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【第十四章開始】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第五章

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おねだり2

「フィーネモー、コレホシーナー」


 娘がいたらこんな感じなのだろうかと圭はちょっと思った。

 普通の金属には興味を示さないがゲート産の特殊な金属はフィーネの興味を引くようである。


「くっ……!」


 何フィーネの方にデレてんだ、こっちも恥ずかしいんだぞという顔をするカレン。


「分かってるよ。とりあえず半分にしよう」


 どうせ圭が保有していたところで使い道はない。

 それならば鍛冶職人であるカレンか、おそらく使い道があるのだろうフィーネに任せるのがいい。


「いいか、フィーネ! 半分だぞ、半分!」


「ハンブン」


 ということでカレンとフィーネで半分ずつ分けることにした。

 アダマンタイトも結構大きめなサイズだし丸々一個でなくてもいいだろうと圭は考えた。


「約束破ったら絶交だかんな!」


「ゼッコー?」


「フィーネと私は友達じゃなくなるってことだ!」


「イヤ!」


「じゃあちゃんと半分だけだぞ!」


「フィーネ、理解した!」


 しかし単純に半分に分けると言ってもとんでもなく硬い金属がアダマンタイトである。

 加工するのですら一苦労なのにお菓子のように半分ことは簡単にできないのである。


 どうしようかと悩んだのだけどフィーネなら半分だけ食べられるのではないかと思った。

 ミスリルだって頑丈な金属であり、フィーネはそれをボリボリと食べた。


 アダマンタイトも食べるつもりだったことは言うまでもないし、食べられるのなら半分だけということもできるはずなのだ。

 だから半分だけフィーネに食べてもらい、残りの半分をカレンが受け取る予定なのだけどカレンはどうにもフィーネを信用しきれていない。


「いいかー! 半分だけだからなー!」


 過去に勝手にミスリルを食べられたというトラウマがあるからしょうがない。


「シンライスル! チャントハンブンダケタベル!」


「くっ、任せたぞ……!」


「イタダキマス!」


 フィーネの下のところがかぱっと開いた。

 そしてアダマンタイトにかぶりつく。


 フィーネが口を閉じようとしてガキンと音がした。

 流石のフィーネでもアダマンタイトは食べられないのかと思った瞬間フィーネが淡く光った。


 アダマンタイトがフィーネの中に吸い込まれるようにして綺麗に半分食べられてしまった。


「あれはスキルかねぇ?」


 フィーネのスキルにある物質吸収。

 だから正確には食べるというよりも吸収したという言い方が正しいのかもしれない。


「ピピピピ……」


「ちゃんも綺麗に半分だけ食べてくれたな!」


 まるで真っ二つに断ち切ったようにアダマンタイトは半分になった。


「よくやったな……フィーネ?」


「どうした、フィーネ?」


 アダマンタイトを食べたフィーネの動きが止まった。

 声をかけても指でつついても反応がない。


「フィーネ……おい、フィーネ!」


 そのままフィーネは動かなくなってしまったのであった。


 ーーー第五章完結

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