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はい、こちらダンジョン捜索隊~自分はレッサーパンダだと言い張る相棒の♀タヌキが、うっかり記録用録画を配信してしまった件。  作者: 夢・風魔
7章

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139/197

139:とあるグルチャとその後・・・




 某グループチャット。


B「おい大変だ! Aが捕まったぞ!」


C「は?」


D「まさか捜索隊に突撃したんじゃないだろうな」


B「そのまさかなんだよ!」


C「あのバカ。業務妨害か何かか? まぁすぐに出てくるだろ」


B「違う。グッズを配送していたトラックを盗んだんだ」


C「は?」


D「はぁ?」


B「これを見ろ。歩行者が撮影していた動画だ。捜索隊のヤツが片手でトラックを止めているんだぞっ」


D「ナ、ナンダッテ!?」


C「こんなバカなことが……人間の域を超えている」


B「Aはこんなバケモノに戦いを挑んだんだ。挑んだ時点で負けは決まっていたんだ」


D「そういえば、ATORA関係のショップには、スキル持ちの動物が警備員として配置されてるって他の仲間が言ってたぞ」


C「ATORAだけで留まればいいが……これを見ろ。大手企業がATORAに動物警備員の派遣を打診しているってニュースだ」


B「もうダメだ……俺たち転売組織は日本じゃ活動できなくなる」


D「それもこれも、この世にダンジョンなんてものが出来たのが悪い」


C「俺たちの故郷も、ダンジョンのせいで多くの町が壊滅した。ダンジョンのせいで」


B「でもあれは、政府が人工的にダンジョンベビーを作ろうとしたからだろ?」


D「あれは惨い実験だったな。ロシアと競うようにして実験を続けたから」


B「最初のスタンピードの時に止めていればよかったんだ。それなのに政府ときたら」


C「だが! ダンジョンがこの世に出現さえしなければ、スタンピードも怒らなかったんだぞ!」


D「まぁそれを言われるとなぁ」


C「ダンジョンを許すな! そうだ。そうだよ!」


B「どうした、C?」


C「スタンピードだ。スタンピードを発生させればいいんだ」


D「は? 何を言っているんだ」


C「妊婦をダンジョンに連れて行って、そこで産ませるんだ! そして日本のダンジョンでスタンピードを引き起こす!」


D「日本を壊滅させるってことか!?」


B「お、おい。そんなこと出来るわけ――」


C「産婦人科の駐車場で待ち伏せしていれば、産気づいた妊婦がいくらでも来るだろ」


B「で、出来なくもない、な……いやいや出来る出来ないの話じゃなくって」


C「やるべきだ! 日本を潰すために!! そう思うだろD」


B「D、お前はどう思うんだ。やるべきか? 止めるべきか?」


C「おいD。何か言えよ!」


B「まぁまぁ。こんな重要なこと、簡単に答えは出せないさ」


C「おい、D!!」


C「はぁ……まぁいい。とりあえずいつでも作戦を決行出来るように、誘拐しやすそうな産婦人科を探しておくか」


C「駐車場が裏手にあるような造りの産婦人科がいいな」


C「個人病院がいいだろう。心当たりはないか、B?」


C「B? おい、お前までだんまりか? それとも便所か」


C「おーい。B、D。いないのか?」


C「おーい。まぁいいか。二時間後にまたINするからな」



 そして約一時間後、都内某所のアパートにて。


 ピンポーンと、チャイムを鳴らす音が聞こえた。

 住人の男がドアを開けると、そこにはスーツを着た男たちが数人立っていた。

 住人の男が何かを察して慌てて室内へと走り出す。

 が、スーツの男たちもそれは予想済みだったようで、こちらは土足で住人を追いかけた。


「警察だ! 大人しくしろっ」

「〇◇∂▽♯!?」

「は? 何を言っているんだ。わかるかっ」

「人ノ家、勝手にあがるよくないっ」

「黙れ。日本壊滅を目論むお前たちを野放しにするほど、日本の警察は甘くないんだよ!」

「ナ、何言ってるか、ワカリマセー……ぁ」


 住人は思い出した。

 つい一時間ほど前にグループチャットで話していたことを。

 その会話の途中で、Dの応答がなくなり、次いでBも応答しなくなった。


 あの時既に、二人の元へ警察が行っていたとすれば、あの内容を見られたかもしれない。

 頭に血が上ったとはいえ、うっかりスタンピードを起こそうなどと書き込み、妊婦を誘拐しようとまで計画していたことを警察に見られたとしたら……。


 お終いだ。


 国際法で妊婦を使ったダンジョンベビー実験、スタンピードの故意による発生は禁じられている。

 実際に行った、計画しただけに限らず重罪とされる。


「国際法にのっとり、お前を逮捕する」

「×◇ξ〇◎☆Θ▽!?」


 トラック強盗により捕まったAのスマホを調べたことで、B、C、Dの存在を知った警察は、裏に大規模な窃盗組織があると勘違いした。

 実際あったのは転売組織なのだが、Aがトラック一台を盗んだので勘違いしても仕方がないこと。


 Dのアパートに踏み込んだ時、ちょうどグループチャットを行っている最中だった、

 逮捕と同時にその内容を見て、警察は驚いた。


「まさか日本を壊滅させる計画を立てていたとは!?」

「すぐ警視庁に連絡を! いや、総理大臣だ。総理大臣に報告だ!!」


 こうして現場の素早い対応により、本当にやる気があったのかどうかもわからない日本壊滅計画は阻止された。


 トラック強盗をしただけのAは、国際法を犯すといういわれのない罪にも問われることになった。





*********************

犯罪やその刑罰、取り締まりに詳しいわけではないので

面白おかしくイメージしたものを書いております。

現実離れしている点はご了承ください。


だってファンタジーなんだもんこれ!

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