126.捕らわれる悪女、企む魔女
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
ゲータ・ニィガ王国、王都郊外。
マリィの力により、オークの大群から街を守ることができた。
「そんな大恩人……我らの救世主を、捕まえる? 死刑にする? そんなことできるわけないだろうが、痴れ者が」
ルグニスはそう言い放つ。
その場に集まっていた騎士たちも、ルグニスに賛同するように、強く何度もうなずいていた。
「捕まえろ。……その女こそ我らに災い振りまく存在だ」
「「「ハッ……!」」」
……ようやく、グリージョは理解した。
自分が今、引っ捕らえられそうになってることを。
グリージョは逃げようとするが、騎士たちによってあっという間に地面に押し倒され、身柄を確保されてしまう。
まるで罪人のような扱いだ。
いや……本当に罪人なのだ。
彼女は、今までずっと嘘をつき続けてきた。
自分が聖女だと。
その嘘のせいで、大勢の人が傷付いて、死んできた。
罪人扱いも、やむなしだった。
捕らえられたときに顎を打った。
そのときの痛みが、グリージョに、これが現実だと教えてくる。
すなわち……騎士に捕まり、そして処刑されるのだと……。
「い、いや……! いやよ! いやぁああ……!!!!!!!」
グリージョは鼻水と涙で、顔をぐしゃぐしゃにしながら、必死になって訴える。
「た、助けて……! 死刑なんて嫌! 嫌よぉお!」
「黙れ。貴様は救国の英雄を、殺せと言った。そんなことをいう罪人を生かしてはおけぬ」
「だからって殺すことないでしょぉおおお!?」
じろり、とルグニスがグリージョをにらみつける。
「ふざけるな。あの英雄を、この国から追放するきっかけを作ったのは貴様だ。十分死罪に値する」
「ふざっけんなぁあああ! あのクズを追放したのはあんたでしょぉおおおお!」
醜く責任を押しつけようとするグリージョ。
しかしルグニスの態度は変わらない。
「私はおまえにそそのかされたのだ、グリージョ。ああ……マリィ……すまなかった……何度謝罪しても足りないくらいだ。今からでも許してもらえるだろうか……」
もはやルグニスのなかでは、善良なるマリィを、追い出した悪女グリージョ……。
そんなストーリーが展開されていた。
……まあもっとも、グリージョの嘘にあっさりだまされて、真実を見ようとしなかったルグニスにも、非はあるのだが……。
そこは棚上げするつもりらしい。
「連れて行け、その悪女を! そして殺すのだ……!」
「いやだぁあああああああ! ああああああああ! いやだぁああああああああああああああああ!」
惨めに泣き叫ぶグリージョ。
だがルグニスは彼女の醜い姿を見て、顔をゆがめて吐き捨てる。
「いっときでも、こんな女に心動かされた、自分が恥ずかしいよ……」
「ひどいぃ……ひどいよぉおお……」
グリージョは騎士に連行されながら、涙混じりにそうつぶやく。
化粧がはげて、一気に数十歳も年を取ったように、外見が変貌していた。
「うう……ううううう……どうしてぇえ……どうしてこうなるのぉお……」
罪人のように捕縛されて、城へと連行されていくグリージョ。
こんなことになるはずではなかったのに……。
「ああ……マリィ……マリィ……あの……あいつが……うらめしい……」
自分より凄い力を持っている、姉が羨ましかった。
魔法の力は奇跡の力。
そんな奇跡の力を用いて、民を救い、誰からも感謝……尊敬される。
そんな絶対的な存在に……神に、グリージョは憧れていた。
高い法力を持ち、大聖女に選ばれたとき、グリージョは念願が叶ったと思った。
これで神として、皆から愛されるに違いないと……。
でも、偽物だった。
自分の力も、与えられた地位も、全部……。
「うう……うらやましい……妬ましいよぉおお……マリィ……まぁりぃいい……」
地の底から響き渡るような声。
側で聞いていた騎士たちが、ぞっとするほどの、まるで地獄から這い出てきた亡者のような声……。
そこには、【嫉妬】の感情が込められていた。
高濃度の、負の感情。嫉妬の気持ち。
その波動はグリージョのからだから吹き出して、王都中……いや、王都の外まで広がっていった。
常人では見えないその黒い感情のほとばしりは……。
しかし、次元を超えて、とある魔女のもとへと伝わってきた。
「へえ……いい感情もってるじゃあないの」
お菓子の城の中、マーサは口にくわえたペロペロキャンディを、ぱきんっ、と歯で折る。
その口元には酷薄な笑みを浮かべていた。
「あの馬鹿は、無駄に強いからね。ま……保険くらいはかけておこうかしら。ちょうど都合の良い具合に、マリィに強い嫉妬の心を抱いてるようだしねえ……」
嫉妬の魔女マーサ。
グリージョの悪しき心は、同じく悪しき魔女の知るところとなった。
マーサはポケットから、小指の爪ほどの黒いキャンディを取り出す。
ぱちんっ、と指を鳴らすとキャンディは毒蛾へと変貌。
蛾は鱗粉をまきちらしながら、お菓子の城の外へと出て行く。
「まぁ……万一のための保険。使わないにこしたことはない……」
マーサは新しいペロペロキャンディをとりだして、口にくわえる。
毒蛾は真っ直ぐに、グリージョの元へと向かうのだった。
【★新連載はじめました!★】
タイトルは――
『「学園トップの美少女【雪姫】と付き合ってるなんてウソだよね!?」と王子さま系元カノが泣きながら僕に謝ってくるけどもう遅いです~浮気され傷心中の陰キャ高校生をめぐる壮絶な溺愛合戦~』
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