとった赤城がゾンダの頭を狙う。

 薫は素早く強化支援を赤城に集中させる。


「死ね!」


 赤城による、まるで隕石のような一撃がゾンダの頭に降り注いだ。


 『モンスターを倒せ!

 ガルドン クリア

 メユナゴオド クリア

 サルタットン クリア

 エルシャスゴーゴ クリア

 ゾンダ クリア

 カノーディア


 シークレット

 古代遺跡の遺物を取り戻せ』


「しゃあ!」

 

 ゾンダの頭は吹き飛び、地面は赤城の一撃で小さくクレーターのように陥没していた。

 ゾンダは倒されたようで更新された試練が目の前に表示された。

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