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【第十四章開始】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第二章

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少しは強くなりました2

 どう見ても圭にはF級相当の実力がありそうだと思うけど戦闘技術や経験などによって同じ力でも強弱があったりする。

 同じ等級に格付けされても程度に差がある。


 圭はF級に近いG級というところにいるのかもしれないと小橋は肯定的に捉えることにした。


「こう言っては何ですが弥生さんも正式に覚醒者として登録してはいかがですか?」


 波瑠が覚醒者としてやっていく決意は変わらないように小橋には見えた。

 波瑠の正確な等級は分からないけれど少なくともG級ではなさそうなので登録ぐらいはしてもいいのではないかと考えている。


 そもそも実は今でも波瑠は違法に自由狩猟特別区域に入っている。

 本来なら覚醒者でない人は入ることができないのであるが車の中に隠れるようにして波瑠は忍び込んだ。


 小橋や夜滝など身分がちゃんとした覚醒者が入るので車の中まで細かにチェックされないが故に出来たズルである。

 波瑠も覚醒者登録を行なってしまえばこのようにコソコソすることは必要なくなる。


 覚醒者としてやっていくならどっちにしろ登録をしなければならないのでそうしてはどうかと提案したのだ。


「そうだねぇ……そろそろそうしたことも考えなきゃいけないね」


 一度モンスターが出るところから引き上げて食事をとる。

 今日はなんと波瑠が早起きしてみんなの分のお弁当を作ってきてくれていた。


 といっても夜滝が食べる人だってことも知っているのでやや量を重視した感じだったが味は美味しい。


「確かに誤魔化すのにも限界があるしね。あっ、この卵焼き美味しい」


「えへへ、お母さんに教えてもらったんです」


 圭が美味しいと言ってくれて波瑠は嬉しそうな表情を浮かべる。


「ただ今すぐともいかないだろうねぇ。事件があった後だし覚醒者になると色々講習とか受けなきゃならない。時間的な余裕が少ない今より少し先にした方がいいだろう」


「ああ、そういえば弥生さんは受験生でしたね。勉強はどうですか?」


「この間の模試ではA判定でした。油断せずに続けていけば大丈夫だろうって学校の先生も言ってくれてます。覚醒者の等級もAだったらなって思いますけどね」


「ふふふ、もしA級だったらたくさんお礼してほしいですね」


「大学はどこを受けるんだい?」


「ええと家から近いところにある……」


 女子の会話が盛り上がる。

 圭はその様子を眺めながらおにぎりを頬張る。


 疲れるだろうとやや塩味を効かせてくれているおにぎりが美味しい。


「そこなら私の母校じゃないか」


「そこって頭の良い大学ですよね? 弥生さん凄いですね」


「昔から勉強は得意でしたから」


 照れて頭をかく波瑠が目指しているのは圭でも知っている大学だった。

 それもそのはずで夜滝も通っていた大学で国立の良いところだったのである。


 都心部に近くてモンスターの被害も受けず、さらには覚醒者にも寛容な大学として有名だった。

 授業の何回かをゲートに攻略するために休むことが出来る特別措置があったり覚醒者に有利なルールがいくつかある。


 不満に思う学生もいるのだけど覚醒者が構内にいてくれるともし突発的にゲートが発生した時でも戦ってくれるかもしれないし、近くに覚醒者がいることは周りの生徒の安心にも繋がる。

 時間が経って覚醒者の卒業生が増えればゲート発生時に大学に飛んできてくれる覚醒者も増える。


 ちゃんと大学にも利益があってやっていることなのである。

 今では覚醒者枠で入学生を募集するなんて噂まであった。


「はじめまして〜君たち女の子ばかりで狩りに来てるのかな?」


 お弁当を食べ終えて今度は夜滝が持ってきたお菓子を食べてワイワイしてると数人の男が寄ってきた。

 一番前にいるのは金髪のチャラついた男で覚醒者のようだけど関係なさそうな装飾品も多い。


 昔は真面目な覚醒者が多かったが状況が落ち着き、覚醒者にもいろんな人が出てくるようになるとこのような人も増えてきた。

 見た目と等級は関係がないからチャラついていても強い人はいる。


「よければこれから俺たちと狩り、一緒に行かない?」


 チャラ男が声をかけてきたのはナンパであった。

 近年では女性で活躍する覚醒者も増えてきたけれどやはり男性の方が多いのに変わりはない。


 よくよく見てみると3人の容姿のレベルは高いなと水筒に入れて持ってきたお茶を飲みながら圭は思った。

 波瑠は美少女、夜滝はミステリアス系な美人、小橋も整った顔立ちをしている。


 一切圭のことは見えていないのか男は簡単にトドメだけ譲るから一緒に狩猟しないかと3人を誘っている。

 ただ3人は突然会話に割り込んできたチャラ男にすごく冷たい目を向けている。


「そんないかにも弱そーな男じゃなくて俺たちの方がいいでしょ?」


 ちゃんと見えてたんだ。

 どう見ても圭のことは無視していたので見えてないのだとばかり思っていた。


 しかし圭を引き合いに出してチャラ男たちは自分達の装備を自慢するようにひけらかす。

 確かに見た目的には派手できらびやか。


 見ていてうるさい装備をしている。

 圭のことを女性陣が絡まれているのに止めもしない軟弱男だとチャラ男は見なして見下すように鼻で笑った。


 まあ間違ってもいない。

 圭たち4人の中で1番弱いのは圭だ。


 下手に口や手を出してしまうと問題がこじれてしまうことになると思った。

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