第64話「事態急変 side:藤原陽菜」
今回は陽菜視点でお送りさせてもらいます。
ダンジョンの2階層、そこを藤原陽菜は歩いていた。
(あまりモンスターは見かけませんね....次の層に行ってみるべきなのでしょうか?)
陽菜は赤城修哉にすこし手伝ってもらったあと、時々ダンジョンに行っていた。
今日はそのダンジョンに行く日で護衛をつけた上でダンジョンを探索していた。
「ギャ、ギャ!」
しばらく歩き、通路を歩いているゴブリンを見つけてメイスを構える。
そろりそろりと近づいていくと思いっきり頭めがけて振り下ろす。
「ギャァァ!?」
ゴブリンは断末魔をあげて、消え去った。
「ふぅ...」
(あまり慣れませんね...でも経験になるのは確かですし、やっておかないと)
陽菜は残った魔石を拾おうとかがんだ。
その時だった。
突然陽菜の体が光に包まれ始める。
「え?」
陽菜は突然のことに動きが止まる。
「陽菜様!ご無事ですか!?」
慌てて護衛が駆けつけてくるが、陽菜を包む光は強くなるばかりである。
「....あなたは父の方に連絡してください。これがどうなるかはわかりませんが、まずは連絡が重要です」
「しかし....いえ、了解しました。ですがひとまずこの状況をどうにかできないか試してから、ここを出て連絡させてもらいます」
護衛は何とかしようと色々と試すが、さらに光は強くなり、陽菜の体全てを包もうとしていた。
「.....よろしくお願いします」
それだけ言い切った陽菜は完全に光に包まれる。
眩しさに目を瞑った護衛が目を開けた時にはすでに陽菜の姿は無くなっていた。
◇ ◇ ◇ ◇
「....え?」
再び陽菜が目を開けた時、周りには大量の骸骨と前に手伝いをしてくれた赤城修哉がいた。
陽菜はまずこの状況に戸惑い、そして少しずつ状況を理解した時、腰が抜けてしまったのか座り込んでしまう。
「はる...藤原さん!大丈夫!?」
すごいスピードで近づいてきた修哉が陽菜に向かってそう心配の声をかける。
「はい....でも腰が抜けてしまったのか動けなくて...」
「...しょうがない、ごめんね」
状況はよくわからないが、とりあえず返答をすると突然体が軽くなる。
「ふぇ?」
「一旦あいつの攻撃が届かない範囲に移動する、聞きたいことはあるだろうけどちょっと我慢して」
少ししてお姫様抱っこされていることに気づく。
それに気づくと顔が熱くなっていくのを感じた。
「....よし、藤原さん。ちょっとここで待ってて、....大丈夫?顔が赤いけど」
「はい、大丈夫です」
修哉は陽菜のことを降ろし、再び骸骨の方に走っていった。
しかし、突然のことに対処しきれていない陽菜は何も言葉が出ず、ボーッと座っているのであった。
Tips:『藤原陽菜(記憶喪失状態)』
藤原陽菜は元々、人に執着するような人間ではなかった。
あまり人とは関わらないし、孤高という言葉がよく似合っていた。
記憶を喪失している陽菜は男性と関わろうとはしていなかったし、
自分がなぜ修哉が気になっているのかも良くわかっていない。
そのため男性に対する免疫がなく、修哉にお姫様抱っこされたのは陽菜にかなりの衝撃を与えた。
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