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【第十四章開始】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第六章

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フィーネも一緒に行きたいのだ

 上九条のレッドゲートのニュースが収まってくると色々なニュースが出始めた。

 太羽島の日韓共同攻略作戦が北条勝利の入院によって一時的に流れたとか、最近ゲートが出現することが多くて不安を和らげるために奇妙な宗教が流行っているとかさまざまな動きが世の中にはある。


 圭たちの中での大きな問題は突如として動かなくなったフィーネだった。

 とりあえず家に連れて帰ってすぐ視界に入るところに置いておいた。


 みんなして心配していたのだけどフィーネが動かなくなってから数日後フィーネはまた無事に動き出した。

 夜滝によるとある種の消化期間だったのではないかという。


 アダマンタイトという希少で頑丈な金属を取り込んだはいいけれど自分のものにするためにフィーネの中で何かが巻き起こっていたのだろうと推測した。

 そしてフィーネ自身にも変化があった。


「オニクホシイ!」


「肉? お腹が空いたのか?」


「チガウ! フィーネオッキクナリタイ!」


「んん?」


 話を聞いてみたところフィーネは気がついたらしい。

 金属だけで大きくなるのは難しいと。


 さらには金属だけで摂取しても金属っぽいままでしか体は変化させられない。

 人形ぐらいのサイズの人型のような形にもなれるのだけど非常にメタリックな見た目であることもフィーネはちょっと嫌になったようだ。


 そこでお肉なのだと言う。

 モンスターの肉を吸収することで金属の吸収と同じように自分の体として変形させられるようになるということに動かないでいる間に気がついたのだ。


 だからモンスターのお肉が欲しいと言っていた。

 フィーネは必死に説明していたけどなかなか分かりにくくて夜滝と二人でちょっとずつ噛み砕いてようやく理解できた。


「デビルカウのお肉ならあるけど……」


 働いていると貰えるデビルカウのお肉のストックが冷蔵庫にある。

 特にハンバーグは夜滝のお気に入りだ。


「モットツヨイノガイイ」


「もっと強いの? ……ちょっと探してみるよ」


 デビルカウはD級モンスターになる。

 それより強いのとなると圭たちではまだ倒すのは厳しい。


 しかしお肉だけなら手に入らないものでもない。

 モンスター食も普及してきた今では高等級モンスターの肉はかなりの高級食でありながらも入手はできる。


 だから方法がないというわけじゃない。

 多少値は張るだろうがフィーネも神に届きうる力があるからお肉で戦力になってくれるのなら検討の価値がある。


「ともかくフィーネが元気そうでよかったよ」


「フィーネゲンキ!」


「でも……フィーネはどんな形にでもなれるのか?」


「ピピ?」


「たとえば武器とか防具みたいな形に擬態することはできるか?」


「ピピピピ……ヤッテミル!」


 フィーネがぴょんと飛び上がって体の形を変えていく。

 イメージしているのは波瑠が持っていたナイフ。


「おお!」


「ドウ?」


「うん、完璧じゃないか!」


 フィーネの見た目は完全にナイフのような形になった。

 ただ波瑠が持っているものよりも一回りほど大きい。


 どうやら普段の体のサイズよりも小さくなるということはできないようで、ただのナイフより大きくなってしまったらしい。


「こうして擬態できるならフィーネも一緒にいられるな」


「ホント!? フィーネモイッショ?」


「ああ、もうちょい練習して何がいいのか考える必要はあるけどな」


 お留守番は寂しい。

 一緒に行けるなら一緒に行きたい。


 元の姿に戻ったフィーネは圭の胸に飛び込んだ。


「フィーネモマスタートイッショ! フィーネモナカマ!」


 フィーネが物の姿に擬態できるかもしれないということは意外と盲点だった。

 しかし物の形になれるのなら他の人の目を誤魔化してゲートや塔にはいることもできる。


「もしかしたらしばらくは可変式の武器や防具としてフィーネが活躍してもいいかもしれないねぇ」


「なるほどね……」


「ピピ?」


「一気にフィーネの活躍の場が増えそうだ」


「フィーネモタカカウ!」


 嬉しそうにしているフィーネを撫でてやる。

 お肉を食べてフィーネの成長だけでなく、今の段階でも大きな可能性をフィーネに見出すことができた。


「うごっ!」


「フィーネツヨイヨ!」


「フィーネ、顔に張り付くのはやめて!」


 テンションの上がったフィーネが圭の顔にビタリとしがみつく。


「お肉探しつつ、フィーネに何ができるのかも日々研究だねぇ」


 最近お留守番も多くて暇を持て余していたフィーネはテンション爆上がり。

 部屋の中を嬉しそうにして駆け回るフィーネを見ていると圭と夜滝もなんだか嬉しくなってきたのであった。

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