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【第十四章開始】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第十二章

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次世代のアラクネ6

「……ぐっ!」


 北条の目の前にアラクネドレイクが現れた。

 とっさに剣を振るが、斬ったのはアラクネドレイクの残像だった。


 横っ面を殴り飛ばされた。

 北条は弾丸のように弾き飛ばされて地面を転がる。


「うっ……」


 耳鳴りがして、視界が何重にも見える。

 一撃で死ななかっただけよかったのかもしれないが、ダメージが大きいと北条は首を振る。


「やめろ……」


 A級覚醒者たちが必死に戦うも命が散る。


「やめろ!」


 このままでは全滅してしまうかもしれない。

 北条は怒りに顔を歪ませ、力を解放した。


「たかが虫如きが人間に勝てると思うなよ!」


 いつの間にか手から剣がなくなっていた。

 殴り飛ばされた衝撃で何処か行ってしまったのだ。


 北条は一瞬でアラクネドレイクと距離を詰めて全力で拳を突き出した。

 黄金色に輝く魔力が北条の体から溢れ、飛んでいくアラクネドレイクを追いかけていく。


「ぐぅっ!」


 追撃で振り下ろされた拳にアラクネドレイクは蹴りで反撃してみせた。


「こんな戦い……俺たちでもついていけない……」


 激しい肉弾戦。

 北条がアラクネドレイクを殴れば、アラクネドレイクも殴り返す。


 一発ごとに空気が震えるような衝撃が広がり、他のA級覚醒者たちもただ見ているしかできなかった。


「怪我人を退避させろ! できるだけ邪魔にならないようにするんだ!」


 もはやできることといえば北条の邪魔をしないようにすることである。

 耐久力がない人は一撃で死んでしまったが、防具や攻撃の当たりどころによってはまだ生きている人もいる。


 北条が戦う上で邪魔にならないようにと覚醒者たちは退避し始めた。


「この力はあまり使いたくなかった……あまりに大きな反動がある……」


 あれだけ圧倒的だったアラクネドレイクの方が北条に押されている。

 所詮はモンスターであり、本能に任せた戦い方をしている。


 能力が高かったから他の覚醒者も対処できていなかったが、戦い方そのものに目を見張るようなものはない。

 加えて周りには木々もない。


 アラクネドレイクも糸を出してくるけれど、直接飛ばしてくる他に活用できていなかった。

 能力的な差がなくなれば北条の方が戦いの経験から実力が上である。


 しかし北条にも余裕はなかった。

 早く勝負を決めねばならないと焦っている。


「ここまで必死に貯め、維持してきたというのに……しかし仕方ない……人が死んでいくのを目の前で見ているわけにはいかないからな」


 アラクネドレイクは立ち上がる。

 その目は北条のことを睨みつけている。


「‘母……言った……俺は……王……’」


「言葉を……知能まで身につけているのか」


 ならば余計にここで倒さねばならない。

 北条は近くに落ちていた剣を拾い上げる。


 誰のものかは分からないが、A級覚醒者が使っていたものなら質は悪くないだろう。


「ここで貴様を倒す! はああっ!」


 北条は剣に魔力を込めてアラクネドレイクに斬りかかる。

 早く終わらせたいという北条の思いに反してアラクネドレイクとの戦いは長く続いた。


 アラクネドレイクの討伐、アラクネゲートおよびドレイクゲートの消失が伝えられた時にはもう太陽は完全に沈んでいたのであった。

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