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【第十四章開始】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第十二章

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第四次太羽島攻略作戦1

「それでは改めて第四次太羽島A級ゲート攻略作戦について説明する」


 圭たちは太羽島にいた。

 広く他国に協力を要請し、各機関の調整を経ていよいよ太羽島のゲートを攻略する時となった。


 やはり高い危機感があるのか、思っていたよりも話は早く進んだ。

 太羽島を望む日韓に加えて、インドが真っ先に協力を申し出てくれた。


 続いてアメリカ、欧州連盟、そして中国も協力してくれることになっている。


「まずは、よく集まってくれた……」


 タケダがみんなのことを見回す。

 第三次までの攻略で取り戻した奪還区域に建てられた建物には、圭を含めてギルドの代表などが集まっている。

 

 圭が知っているような有名な覚醒者もいる。

 中国の協力してくれる覚醒者ギルドは青龍ギルドではなかったが、青龍ギルドよりも名声的には格上の大きなところで、韓国が直接交渉したのだと噂が流れていた。

 

 同じ部屋には北条勝利もいる。

 圭はほんの少しの気まずさを感じているけれど、北条は圭のことを気にしてもいない。


「今回はチームを二つに分け、二つあるA級ゲートの攻略に向かう」


 今やアラクネのゲートもA級ゲートと認定されている。

 ドレイクが出現するゲートと二つのA級ゲートが太羽島には存在することになっていた。


 その二つのA級ゲートを同時に攻略する。

 現在二つのA級ゲートから出てきたモンスターは均衡を保っている。


 互いの領域を侵せば攻撃されるものの、積極的に攻撃を仕掛ける様子はない。

 片方だけに戦力を投じて攻略することも当然考えられるのだが、均衡が崩れた時にもう一方のゲートのモンスターがどう動くのか予想ができなかった。


 十分な戦力がある今は後顧の憂いを断つ意味でも、同時にA級ゲートを攻略するという作戦をとった。


「日本、インド、アメリカはアラクネゲートを、韓国、中国、欧州連盟はドレイクゲートの攻略を目指す」


 日本はインド、アメリカと共にアラクネゲートの攻略を行う。

 どうしてアラクネゲートなのかというと、日本から見て地理的に近いのがアラクネゲートの方だからである。


「各ゲートの攻略については事前の作戦を順守するように。不測の事態、対処のできない危機に直面した場合は即時撤退を。全員生きて帰ることを念頭に置いてほしい。それでは各々でも作戦を確認しておくように」


 もう太羽島にいる。

 今更とやかく言っても仕方ない。


「……この作戦に日本の未来がかかっている」


 アラクネゲート組とドレイクゲート組でそれぞれ集まって話し始めたのを見て、タケダはゆっくりとイスに腰掛ける。

 タケダはもう一線を退いている。


 体も衰えているし、能力を活かして戦えない。

 若者を送り出すしかない。


 そのもどかしさに苛立ちのようなものすら覚えてしまう。

 進化するモンスターのゲートがこれからどうなっていくのか予想もつかない。


 もし失敗した時に狙われるのは日本か、韓国である。

 その時にアラクネを止める力があるだろうか。


「今止めねばならない……」


 より強力な存在になってしまう前にアラクネを倒す必要がある。


「もう少し若ければ……今の俺にできることは応援しかない。頑張ってくれ……みんな」


 ーーーーー


「一応俺たちの中でも作戦は再確認しておこうか」


 今回アラクネゲート攻略組を主導するのはもちろん日本であり、そのリーダーは北条勝利であった。

 北条を含めてインドとアメリカの代表が話し合っている場に圭が呼ばれるはずもなく、リーダビリティギルドのみんなところに戻っていた。


 ただ今回は夜滝たちだけではなくカルキアンやエーランドたちも来ている。

 ガルー二十人、異世界人二十人と選抜されたメンバーが圭の傘下として参加しているのだった。


「今回俺たちの目的はアラクネの周りの雑魚、および人形クモモンスターの討伐だ」


 圭たちはB級であるし、ガルーたちは強力であるが意思の疎通が難しい。

 アラクネの討伐ではなく、その周りにいるクモモンスターを引き受けることになった。


 余裕があるならば新たに観測された人型のクモも狙う。

 アラクネは北条を始めとしたA級覚醒者たちだ。


「かなり危険な戦いになる。油断しないように」


 圭たちはメインの部隊ではない。

 それでもリスクはかなり大きい。


 新しく見つかった人型のクモモンスターもどれほどの力があるのかも分かっていない。

 エーランドやカルキアンたち四十名という心強い仲間もそばにいるが、油断は決してできない。


「でもこんなところに呼ばれるまでになったんだな」


 カレンが感慨深そうに呟く。

 エーランドやカルキアンを上手くコントロールできるのが圭であるということはあるにしても、最初はG級、レベル1なんてところから始まった圭たちがA級ゲート攻略の場に呼ばれている。


 これからの戦いを思えば緊張もあるのだけど、これまでのことを思うと感慨深さもある。


「この討伐が日本にも関わる。頑張るぞ」


「"王よ。我々にも重要な役割任せてくれたことありがたく思います"」


 エーランドは大切な戦いだと聞いて興奮しているのか尻尾を振っている。


「"ようやくお力になれるのですね。頑張ります"」


 カルキアンもやる気を見せている。

 この世界に来て少しずつ馴染んできているとは言っても、まだまだ認められているとは言いにくい。


 こうして重要な作戦に呼ばれて役割を果たすことで圭への恩返しにもなるとどちらも意気込んでいた。

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