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日本合身後 21日目から30日目

本日4話。

05:20に1話。

05:40に1話

06:00にもう1話です。

 21日目。


 県境越えルートの建設だが、獣も多いよ樹木も一杯だ、の言葉通り猿、猪、鹿、熊が多い。特に熊と猪に猿は危険だった。大木も多く根っこが道路開削の障害になる。

 大型野生動物は猟銃を揃え駆逐していくしかないが、猟師など銃砲所持許可を持っている人が大幅に減ったのと高齢化で人員数が足りず、新たに育てながらやっていく。ここにも人材不足の影響が出ている。

 猟銃用の弾薬が足りない。7年分の物資の中に入っていたが、元々の絶対数そのものが少なかったのだ。弾薬は民間用も警察や自衛隊用も本格的な生産再開は火薬の生産が始まっていないためまだ先だ。今は在庫の火薬が使えるか安定性の試験中。89式小銃で使う対人用の5.56では大型野生動物には威力不足だが、弾数を撃ち込むことで対処しようとしている。一部では保管されている64式小銃を持ち出してもいる。7.62の方が威力があるからと言って。なにしろ64式小銃で熊を射殺出来た実例がある。




 22日目。


 マリアナ諸島各島に日の丸を建て終わる。硫黄島の辺りに在った大きな島は硫黄島ではなく南硫黄島と位置的には思われる。マリアナ諸島に旗立てが終わった後、半径20キロ程度の島に上陸し設置されているはずの三角点を確認する。

 

 四国や九州では道路の早期開通を諦めて船で連絡を取る方向に変わった。住居周りのインフラ整備が最優先でとにかく人手が足りない。人口減少のせいだ。海沿いの都道府県はそれでいいが、内陸県が問題だ。東京都は海沿いが酷い状況だが陸自の立川基地から奥はなんとか行動出来る。 

 内陸県で一番困窮している奈良県に力を入れることする。


 奈良県は飛行場が無くヘリコプターしか連絡手段が無い。航空機の供給がかなり先まで見込めない以上、過度な使用は避けるという方向になっているので回数は出来ない。奈良県への最短ルートは大阪府か京都府だが、大阪府は神奈川県に近い壊滅具合でさらに完全な山越えルートになっており不可能。京都府から木津川に沿ってということになるが京都府にも余力は無い。他県から派遣するしかないだろう。一番余裕がある北海道の師団から派遣が決定する。


 奈良県を担当するはずの大阪府に在った西部方面航空隊は、暴徒によって壊滅しておりヘリコプターも全て破壊されている。

 奈良へディーゼル発電機などの重量物資を運び込む作業は群馬から飛んできたヘリコプターが各務原を拠点として実行している。




 23日目。


 北方四島を含む千島列島と樺太を管轄のロシア・サハリン州から、日本に保護というか併合して欲しいとの申し入れがある。

 ロシア本体はかなり減ってしまったらしい。ハバロフスク地方と沿海州地方とマガダン州とカムチャッカ地方が無くなり、無人の土地が現れたと。

 さらにマガダン州とカムチャッカ地方の住民が転移で突然現れて困っているとも。人口はその2州の方が遙かに多く、サハリン州の物資では今年中が一杯だと悲鳴を上げている。

 7年分の物資はあちらでも出現したが、その2州分の物資は無く人だけ現れたと。そして物資は持って今年中が一杯で、それを消費した以降のビジョンが無いという。

 新しくできた土地には取り敢えず州旗を立ててきた。そこも日本に入れればいいとも。


 モスクワが無くなったのが確定事項らしいのが衝撃らしい。それと地球さんの容赦ないやり方に恐れ戦いた(おそれおののいた)のが実情だろう。

 ハバロフスク地方と沿海州地方の住民はどこに行ったのか。

 緊急で総理大臣が中心となり無線会議を開いた。

 無線会議というのは、どこを暫定首都にするのか決まっていない。国会議事堂も首相官邸も無い。通信は無線だけ。他にやりようも無い。まさか自衛隊機や運用が始まったばかりの民間機を使うにも時間が足りない。だから無線会議となった。

