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【第十四章開始】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第五章

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薫姫を探せ!4

『フィーネ

 レベル5

 総合ランクH

 筋力D

 体力G

 速度G

 魔力F

 幸運G

 スキル:物質吸収、形態変化

 才能:貪欲な学びの意思』


「おっ?」


『フィーネ

 レベル5

 総合ランクH

 筋力G

 体力G

 速度G

 魔力F

 幸運G

 スキル:物質吸収、形態変化

 才能:貪欲な学びの意思』


「おおっ?」


 なんとなく気になってフィーネを真実の目で見てみた。

 するとレベルが上がっていて、特に気になったのは能力値の筋力がDになっているところだった。


 しかし急にフィーネの筋力がGになってしまった。


「な、なんでだ?」


 フィーネを見るけれどなんの変わりもない。

 理由が分からなくて圭は困惑する。


「フィーネ、今何かしたか?」


「ピピ? シテナイ!」


「……見間違いか?」


 気のせいだったのかもしれない。

 圭はそう思うことにして再び薫を助け出すためにジャングルの中を進み始める。


 2回ほど3体のクオルカンティカートに襲われて倒した。


「めんどくさい感じだな……」


 少数では勝てないと思ったのかクオルカンティカートは襲いかかってこなくなった。

 その代わり少し離れた木の上から圭たちのことを監視するように見てきている。


 一定の距離を保ったままで気味が悪い。

 罠や襲撃を警戒して気を緩めることもできず、絡みつくような視線に不快感を感じる。


 弓を扱うアーチャーでもいれば倒せたかもしれないが遠距離攻撃は夜滝の魔法しかない。

 発動させてから放つ都合上攻撃がワンテンポ遅れてしまうので距離があると容易く魔法はかわされてしまう。


「ピピ! マワリニイル!」


「なに?」


 圭の肩に乗ったフィーネが何かを感じ取った。


「クッ、待ち伏せだ!」


 木の上からクオルカンティカートが次々と飛び降りてきた。

 10体のクオルカンティカートが現れて圭たちを取り囲んだ。


「気づけなかったな……」


 警戒はしていたのだけど上手く木の上に隠れていて圭たちには待ち伏せを気づくことができなかった。

 夜滝を真ん中に置いて守るように3人で囲んでクオルカンティカートと対峙する。


 ちゃんと対策を取って数を増やし、取り囲んできた。

 これは結構厄介である。


「来るぞ!」


「こっちだ!」


 カレンが一気に魔力を放つ。

 挑発が効きにくい相手ではあるが効かないわけではない。


 襲いかかってきたクオルカンティカートの多くがカレンの挑発に乗せられてカレンに向かう。


「後ろは任せたまえ!」


 夜滝は一歩下がってカレンのすぐ後ろに近づく。

 杖を振ると水が夜滝の前に広がって半球状の壁となる。


「助かる!」


 後ろは夜滝が防いでくれる。

 カレンは前から来るクオルカンティカートに集中する。


 盾を使って防ぎつつもメイスを突き出してクオルカンティカートに距離を空けさせる。


「波瑠、アイツを頼む!」


「りょーかい!」


 カレンの挑発を無視したのは3体。

 圭が2体を引き受け、波瑠に残りの1体を任せる。


 圭が戦うクオルカンティカートはそれぞれ互いをフォローする様に連携のようなものを見せながら戦っている。

 思わず舌打ちでもしてしまいそうになるが圭は焦る気持ちを抑えて相手をよく観察する。


 よく見ること。

 あまり観察ばかりしても良くはないけれど相手の動きや呼吸をしっかりと見抜くことは戦う上での必要なスキルであると和輝は言う。


 最初はよく見るということが圭には分からなかった。

 けれど和輝に何度も同じことを言われ、圭もなんとなく分かってくるようになった。


 一見して連携を取っているクオルカンティカートであるがその連携はかなり甘い。

 互いを意識はしているが完全にフォローしあっているのではなく、それぞれの位置を邪魔しないようにしながら攻撃してきている結果連携を取っているように見えているのだ。


「なら……!」


 圭はクオルカンティカートの1体に狙いを定めて攻勢を強める。

 細かく切り付けて反撃の隙を与えないようにする。


 するともう1体のクオルカンティカートは困惑したように手を出せなくなる。

 圭が密着するように攻撃を繰り出しているので邪魔をしない隙をうまく見つけられないのだ。


 やはり連携も攻撃の仕方も非常に甘い。


「ふっ!」


 痺れを切らしたのは手をこまねいていたクオルカンティカート。

 無理に攻撃を繰り出そうとして仲間とぶつかってしまった。


 その隙を見逃さないで圭が首を切り飛ばす。


「……ナイス!」


 1体やればあとは難しくもない。

 圭がもう1体と戦おうとした瞬間クオルカンティカートの胸からナイフの先端が飛び出してきた。


「こっち早く終わったからね」


 クオルカンティカートが倒れて後ろにいた波瑠の姿が見えた。

 波瑠の方は1体だったので先に倒して圭の方を助けに駆けつけてくれたのであった。


「残りも倒すぞ!」


「おー!」


 どうにかカレンを攻撃しようとするクオルカンティカートを圭と波瑠で倒していく。

 最初こそヒヤリとしたけれどクオルカンティカートたちの詰めは甘く、一度崩れた連携は戻ることもなかった。


「あっ、待ちやがれ!」


 いつの間にか残り2体となっていた。

 圭が1体の腕を切り落とすとクオルカンティカートは酷い叫び声を上げた。


 最後の1体が不利を悟って素早く逃げていく。

 追いかけようとしたが木の枝を伝って逃げていくクオルカンティカートは速くて追いかけられなかった。


「圭さーん!」


「ん? 薫くん!」

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