19.6 成績発表
――六月中旬。
全ての試験の採点が終わり、成績が発表された。
俺たちはグラノーラの部屋に集まり、それぞれの成績を共有した。各科目の成績は、優、良、可、不可の四段階で表記される。不可の場合は追試があり、追試も落ちれば落第になる。
まずは、全員が心配していたウルミの成績から確認する。
――ウルミ。
文法、可。文書、可。対話、可。算術、優。地理、可。体術、可。魔法、可。
ほとんど可で埋まっているが、追試は免れた。
「うひょー!」
ウルミは飛び跳ねて喜んでいる。
次はニーナの成績を確認する。
――ニーナ。
文法、優。文書、優。対話、可。算術、優。地理、優。体術、可。魔法、可。
苦手な体術をクリアできたのが大きかった。
「体術はどうにか、クリアできました。みなさんのおかげです」
ニーナは、嬉しそうに言った。
残りは、俺とグラノーラだ。俺は、グラノーラに顔を向ける。
「お嬢の成績はどうだったんだ?」
「こんな感じだよ!」
俺たちは全員でのぞき込んで、グラノーラの成績表を確認する。
――グラノーラ。
文法、良。文書、良。対話、優。算術、良。地理、良。体術、優。魔法、優。
最低でも良。なかなかの成績だ。
「それで、アステルはどうなの?」
グラノーラは、くししし、と笑いながら尋ねてくる。もう、勝った気でいる。
「ほれ」
俺は自分の成績表を見せる。
――アステル。
文法、優。文書、良。対話、優。算術、良。地理、良。体術、優。魔法、優。
ほとんど同じだが、文法が優なのでグラノーラより成績は上だ。
「げっ、負けた!」
グラノーラがショックを受ける。グラノーラは、悔しそうな顔をしたあと、気を取り直したように俺の方を向いてきた。
「でもまあ、アステルは魔法を頑張ったものね。入学時のままだったら不可だったでしょう、あんた」
「ああ。修行の成果が大いに出た。マルに礼を言っておく」
マルが出てきて、胸を張った。
「それで、試験終わったけど、このあとどうする?」
グラノーラが楽しそうに尋ねてくる。
「事務所に行ってパーティーをしよう。試験準備期間からこっち、顔を出していないからな。ココルが寂しがっているだろう」
「うっひょー、パーティー!」
ウルミがはしゃぎまくる。追試を免れたせいか興奮しまくっている。
「それでは私、いろいろと食べ物を調達してから行きますね」
ニーナが控えめに手を挙げて言った。
「どんなものを調達してくるんだ?」
「この季節に王都で手に入る美味しいものをたくさん」
「そりゃあ楽しみだ!」
俺たちは、わいわいと騒ぎながらグラノーラの部屋を出た。そして魔法学校の門をくぐり、ガゼー地区へと向かった。




