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偽物の魔法使いは大魔法使いと魔法開発史を再現する  作者: 雲居 残月
第22章 魔法創造

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22.6 挿話:ウルミ・カカラム その2

 魔法学校に入り、強引に誘われた仲良し同盟の活動は、想像の百倍ほど刺激的なものだった。

 学校で習う魔法の修行は、正直に言って退屈で眠気を誘うものだった。自分の魔法をうまく使うための内容がほとんどで、教科書に載っている魔法の話も、何だか納得のいかないものだった。


 しかし、マル師匠が主導する魔法工作教室は脳汁が出るほど面白い。自分で部品を作るところから初めて、魔法を組み立てていく。

 そんな方法で魔法を作ることができるなんて考えてもいなかったので、私は毎回興奮でひっくり返りそうになる。


 今回のタタカ洞窟の魔法製作旅行は、人生でも一、二を争うほど楽しかった。洞窟探検、精霊採集、魔力湧出口作成、魔法再現器の構築。

 最終的に、オリジナル魔法と言っても過言ではない『滑る』の精霊瓶ができたのは、本当に満足だった。


 しかし、解せないこともある。『滑る』の魔法の評判が、あまりよくないことだ。仲間たちはみんな「ふーん」という感じだ。こんなに便利そうな魔法に反応しないなんておかしい。何かが間違っていると思った。


 めっちゃすごい魔法なのに!


 そういえば、この仲良し同盟には、個性豊かな人たちが集まっている。


 先生はマル師匠。五百年前の大魔法使いだそうだ。すごく偉い人なんだろうけど、現れたり消えたりして、何だかびっくり箱みたいな人だ。


 そしてリーダーは、アステルさんだ。神経質で少し陰気で、いつも不幸を背負ったような顔をしている。もっと気楽に生きればいいのにと思う。

 アステルさんは、グラノーラさんのお世話係らしく、いつも甲斐甲斐しく働いている。グラノーラさんのお母さんかよ、と突っ込みたくなることも、しばしばある。


 このグループの裏のリーダーはグラノーラさんだ。アステルさんは、グラノーラさんには頭が上がらない。言い争いになれば、必ず最後はグラノーラさんを立てる。

 爵位が違うということもあるのだろうけど、おそらくアステルさんは、グラノーラさんのことを崇拝しているのだと思う。ちなみに、アステルさんは、グラノーラさんのことを、よく山猿と呼んでいる。

 崇拝? 山猿? どういう関係だよと思うことも多い。


 情報収集担当は、ニーナさんだ。私も知っている王都の富商シャントン家のご令嬢だ。

 正直なところ、王都の職人である私は、貴族であるアステルさんや、グラノーラさんよりも、シャントン家の方が「おおっ、すげえ!」と思ってしまう。


 ニーナさんは、アステルさんとグラノーラさんがいちゃついているのを見て、よく目を潤ませている。何か、かわいいハムスターを愛でているような目だ。

 よく分からない趣味をしている人だなあと、私は思っている。


 ココルさんは、よく分からない。私より年下の女の子だけど、剣で身を立てているそうだ。こえ~~~。

 怒らせて、ぶった切られないようにしないといけない。触らぬ神に祟りなしだと思っている。

 ココルさんは、アステルさんのあとをよく追っている。まるでカルガモの親子みたいだなあと思うことがある。


 個性的なメンバーで、それぞれ得意分野が違うのは面白い。

 仲良し同盟に誘われるまで、魔法学校という場所の面白さが分からなかったが、こういった仲間がいるのは、よいものだなと思った。

 そうしたことを、実家に帰ったときに父親に言った。


「そうか、ウルミに友達が。一生、できないと思っていたのに」


 父親は泣いて喜んだ。失礼な!


 私だって友達ぐらい……。ああ、そういえば、これまでいなかったなあ。


 何はともあれ、早く本物の全自動魔法を作れるようになり、新作魔法をバンバン作っていきたいものである。


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