4-7.キタキタ踊りとパンツの関係
今回も、おバカ話の合間に、意外に新たな情報が増えたり。しかし、結局パンツです。
そうです。本作の主人公トルテラさんはパンツの星の下に生まれてきたのです。
いえ、それは嘘です。
でもだいたい合ってるのです。
俺のいつも着てる服……冒険者服……作業着みたいなものだが、凄い見た目になってるので、新しい服が欲しい。
すれ違う人達に、二度見されてしまうのだ。
それと、視線が痛い。
こないだ、”残念騎士”にやられたときの血の染みが残ってて、不器用なツートンカラーになっているのだ。
ここでは巨人レベルの俺サイズの服に、中古は無いので、特注になる。
ここではサイズ測って作ってもらうのは普通のことなので、注文だから特別高いと言うことはないらしいのだが、布が高い世界なので、体がでかいと服が超高い。
つまり、簡単に言うと、貧乏人はそうそう、新しい服が買えないのだ。
「いくらなんでも、これは酷すぎるから、新しいの買ってほしいんだけど」
「ええ? そうね、お金があるとき?」
エスティアに話したら、苦笑いで、ごまかされたのだ。
子どもの頃に、そこそこ必要だけど、親が気乗りしないような、そこそこ高い物をねだるとこんな反応だった気がする。
必要性と値段を天秤にかけて……俺の冒険者服の必要性は十分高い。
でも天秤は買わない側に傾いてしまう。
つまり、うちは貧乏なんだよ!!!
どうしようかと悩んでいたら、キャゼリアが冒険者服と、腕の革鎧を用意してくれた。
なんて良い人なんだ!!
……なんてことは、当然無かった。
「今晩行くわよ、お風呂」 キャゼリアが言う。
俺は何も聞いてない。
まあ、だいたい、いつも、俺の意思とは関係無く話が進んでいくのだが。
「風呂?」
そう言って、うちの女の方を見る。
もちろん抗議の眼差しで。
するとテーラが「そう。お風呂」と言った。
「いや、俺は……」
なんとか避けようと、嫌がっている様子をキャゼリアに見せて、もうちょっと他の方法に変えてもらおうと努力する。
「わかった。今晩」 テーラが勝手に了解する。
”俺は売られたのだ”
まあ、俺の装備の対価なので、”自分の体で稼いで、自分で手に入れる”と考えても良いのだが、俺は、勝手に決められるのが嫌なのだ。
テーラとキャゼリアの間で取引があったようだ。
キャゼリアと一緒に風呂に入れという。
行かなきゃ駄目なやつらしい。
ただ、テーラとキャゼリアが仕組むと言うことは、俺に何かを理解させるためなのかもしれない。
テーラは俺に何かをさせようとしている。シートもだ。
わざわざ俺とキャゼリアが会うように仕組んだ。
最終的に何をやらせようとしているのかは、まだわからないが、
案外こういうどうでも良い事も、大事なイベントに繋がっているのかもしれない……
でも、単なるキャゼリアの趣味のような気もするのだ。
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もちろん、俺一人だと”性的な意味で”危険なので、テーラとエスティアがついてくる。
見張りだ。
女1人でも危険なのに、3人も居たら、”どっちを向いても裸”で俺は死んでしまうかもしれないと思った。
頭の中で、子供の頃見たアニメの歌で、”どっちを向いても宇宙”とか”未来”の歌が、女と裸になって再生された。
どっちを向いても おんな♪(おんなー♪)
どっちを向いても はーだか♪(はーだかー♪)
どこまで、行っても おんなー♪(おんなー♪)
俺が子供の頃やっていたテレビでやっていたもので、外国のSF小説を、俺の住んでいた国でアニメ化したものだ。
元々の原作の描かれた時代背景を知らないと、白けるようなトリックが多いが、逆に、そこを加味して見ると、余計な要素が少なく味わい深い作品として見ることができる。
俺がそれを見て理解するのに十分な歳になる前に放送されて、その後長期フィルムが行方不明になっていたので、俺が子供のうちに再放送されることは無かった。
フィルムが発見されたのはずいぶん後になってからで、再放送されたときには、俺は大人になっていた。
フィルムというのは、映像が記録されたもので、一瞬、一瞬の絵が連続して連なっているもので、一定の速度で1コマずつ投影すると、まるで動いているかのように見える。
アニメというのは、少しづつ動きを付けた絵を何枚も描いて、撮影するという気違い染みた方法で作成されたもののことだ。
同じ作品を見ても、年齢によって見え方は変わってくる。
正直なところ、10歳くらいのときに見たかったと思うくらいの内容だった。
冒頭に”宇宙最大の科学者であり冒険家……”のナレーションが入る。
あれを見ると、歳を取ってからも、子供の頃の感情が蘇って、ちょっと心躍るのだ。
いや、違う! そうじゃない!
