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【第十四章開始】人の才能が見えるようになりました。~幸運な俺はいい才能を持つみんなと一緒に世界を救う~  作者: 犬型大
第四章

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優先すべきは仲間である1

 圭の真実の目を発動させっぱなしにするのはやめることにした。

 ただ圭のおかげでボムロックがいそうな場所というものがなんとなく分かるようになった。


 そうしたところをチェックして丸い岩がいたら大体ボムロックなのである。

 あとは大きめの岩でストーンゴーレムっぽそうなのがいたら圭が真実の目で見るという形で消耗を抑えることにした。


「にしてもあれだな、圭も人だったってことだな」


「そりゃ人だろう」


「良いスキルをタダで使い放題ってわけじゃなかったからな」


「まあそうだな」


 使いすぎるダメというデメリットは痛いけれどそれは他のスキルと同じである。

 スキルらしく使いすぎちゃダメという方がむしろ少し安心するぐらいの感じすらあった。


 常時発動させていなきゃ大丈夫なのか抑えるようにしてからは目も痛まない。


「あっ、あそこいる」


「おらっ!」


 波瑠が岩陰に丸い岩が転がっているのを見つけた。

 それに向かってカレンが近くに落ちていた石を投げつけた。


 安全に処理したいのなら遠くから一定以上の刺激を与えてやるとボムロックは勝手に爆発する。

 カレンの投石が当たって少し転がったボムロックは遅れて爆発を起こした。


 ボムロックの本体が離れた方に飛んでいくのが見えた。

 圭たちの方に飛んでくるならともかくわざわざ追いかけていって倒す必要もないのでそのまま見逃してあげることにする。


「あれはどうだい?」


 夜滝が大きめの岩を指差す。


「うーん、違うみたい」


 圭が真実の目で確認するけれど反応はしない。

 意外とストーンゴーレムも見つからない。


『ストーンゴーレム


 岩に魔力が宿りある程度の意思を宿したモンスター。

 発生原因は様々であるが精霊にも近い存在である。

 ただし精霊ほどの知恵、知能はなく馬鹿で近づくものに襲いかかる習性がある。

 岩なので食えない。マズイ。邪魔な存在。

 ただ魔石は精霊に近いせいか意外と美味い。


 ゴーレム製作者によって作られた。

 少しだけ知能がある。』


「えっ?」


 振り返った圭の目に表示が見えた。


「……波瑠、後ろだ!」


 他のストーンゴーレムと違った文章があることには気づいたけれど今気にするべきはそこではない。

 圭の目が反応したのは波瑠の近くにある岩だった。


 これまでの2体のゴーレムに比べてやや小さめでゴーレムじゃないだろうと思っていた。


「うっ!」


 岩が動いて波瑠が横に弾き飛ばされる。


「夜滝ねぇ、波瑠を! カレン、ストーンゴーレムを引きつけるぞ!」


「分かった!」


「おうっ!」


 波瑠の様子は気になるがストーンゴーレムを放っておけはしない。

 カレンと圭でストーンゴーレムに圧力をかけて波瑠の方に行かせないようにする。


「なんだこいつ!」


「そういえば聞いたことがあるな」


 これまでに出てきたストーンゴーレムは2体とも不恰好ながら人のような二足歩行の形をしていた。

 しかし目の前にいるストーンゴーレムは四足歩行のケモノのような形をしている。


 波瑠を殴り飛ばしたのはシッポにあたるところで明らかに他のストーンゴーレムとは異なっている。

 圭は以前に時々このような四足歩行の奇妙なストーンゴーレムがいるという話を聞いたことを今思い出した。


「動き速いぞ!」


 四足のためかケモノストーンゴーレムの動きは人型のものよりも速かった。

 それでも対処できないような速さではなくカレンは振り下ろされた前足を盾で受け止めた。


『スキル導く者が発動しました。


 導くべきものを守るため眠っていた力が一時的に解放されます』


 波瑠を守らなきゃと思った瞬間に体に力が溢れてきた。

 勝手に現れた表示を横目にケモノストーンゴーレムに圭が向かっていく。


「チッ!」


 頭を狙ったメイスは避けられてしまった。

 圭を狙った前足をかわして再びメイスを振るう。


 振り下ろされたばかりの右前足にメイスが直撃して右前足がへし折れる。

 それでもまだ3本の足が残っているためにケモノストーンゴーレムは倒れない。


「おっと!」


 カレンがチャンスだと前に出ようとするがケモノストーンゴーレムは体を大きく回転させてシッポでカレンを殴りつける。


「シッポの根元だ!」


 ジーッとケモノストーンゴーレムを睨みつけるように見ていた。

 光る部位がないなと思っていたら回転したことによりシッポの根元がぼんやりと光っていたのに気がついた。


「痛いじゃん!」


 ゆっくりと折れた前足が再生を始めていた。

 どうにか足をもう一本破壊して倒してしまいたいと思っていたら波瑠がケモノストーンゴーレムの後ろに回り込んでいた。


 怒りの表情を浮かべて足にメイスを叩き込む。

 膝裏を殴りつけられてケモノストーンゴーレムがガクンと体がバランスを崩した。


「くらえ!」


 圭とカレンで一気に攻撃を叩き込む。

 左前足も叩き折られてケモノストーンゴーレムが情けなく頭を地面に打ち付ける。


「横に倒れてほしいねぇ!」


 夜滝が水の玉を打ち出す。

 胴体に衝撃を受けてケモノストーンゴーレムはゴロンと横に倒れて無防備な状態になる。


「お兄さん、シッポの根元を頼む!」


 カレンが体を起こそうとするケモノストーンゴーレムを殴りつけて転ばせる。

 その間に圭はシッポの方に回る。

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