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【第十四章開始】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第六章

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女神様の贈り物1

 女神によって力を引き出されたからだろうか、四階にいて平穏の騎士周りにいた覚醒者たちは皆気絶してしまっていた。

 下の階まで来ていた追加の覚醒者たちが倒れている圭たちを見つけて外まで運び出してくれた。


 薫は圭の上に重なり合うようにして気を失っていて、髪色も長さもいつも通りに戻っていたらしい。

 あの時戦っていた人たちは女神が現れて助けてくれたという話になっていた。


「シークレットクエストは俺たちにしか表れてなかったなんてな」


 倒れていた全員入院することになった。

 けれど重傷者はおらず、みんなすぐに退院することができた。


 圭たちも退院していつものように夜滝の部屋に集まっていた。


「何もらった?」


「私はこれ」


 みんなの状況確認のためでもあるし、もう一つ理由があった。


「なんだこれ? バッチ?」


「守備隊長の徽章だってさ」


『守備隊長の徽章

 女神の神殿を守る守備隊長が身につけていた徽章。

 女神の力が宿っていて体力に補正を得られる』


 もう一つの理由、それはシークレットクエストをクリアしたことによる報酬の確認をするためでもあった。

 目覚めたら目の前に貢献度の順位の表示が現れていた。


 一位は薫。

 二位は圭。


 なんと三位はフィーネであとはカレンと波瑠、夜滝の名前もあったのだが他の覚醒者の名前はなかった。

 話を聞いてみると他の覚醒者たちにはシークレットクエストの表示が現れていなかった。


 シークレットクエストそのものは忘れられた女神像を探せから派生しているものなので、忘れられた女神像を見つけていない他の覚醒者にはシークレットの続きを受ける権利が無かったのではないかと夜滝は推測していた。

 圭たちが特別だったという可能性もある。


 何にしても結果として圭たちはシークレットクエストをクリアして報酬をもらうことができた。

 それらを直接見せ合おうとなったのである。


「しっかりとした効果がある魔道具だな。カレンにも合ってそうだ」


 タンクであるカレンにとって体力値は重要なので体力を上げてくれる魔道具はありがたい。


「私はこれだね」


「私はこんなのだった。どーしろってのさぁ」


 夜滝と波瑠は貢献度ランキングとしては下になる。

 もらえたものはヒーリングポーションと薬草詰め合わせであった。


 もらって悪いものではないけれど期待するような良いものでもなかった。


「それで薫君は?」


「僕はものじゃなくて……」


 女神を体に宿してみんなを助けた薫はシークレットクエストにおいてランキング一位だった。

 薫本人としては自分が何かをしたなんて気はしていないので納得できないところであるが、もう報酬も受け取ってしまった。


 文句を言える先もない。


「能力……でした」


「能力? どれどれ……」


『バーンスタイン薫

 レベル30

 総合ランクF(E)

 筋力D(伝説)

 体力F(無才)

 速度F(無才)

 魔力D(C)(神話)

 幸運E(英雄)

 スキル:慈愛の女神の祝福

 才能:ユーシャナの再臨、ククルテスカトルナの加護』


 上九条レッドゲートや今回の戦いを経て薫のレベルもグッと上がった。

 外的な補助があったり直接倒したといえるわけじゃないためか期待よりもレベルが伸びはしなかったけれどそれでもしっかり強くなっている。


 やはり注目すべきは才能のところにあるククルテスカトルナの加護というものだろう。

 どんな能力なのかは知らないけれど薫の魔力値に補正がついてCになっている。


 魔力値に補正がついたことで薫の能力が実質的に総合ランクでE、覚醒者等級でD級となった。


「シークレットクエストの報酬で能力がもらえたのか」


 ククルテスカトルナとはあの忘れられた女神だろうと思う。

 女神の力を薫は得たのである。


 ククルテスカトルナの口ぶりからするとユーシャナというのも女神なのではないかと思われた。

 スキルも女神っぽいし、薫はやたらと女神様に愛されているようだ。


「能力なら悪いこともないだろうな」


「こんなものもらっていいのか……」


「もらえるものはもらっとけばいいさ。あの女神様も最後は感謝してたしな」


「返しようもないですし……活用できるように頑張ります」


 それにまだ恩返しのチャンスはある。

 圭が気を失う前にククルテスカトルナは12階に偽の女神がいて、圭と敵対するかもしれないということを警告してくれた。


 薫に力もくれたのだ、敵対するというのなら恩返しがてら倒してやろうと思う。


「それで圭は?」


「俺はのはこれだ」


 圭は自分の報酬をテーブルに置いた。


「剣と……剣のカケラ?」


 圭が置いたのは一本の剣と剣の刃の欠片のようなものだった。


「どういうことだい?」


 剣は分かるにしても剣の欠片は何なのか。

 波瑠も夜滝も首を傾げる。


「今回シークレットクエストだけじゃなくて大王ゴブリンの時みたいにヒドゥンピースってやつもクリアしたみたいなんだ」


 おそらく偽の女神の分体を倒したということがそれなんじゃないかと圭は思っている。

 ともかく圭は二つの報酬をもらったのだ。


 一つは剣。


『ククルテスカトルナの剣

 ククルテスカトルナが自分を守る騎士に贈った剣。

 一流の職人がミスリルを混ぜて作ったもので魔力の伝導率に優れている。

 丈夫で切れ味がよく、女神の力が宿っているために刃こぼれなどが自動で修復される。

 魔力適応率が高く、女神の力も宿っているので筋力、体力、幸運に補正が得られる。


 適性幸運等級:B

 必要幸運等級:E』


 まるで圭の剣が壊れてしまったことを見越したかのように剣が贈られてきた。

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