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はい、こちらダンジョン捜索隊~自分はレッサーパンダだと言い張る相棒の♀タヌキが、うっかり記録用録画を配信してしまった件。  作者: 夢・風魔
7章

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196/197

196:ガチャは悪い文化。

「あ、秋葉原に行ってみたいです」

「よし、行こう」

「お前、アキバがどこなのか知っているのか?」

「大丈夫。悟が知っているから」


 という理不尽な理由で、帰国した翌日に秋葉原へとやってきた。サクラちゃんたちは留守番だ。

 秋葉原でいったい何をするのかと思えば、プラモデルを取り扱うショップ巡り。

 

「いいね、これ。組み合わせたら良さそうだ」

「あぁ、渋いところいくなぁ。つや消しして汚れ塗装もすると、かなりいい雰囲気になると思うよ」

「つや消しかぁ。ボク、やったことないんだよね」

「そんなに難しくないよ。時間があれば教えてあげられるんだけどなぁ」

「アメリカくる?」

「アメリカ!? 遠いなぁ……」

「アルジェリアよりは近いさ」


 いや遠いだろ。しかもアメリカと言ったって、オーランドが呼ぼうとしているのはニューヨークだろ。日本から遠い方じゃないか。

 てか真田さん、プラモデルの話してるときは流暢に喋るんだな。


 そんな感じで、俺にはまったく意味がわからない会話でショップ巡りは続く。


 お昼はオーランドの要望でラーメンを食べ、またショップ巡り。

 その途中で。


「悟、頼みがある」

「なんだよ、頼みって」

「アメリカドルを日本円に交換してくれ」

「空港で両替しとけよ! ってかクレカあるだろ」

「カードじゃ買えないものがある。アレだ」


 とオーランドが指さしたのは、カプセルトイのガチャガチャだ。

 うぇ……一回四百円!? ひっ、あっちには五百円のもあるぞ。え、ガチャガチャってこんな高かったっけ?

 子供の頃、母さんと行ったスーパーにあったガチャガチャって二百円だった気がするけど。


「両替、プリーズ」

「プリーズ言うな。両替って言ったって、一ドルいくらだよ今」

「適当でいい。百円計算ならわかりやすいだろう?」


 いや円高すぎ。


「あとで銀行で両替しとけよ。とりあえず千円貸すからさ」

「oh……千円……」


 え、何? 千円じゃ足りないってのか?

 こいつまさか、何回も回す気か。


「に……さん……」


 基本的な表情は変らないくせに、眉毛で微妙に感情がわかる。なんかそれが腹立たしい。


「ご……頷けよ」

「一万円プリーズ」

「どんだけ回す気だよっ」


 終わったら絶対に銀行に連れて行くからな。

 手渡した一万円を持って、オーランドが店内の両替機へと向かう。

 それを全部百円玉にして戻ってきた。

 

 百円玉……百枚……。

 お店の人がくれたのか、それとももらったのか、小さなビニール袋にじゃらじゃらと百円玉を入れている。

 そんなの持って歩いてたら、取られやしないか?


 と一瞬心配もしたが、まぁ……取られるわけないか。

 金髪碧眼の長身イケメンがじゃらじゃらと小銭を持ってガチャを品定めしている。

 周囲は何故か少し引いたところで奴を見ていた。


「あ、なんか回し始めた。何を買うんだあいつ?」

「ジオラマに使えそうなガチャを買うんだって」

「ジオラマ? え、作る気なのか」


 真田さんも本格的なジオラマ作りしてるようだけど、影響されたのか。

 まぁ過剰な動物愛とは別の趣味を持つのはいいことかもしれな……ん?


 なんかガチャに張り付いたぞ。

 ガンガン回し出したぞ。

 おい、何回回す気だ。こっち見んなって。


「悟……百円が……」

「いくら使い込んでんだよっ」

「コンプリートさせる必要があるんだ」

「コンプリートって……あぁ……」


 オーランドが張り付いていたガチャは『北海道アニマルシリーズ』と書かれていたガチャで……。

 キタキツネ、エゾタヌキ、エゾリス、シマエナガ、シロフクロウのフィギュアがランダムで一体入っているというガチャだった。

 しかも、それぞれポーズが二種類ずつある計十種類。

 更に恐ろしいのが、その隣にこれの赤ちゃんバージョンがあること。


「ツララちゃんとヴァイスくんが出ないんだ」


 そう言われたら、追加の一万円を出してやらないわけにもいかなくなる。

 はぁ……。


 一万円を手渡すと、またそれを持って店内の両替機へと向かうオーランド。

 戻って来た時、何故か女性店員さんが一緒にいた。

 そして彼女はガチャを開け、オーランドが欲しがっていたシロフクロウの雛を四つ(・・)取り出す。


「では千二百円ですね」

「サンキュー。とてもとてもサンキュー」

「い、いえ、いいんです。いっぱい買われていましたし」


 そう話す店員さんの顔が赤い。

 何故?


 オーランドの気が済んだ後、急いで銀行へ行ってドルを両替。

 その時に気づいたけど、真田さんもいつの間にかガチャを回していたようだ。

 彼の鞄の中に、二十個ほどのカプセルが入っていたのを俺は見た。


 その後もあれこれ買い物をして、帰宅したのは六時頃。

 風呂に入って夕食を食べて、夜は俺の部屋で――。


「こ、これより開封式を行います」

「おー!」


 開封式って、なんだ?


 二人はカプセルの入った袋を取り出し、一個ずつ開けていく。

 開封って、それかよ!


 最初の内は喜んでいたけど、だんだんと「またダブった~」「oh、何故サクラちゃんが出ない」とか、開けるたびにテンションが下がったりもして。

 でもまたハイテンションになったりならなかったり。

 全部のカプセルを開封した後、オーランドが俺に「ダブりだから悟にあげよう」と言っていくつかのガチャフィギュアを渡してきた。

 そのフィギュアは……。


 エゾタヌキとキタキツネ、シロフクロウ、シロフクロウの雛二体。


 ……ま、まぁ……飾っておくか。

 



****************************

鬼滅の煉獄さんに沼ってた時は、カプセルガチャで煉獄さん出るまで

5000円とか平気で使ってたなり・・・

たった1個を出すために・・・

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