5.書道の「段」や「級」って?
前回の後書きで、様々な習字教室があると書きましたが、もう少し詳しく書こうと思います。
まず、「段」や「級」についてですが、これは教室によって様々です。
所属している流派というか、会や学校なんかによって色々違います。
ちなみに私の教室は、「段」「級」があります。
私が最初に師事していた先生が、ある会に所属しておられて、そこの規約に従って、九級から始め、「昇級」「昇段」し、十二年前に一番上の師範になりました。
今の先生とも、その会の繋がりで出会いました。
私もそのまま、そこの会の一員として、今現在、同じ様に生徒を指導しています。
ただ、指導の仕方や教室運営に関しては、同じ会に所属していても先生によって様々で、特に決まりはありません。
この会は、毎月決まった課題があって、その課題を練習し、清書したものを期日までに提出して、審査され、段級が決まる仕組みです。
ここの仕組みでは、どんなに早い人でも師範になるまでに十年以上の歳月を必要とします。
着実に書写の力を身につけて、師範を目指したいという方にはおすすめです。
逆に、実力も知識もあって、実力を示すための資格が早く欲しいという方は、一般財団法人 日本書写技能検定協会が実施している文部科学省後援/全国都道府県教育委員会後援の硬筆書写技能検定・毛筆書写技能検定を受験されることをおすすめします。
この検定では、六級から受験でき、一級が一番上の級ですが、順番に全てを受ける必要はないみたいです。
自分で受けたい級を選んで受験できるようです。
その他にも、大学や専門学校などで学ぶという手もあります。
ただ、習字教室、塾を開くのに特別な資格は必要ありません。
信用を得る手段として、師範資格や硬筆書写技能検定・毛筆書写技能検定の一級合格、大学の卒業資格などを持っている方が良いというだけです。
そして、書作品にも色々とジャンルや部門があり、書体も色々ありますから、先生によって得手不得手があったりします。
教育書道的な書写が得意な先生、漢字の大字書が得意な先生、多字数の漢字を書くのが得意な先生、近代詩文を書くのが得意な先生、かなを書くのが得意な先生、前衛書を書くのが得意な先生、篆刻が得意な先生、楷書は得意だけど行書は苦手、草書は得意だけど隷書は苦手など色々な先生がおられます。
作品を書く気がなくて、本当に基礎だけを練習したい方は、書写、臨書が得意な先生を選ばれることをおすすめします。
作品を書きたい方は、どの作品を書きたいか選んでから、その専門の先生のところへ通われることをおすすめします。
迷っておられる方は、中にはオールマイティーにこなされる素晴らしい先生もおられますので、そちらに通われることをおすすめします。
ちなみに私は、作品に関しては主に漢字の方を勉強しています。
教えるのは長くやっていたぶん、書写の方が向いている気がしますが、まだまだヒヨコなので、教えながら自分も勉強させてもらっているのが現状です。
段級があると、上がったり、上がらなかったりでやる気を出す子、落ち込む子が出て来ます。
それを良しとするか、比べるのは良くないと否定するかは、自由です。
私はどちらかと言うと、落ち込もうが嫌になろうが、自分の力を知るために段級があるのは、良いと思っています。
現実を直視することも大切です。
それでやめてしまえばそれまで。
継続は力なりですから、自分で可能性を一つ潰すだけです。
先生や教室の雰囲気が合わなかった場合などはやめても仕方のない事ですが、習字が合わないは言い訳だと思います。
ただし、障害や持病のある方はまた話が違ってきますが……。
努力をする前にやめてしまうのは、実に勿体無いと思います。
苦手なものは努力して克服した方が良いです。
とはいえ、拒否反応を示すくらい嫌いだというのならば、どうしようもありません。
時間は有限ですから、諦めるのも良いと思います。
代筆でも大丈夫なものは、代筆をお願いするのも有りでしょう。
お読み下さり、有難うございます。
私の意見は、あくまでもご参考までにお聞き下さい。
書体やジャンルについては、今後詳しく書いていきたいと思います。