 無線会議では、かかる緊急事態にだらだら言ってくる奴はオミットして意思決定の早い者たちが即断即決で決める。その時は最善と信じて。


 生き残った自衛隊員と警察官のうちかなりの割合で精神的に追い詰められていることが判明。命令とは言え、多くが暴徒や犯罪者に対する武力行使したとき問答無用で射殺したことを引きずっていると思われた。




 24日目。 


 サハリン州の扱いは、受け入れることにした。48番目の県として。北海道が面倒を見ることになった。現状で一番余裕があるしロシアと一番縁が有るからだ。

 冬が来る前に地球さん物資の中にあった仮設住宅やテントを輸送することになる。現地では住宅不足でテントどころか天幕の下で暮らしているそうだ。支援物資はようやく運行再開に成功したバラ積み可能な一般貨物船と内航コンテナ船を傭船して苫小牧と小樽から運ぶようにする。




 25日目。


 沿海州地方にP-1を飛ばす。無線による警告も無い。レーダー波も関知出来ない。市街地も無い。人類の痕跡が何も無い自然だけの土地が拡がっている。

 ハバロフスク地方にもP-1を飛ばす。無線による警告も無い。レーダー波も関知出来ない。市街地も無い。人類の痕跡が何も無い自然だけの土地が拡がっている。




 26日目。


 ハバロフスク地方を日本の領土とすればオホーツク海は日本の内海となる。どうするかと議論になる。是非を問い、日本に編入を目論む。ついでに沿海州地方も編入できそうなら実行する。

 もちろん自衛隊の皆様に活躍して貰う。外務省職員の生き残りは少ないが、自衛隊員と共に派遣することとなった。


 サハリン州援助物資の第1陣が北方四島を始めとする千島列島各地に向けて苫小牧を出航した。


 ハバロフスク地方を領土に編入するための人員を選抜し呉に集める。

 ハバロフスク地方が優先とされ、沿海州地方は後回しにされる。


 サハリン州援助物資の第2陣がサハリンに向けて小樽を出航した。



 

 27日目。


 呉より輸送艦「くにさき」が出航。瀬戸内海でも安全が確認された部分を航行して関門海峡を抜け日本海に出る。




 28日目。


「くにさき」は、日本海をおっかなびっくりで航行している。GPS航法装置は使えない。海図も当てにならない。一応、進路上に障害となるような岩礁らしきものが無いことはP-1による事前の航空偵察で確認されている。途中でヘリを飛ばして前方を確認させてもいる。しかし、怖いものは怖い。夜間は速力を落とし、前方をライトで照らしながらの警戒航行までしている。

 呉にあったLCACのうち三艇が使用出来ず「くにさき」に積んでいる二艇は虎の子である。

 



 29日目。


 サハリン州支援物資で問題が出た。日本語表示でロシア語表示ではないから、日用品はともかくサハリンで普段使われていない変わったものはどう使っていいのかわからないと。送り出したロシア語の通訳が足りないので引っ張りだこになっている。

 また、衣類が欲しいと要請された。送られてきた住人は着の身着のままだった。サハリン州の物資で賄おうとしたが人数が多すぎるとのこと。

 人口が激減した地域に人を派遣して確保させよう。彼ら自身に行って貰うのがよいかもしれないと、無線会議で決定した。




 30日目。


 「くにさき」がハバロフスク地方に到着。ベースキャンプを設定する。

 LCACの威力は凄い。重機を海水に濡らさずに揚陸出来るのだ。自衛隊員が周囲を警戒する間にも整地が進められ天幕村が完成した。

 大型野生動物(主にヒグマ)対策としてM2重機関銃と配備数の少ないバレットM95を持ち込んでいる。



次回更新は20日と21日の土日に2話予定しています。


陸上自衛隊の主力小銃は89式です。20式はごく少数しか配備が始まっていません。

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