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偽物の魔法使いは大魔法使いと魔法開発史を再現する  作者: 雲居 残月
第15章 裏社会の暗殺組織

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15.2 暗殺組織

 ガゼー地区の事務所で、仲間たち全員そろっての話し合いをおこなっている。

 今日の一つ目の話は終わった。次は二つ目の話だ。このガゼー地区で、魔法学校の生徒ムジカ・フロアが襲われた件だ。


 俺は、パロスとの会話を含めて、知っている情報を全て話した。全員が深刻な顔をして考え込んだ。


「よくないわね。戦場ならともかく、王都で魔法泥棒なんてふつうは出ないわ。王国の秩序を乱す者として、国王直属の魔法使いたちが出張って、犯人を捕まえるから」


 グラノーラが真面目な顔で言う。俺は腕を組んで自分の考えを口にする。


「情報が王国の上層部まで上がっていけばそうなるだろう。学校からは報告は上がっていないようだった。フロア子爵家からも上がらないだろう。家の恥をさらすことになるからな。

 それよりも気になるのは、フロア子爵家の動向だな。子供の魔法を奪われて泣き寝入りというわけにもいかないだろう。面子に関わるからな。どうするつもりだろうな」


「アステル様。それについては、お耳に入れたいことが」


 ココルが手を挙げ、ラパンに聞いたということを話す。最近ココルは、ラパンのアジトに呼ばれることがちょくちょくあり、訪問して情報を流してもらっているそうだ。


「今の話を聞くまで、関係ない話だと思っていたのですが、フロア子爵家がジンを雇ったそうです」


「ジンって誰だ?」


「いや、人ではなく組織です。魔法を所有している暗殺組織です。アステル様の話を聞いて、フロア子爵側から事件を見ると、アステル様が首謀者と思われてもおかしくないと思いましたので」


 確かにそうだ。学校の先生たちも、パロスが説き伏せるまで、俺のことを疑っていたようだ。前後の経緯から考えて、俺が犯人と思われてもおかしくはない。


「そのジンの情報はあるのか?」


「いえ、私も詳しくは知らないです。ラパンさんなら、ある程度把握していると思いますが」


「会いに行った方がよさそうだな。あと、お嬢たちは念のために先に帰ってもらった方がいいだろう」


「分かったわ。私がニーナとウルミを連れて帰る。アステルは情報を得たら、私の部屋に合流でいい?」


「ああ」


 段取りを決めて、俺たちはすぐに動きだした。


  ◆◆◆


 グラノーラたちと別れたあと、俺とココルはラパンのアジトに向かった。

 ココルがラパンのアジトに出入りしているというので、直接訪問した。ラパンは迎え入れてくれて、いつものように狭い部屋で対面した。


「どうした?」


「フロア子爵家が雇ったというジンについて教えてください。俺が勘違いされて襲われる可能性があるようですので」


 ラパンは少し考えてから話しだした。


「まず、わしは魔法について詳しくない。だから、ジンの実態については知らない。

 ジンは魔法を所有している暗殺組織と言われている。裏社会で魔法を持っている者は限られる。だから暗殺組織ジンは一目置かれている。

 現当主の名前はフィーだったはずだ。二十代後半の女性で、顔に大きな傷がある。これは噂を聞いただけで、実際に見たわけではない。

 正直なところ相手をしたくない連中だ。どんな魔法を持っているのか分からないしな。狙われているのなら気をつけた方がいいぞ」


 ラパンは、憐れむような目でこちらを見る。俺が命を落とすかもしれないと思っているようだ。


「簡単には死なないですよ」


「そうであることを願っている」


 俺はラパンに礼を言って、彼のアジトをあとにした。


  ◆◆◆


 複雑な小道を通って、貧民街を抜けていく。ココルと一緒に事務所に帰る途中で足を止めた。


 前方に人が立っている。フード付きのマントを羽織っている。

 背丈や体格から、男なのか女なのか判別しようとするが分からない。気配も虚ろで無個性だ。また、フードのせいで顔が見えない。


 俺は敵が武器を持っていないか目視で確かめる。持っているようには見えないが油断はできない。マントの中に隠すこともできるし、魔法で攻撃できるのならば、そもそも武器を持つ必要もない。


「ココル、道を変えよう」


「はい」


 すれ違わないように道を折れる。足早に進むと、背後から付いてくる。前方に新しい人影が現れた。同じようにフード付きのマントを羽織っている。


「そういえば暗殺『組織』だったな」


 一人で姿を現したから個人を想定してしまった。俺もまだまだだなと思い、逃げ場を探した。


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