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【第十四章開始】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第十三章

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意外と近かった1

「そんなことがあったのね」


 再び塔の十四階までやってきた。

 前回の攻略も多少の余裕は残しつつキリのいいところで切り上げていたので、途中から再開する形である。


 拝金教についてはかなみも無関係ではない。

 かつて拝金教圭が潜入した時に支援をしてくれていたのが大海ギルドである。


 拝金教を逮捕する時に覚醒者協会に協力して助けに来てくれたのも大海ギルドであった。

 悪魔であるベルフェゴールがマティオの体に降臨して、かなみと圭は協力して戦ったのである。

 

 最終的に拝金教じゃない方の悪魔教とは戦ったが、拝金教を叩き潰した戦いであったことには間違いない。

 また大海ギルドに協力してもらうこともあるかもしれないので事情を説明しておいてほしい、と伊丹に頼まれていたので圭は塔を登りながらかなみに何があったのか話した。


「なんでまた圭君介して話させるのかしらね?」


「さあな」


 圭は肩をすくめる。

 ‘私は死ぬほど忙しいのでお願いしますね’と言われれば断ることもできなかった。


「悪魔教も何がしたいのかしら?」


「自分の勢力を広げたいんだろうけど……」


 今はもしかしたら別の目的があるのかもしれないと圭は思っている。

 勢力を広げることの延長線上にあるのかもしれないが、もしかしたら世界の滅亡を見据えている可能性もある。


 ここまでで攻略してきたゲートの中には、悪魔が世界を支配しているというものもあった。

 可能性の一つとして最後には悪魔が世界の支配者となり、神々のゲームの中で存在している最後もあり得る話なのである。


 つまり悪魔教、あるいは悪魔が世界の支配者として最後まで生き残ることを目的にしていてもおかしくない。

 悪魔がそんなことを考えているのか謎である。


 神々のゲームの中にあると気付いているルシファーのような存在がいて、世界を手に入れるように動いているなんて考えたくはない。

 けれども悪魔を扇動する神がいてもおかしくはないのだ。


 大きな動きの影にゲームに関わる神がいる。

 決してそのことはあり得ないものじゃなかった。


「まあでも圭君がいれば安心ね」


 かなみは軽くウインクしてみせる。

 色々な要素が重なったとはいえ、圭は一度悪魔を撃退していた。


 あの時よりも強くなったし、強い仲間も増えた。


「そうだな。……それに」


「ん? ムチュッ!」


 圭はシャリンに視線を向けた。

 悪魔と戦う仲間どころか、悪魔そのものまで仲間として近くにいる。


 圭の視線に気づいて投げキッスしている様子からは想像もできないが、シャリンも魔界にいれば魔王級の力の持ち主なのだ。

 さらに言ってしまえば、魔界に行ったことだってある。

 

 再び悪魔本体が現れても戦えないこともないだろう。


「まあなんにしても目の前の塔攻略から進めていくしかないな」


 悪魔教が何かをしている可能性がある。

 ただあくまでそれは可能性の話で、まだ確定しているものではない。


 伊丹たち覚醒者協会が頑張って調査してくれているのだからそれに任せるしかない。

 圭には圭のできることをする。


『モンスターを倒せ!

 ガルドン クリア

 メユナゴオド クリア

 サルタットン クリア

 エルシャスゴーゴ クリア

 ゾンダ


 シークレット

 古代遺跡の遺物を取り戻せ』


「次がゾンダ……」


「サイクロプスのことだな」


 前回の攻略で四体まで倒した。

 赤城によると十四階のモンスターは合計八体いるらしく、折り返しを迎えていた。


 ゾンダという名前のモンスターはサイクロプス。

 圭を殺そうとしたヘルカトの上に降ってきた、赤城たちが倒したモンスターである。


「ちなみに古代遺跡の心当たりなんてないよな?」


「シークレットクエストのやつか? いや、ないな」


 圭の質問に赤城は首を振る。


「遺跡どころかそれっぽいものすら見たことないな。まあ、ここを隅から隅まで捜索したとは言えないけどさ……」


 どこまでも赤茶けた大地が広がる光景は変化に乏しい。

 何があるかも分からないのに、モンスター以外のものを探して捜索することなんてない。


 下の階層と違って繰り返し攻略するようなこともないので、もしかして隅から隅まで捜索していたらシークレットクエストの古代遺跡なるものも見つけていた可能性はある。


「そもそも何もないからな……今はいいけど最初の攻略の時は変に動き回ると迷子にもなるから慎重だったしな」


 目印となるような物もなければ、地形の変化もなく、空は曇り空で太陽や星を目印にすることもできない。

 コンパスも通じないような十四階の世界を迷子にならないように攻略するため、今はエントランスゲートのそばにGPSを置いて、それを目印に移動していた。


 十四階まで来られる覚醒者はほぼいない。

 ゲートのそばにものを置いといても盗む人はいないのである。


 赤城たちが一度攻略しているからこうした対策があるわけで、知らずにきていたらゲートの方向を確認しながら攻略するしかない。

 GPS使ってゲートだけは見失わないようにしようというのも攻略が終わってから思いついたらしかった。


「圭君、あっちの方にいるかも!」


 翼を広げて空から周りを捜索していた波瑠が降りてきた。

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― 新着の感想 ―
GPSは使える環境ではないのでは?
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