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【第十四章開始】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第四章

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ゴーレム製作者の望み2

 圭は懐中電灯を取り出して奥を照らす。

 塔の中には暗い階や昼夜の時間変化のある階もある。


 周りが明るくても物陰などを見たい時にはこうした懐中電灯を使うこともあるので装備品として持っているのは当然なのである。

 照らしてみてもとりあえず奥に続いているということしか分からない。


 2人並んでは通れるが2人並んでしまうと余裕はない。

 リスクを減らす意味でも縦一列となって奥に進む。


 カレンが先頭で圭、夜滝と続いて波瑠が最後尾。

 波瑠が後ろの理由はいざとなったら逃げてもらうためである。


 1番足の速い波瑠がこの中では何かに遭遇した時に逃げられる可能性が高い。

 助けを呼びに行くにしても速い方がいいので逃げやすい後ろに配置した。


「大地の力」


 カレンが手に持ったメイスをコンと壁に当てた。

 時にそのスキルの活用法が直接的な使い方のみではないこともある。

 

 カレンの大地の力は土属性の魔法に非常によく似たスキルである。

 土や岩の形状を変えて防御に利用するスキルというのが単純な使い方であるがもっと深くスキルについて知るとただ土や岩を操るだけのスキルでもない。

 

 カレンの大地の力はカレンを中心とした範囲内における強力な統制権を持つスキルなのである。

 魔法使いの魔法とカレンのスキルが同時に発動して土を操ろうとした時、よほど格上の相手でない限りカレンのスキルの方が優先される。


 狭い範囲内ではあるが大地の王とも言えるような力を持つのがカレンの大地の力なのである。

 そして大地の力を使えば地面の状態を把握したりすることもできる。


 土や岩に力が及び、操ることができるのだからその内部における状況も把握することができるのだ。


「……罠はないな」


 こうした能力を応用すると壁の中に隠された罠を感知することもできるのである。


「だけどまだ油断は出来ないぞ」


「わーてるって」


 ただしスキルも万能ではない。

 物理的な罠は感知できるけれど魔法的な罠は感知できない。


 なので罠がないと言い切るには早すぎる。

 歩みは遅いが何があるか分からない場所では慎重さが命を分ける。


「階段があるぞ」


 奥の突き当たりに階段があるのを先頭のカレンが見つけた。

 下に降りていく階段は懐中電灯で照らしてみても奥まで見通せない。


「行こう」


 ここまできて帰るわけにもいかない。

 階段も降りていく。


 降りた先には鉄の扉があった。

 開かないことや罠の可能性も考えていたけれど恐ろしいほどにすんなりと扉は開いた。


 入ってみると岩山を切り開いて作ったような空間だった。

 天井に光る石が明かり代わりに嵌め込まれていて懐中電灯もいらないぐらい明るい。

 

『シークレットクエスト!


 ゴーレム製作者の研究所を探して彼の望みを知ろう!

 ゴーレム製作者の研究所を探す クリア

 ゴーレム製作者の残した資料を探せ

 ゴーレム製作者の望みを知ろう

 □□□□□』


「これが出たってことは圭のシークレットが当たりみたいだねぇ」


 扉を開けて中に入った瞬間にみんなの前に表示が現れた。

 圭が見たシークレットでは“ゴーレム製作者の研究所を探して彼の望みを知ろう”としか書いてなかったけれどシークレットクエストとして与えられた試練を見るとより詳細に段階分けされている。


「にしても最後はなんだ? 文字化けしてて分かんないな」


 ゴーレム製作者の研究所を探すという項目はクリアとなっている。

 この場所がそうなのだろう。


 他にも資料を探せとか望みを知れとかは分かるのだけど1番下にある項目は文字化けしたように表示されていて読むことができない。

 ひとまずのところシークレットクエストから読み取れるのは戦う系では今のところなさそうだということである。


「……とりあえず中を探索してみようか」


 シークレットクエストを眺めていてもどうしようもない。

 入ってきた部屋には物などは置いていないが入り口以外に3つのドアがある。


「ただどこから行くか……」


 何かヒントになりそうなものもないのでどのドアを選ぶか決め手もない。


「じゃあ左!」


 こうした時は波瑠の思い切りが気前が良くていいので乗っかることにする。


「準備はいいか?」


 圭がドア横に張り付くように待機し、ドアの正面には盾を構えたカレンが立つ。

 波瑠と夜滝は少し離れてすぐに動けるように準備する。


 圭が横から手を伸ばしてドアに手をかけてサッと開ける。


「……大丈夫だな」


 ドアを開ける時なんか隠れている相手から奇襲されやすいタイミングになる。

 同じ人がドアを開けて中に入ろうとするとどうしても戦いへの備えがワンテンポ遅れる。


 だから圭がドアを開けてカレンが警戒をするという役割分担を行った。

 これも和輝の教えである。


 まずはすぐに入らないで中を確認する。


「備品室みたいだねぇ」


 中には木でできた棚があって、そこにいろいろなものが並んでいる。

 何かのコレクションというよりは実験などを行う研究室にある備品を置いておく棚のように夜滝には見えた。


 ドアの上や陰となっている場所を警戒しながら中に入る。

 特に敵もいないので棚に並べられたものに目を向ける。

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