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はい、こちらダンジョン捜索隊~自分はレッサーパンダだと言い張る相棒の♀タヌキが、うっかり記録用録画を配信してしまった件。  作者: 夢・風魔
7章

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188/197

188:混ぜるな危険。

「あぁー、打撃系の攻撃はワームと相性が悪いね」

「……だよな」

「でもボクがいるから大丈夫だ」

「……そうだな」


 オーランドがひとこと喋るたび、モンスターが真っ二つになっていく。

 そこにモンスターがいることすら気にも留めない様子で、かるーく剣を振っているだけ。

 クソォ。なんでこんな強いんだよ。


 あ、そういえば真田さん……。

 冒険者グループと同行してたけど、どうしたのかな?


 そう思った矢先だ。これがフラグって奴なのか。

 左手側で、物凄い轟音がした。


「ん? トール・ハンマーの使い手がいるのかな?」

「オーランド、トール・ハンマーを知っているのか?」

「もちろんさ。高威力スキルだからね」

「オレのお師匠だぜ! お師匠ーっ」


 ヴァイスがバッサバッサと羽ばたき、宙を舞う。

 だいぶん飛ぶのが上手くなってきてるが、ヴァイスはホバリングのせいでおかしな飛び方をする。

 垂直に上昇し、羽ばたいてるのにその場で静止している。


「師匠?」


 と首を傾げるオーランドに、ヴァイスもトール・ハンマー持ちだと告げた。


「うちのギルドに――」

「娘はもちろんだけど、息子もやらーんっ!」

「oh……」


 ブライトに抗議されたからって、残念そうな顔で俺を見るなって。


「あっ。師匠、こっち来てる。おい悟! 師匠と合流だ、合流っ」

「え? いや別に合流しなくても……まぁ来てるならいいけど」

「ヴァイスくんの師匠は、人間?」


 おいオーランド。人間じゃなくって動物だったら、勧誘するつもりなのか。

 いや、相手が人間だったら――。


「動物だったらどうする?」

「引き抜く」

「人間だったら?」

「いらない」


 こいつ……基準がおかしいだろ!






「ど、どうも、三石さん」

「真田さん、お疲れ様です。トール・ハンマー、やっぱり凄いですね。音で気づきますよ」

「あ……は……派手ですから」


 派手――と話す真田さんは、どこかうんざりした様子だ。

 派手という言葉がまったく似合わない人だもんなぁ。


「オーランド。この人がヴァイスの師匠の――」

「ユキヤ・サナダ。日本にいる、もうひとりのダンジョンベビーだ」

「あら、オーランド知ってたの?」


 サクラちゃんの言葉に、オーランドは小さく頷く。

 知ってたのかよ、お前。

 いや。アメリカでもトップレベルのギルドに所属しているんだ。有能な外国人も引き抜くために、そういった資料なんかもあったりするんだろう。

 で、真田さんの方は「誰この人?」な顔をしている。


「真田さん、こいつはオーランド。アメリカ人。俺と同じ日生まれって言えば、わかるかな?」

「三石さんと……あ、そういうことですか。ど、どうも、初めまして」

「君はサクラちゃん派か? ヨーコさん派か――ぐふっ。何をする、悟」

「真田さん。こいつのことは気にしないでください。ただの動物バカなだけなんで」

「バカとはなんだバカとは。動物をこよなく愛しているだけだ」


――[ダメだこのランカー]

――[これでTOP5に入るんだろ? マジか]

――[こんなんがアメリカ最強の一角にいるのか]

――[強いんだよなー強いんだけどなー]

――[無駄に顔がいいだけに残念すぐるww]

――[そこがまたいい]

――[ギャップ萌えってヤツだよねぇ]

――[どうせ女は顔で選ぶんだろ!]

――[顔だけじゃない。お金持ちだし動物に優しいってことは人間性もいい]

――[そこにギャップ萌えが加わるハイ最強]

――[勝ち組過ぎて何もいえん]

――[でも人間の女に興味ないんでしょ?]

――[いやあぁーっそれ言っちゃダメ!!]

――[今、全女視聴者を敵にしたからね]

――[すみません勘弁してください]


 オーランド……弄られキャラなのか。


「――ですよね」

「あぁ。変だね」


 ん? 視聴者の声聞いてる間に、何か話していたのか?

 ダメだ。集中できない。


「佐々木さん、いますか?」

『――はい。どうしたの、三石くん』

「すみません。視聴者側の音声オフにしてください。集中できなくって」

『あはは。だよね。曽我さんとか赤城さんたちも、とっくにオフにしてるわよ。重要な案件はこっちで伝達するわね』

「お願いします」


――[ええぇー!?]

――[悟くん、やだ。お話しようよー]

――[まぁこっちが騒げば、当然、捜索に集中できないよな]

――[聞こえてる? 聞こえてる悟くんっ]

――『捜索隊の者です。すみません、隊員が集中出来ないので音声はオフにさせていただきました』

――[えええぇぇ!?]

――[まーしゃーない]

――[人命が大事だしなぁ]


「オーランド、真田さん。どうしたんだ?」

「オーランドさんと話してたんですが、この砂漠、明らかに生息しているモンスターのレベルがおかしいんです」

「ここは地下二階だ。二階でこのレベルはあり得ない」


 まぁそう思ってはいたけど。でも君ら、平気な顔してワンパンしてるじゃないか。


「そこで思ったんです。どこかに下層へ直行する穴が開いたんじゃないかって」


 ……穴?



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