俺はもう、”宇宙最大の科学者であり冒険家とか言って愛機コメット駆ってる場合じゃねーぞ、俺の未来が心配なんだよ!”と全力で思った。
余程顔に出てたのか「大丈夫よ」とキャゼリアが言った。
ぜんぜん、だいじょばねー!!(大丈夫の否定形トルテラ語)
猛烈な勢いで安心できないんだが、テーラを見ると頷いたので、そんなに危険では無いらしい。
ほんとか?
「個室になっていて、私たちの他には誰も入ってこないから」 テーラが説明してくれる。
”私たちの他には”って、それで十分、危険すぎるだろ!!!
風呂は数人が入れるサイズの個室がいくつも並ぶようなものらしい。
そんなところに4人で入ったら、俺は死んでしまうかもしれないと思ったが、なんか入らないといけないことになっていた。
いつもそうなのだ。俺には、だいたい選択肢は無いのだ。
ただ、正直風呂に入れること自体は凄く嬉しかった。
俺は、元は特別風呂好きではないが、ここ(この世界全般)では滅多に風呂に入れないのだ。
また、一般人が入れないようなところに、連れて行かれる。
見た目的には、食堂とたいして差が無いような建物に入る。
中も、ぜんぜん風呂っぽくない。湿っぽい臭いはあるが。
わかるかな? ”風呂掃除”あんな感じの臭いだ
※誰に言ってるのでしょう?
いくつもある部屋の1つに入ると、いきなりキャゼリアが言う。
「ここで脱いで。そっちが入り口」
そして、いきなり脱ごうとするので、俺が驚く。
「え? ちょっと待って」
「お母さん、だめ。トルテラは裸見られないの」
慌てて、テーラとエスティアが止める。
おお! 助かった。ピロリン♪
俺は、テーラに対する忠誠心が1上がった。
「先脱いで入ってて」
テーラがそう言い残して、キャゼリアを連れて出て行く。
びっくりした。既に眩暈で、少しブラックアウト気味になってしまった。
「早くしてね」 キャゼリアの声だ。
早く風呂に逃げないと、すぐに入ってきてしまいそうだ。
ここが脱衣所で、向こうが風呂の入り口だ。
タオルがあるので、それで隠す。
バスタオルサイズなのだろうが、俺が使うと腰回りを隠すくらいのサイズになってしまう。
防御力が低すぎる。
とにかく風呂に逃げる。
しかし、でかい浴槽が無い! 足湯みたいなやつはある。
実際入ってみると、思ってたのとぜんぜん違ってて、全裸で4人で入りましょうとか、そういうのでは無かった。
そもそも浸かれる湯が無い。
そのかわり、思ったよりずっと広かった。
この世界の人間サイズの4人用を想像したので、少し大きめの家の風呂くらいのイメージだったが、そういうサイズではなかった。
浴槽が無いから広く感じるのか。
湯を使って体を洗えるが、やたら暑い部屋でぼけーっと汗を流してまた体流してみたいな、中途半端なサウナみたいなものだった。
それでも湯が流せるのは嬉しい。しかも石鹸標準装備だ。
この世界には石鹸はあるのだ!!
高くて俺には買えないだけで……。いや、値段も知らない。
町で売ってるの見たこと無いが、どこで買えるのだろう?
なんかちょっと薬品臭いが……久しぶりの石鹸は素晴らしかった。
そうだよ、俺の求めていたツルツル感はコレなんだよ!!
俺の心のエネルギーが、凄い勢いでチャージされた。
はじめは俺1人だったので、体洗ってくつろいでたら、タオルを繋ぎ合わせたような妙な服着てキャゼリアが入ってきて、普段通りの服を着たエスティアとテーラが見張ってるという、なんとも微妙な状況になった。
俺だけ裸なんだけど。
「いいわよ。見てるだけだから、安心して」
キャゼリアが言うが、俺はぜんぜん安心できない。
俺は3人に、ひたすら見られる役で意味が分からない。
それにしても、キャゼリアのはずいぶん妙な格好だなと思った。
あまり見ると緊張するので、なるべく見ずに聞いてみる。
「風呂着?」
「普段はもちろん裸よ。でもそれじゃダメだってこの子が言うから」
なるほど。普通は裸で入るが、俺が倒れるから服を着てるのだという。
見せる方が目的ではなく、俺の体を調べたかっただけってことかと納得した。
この世界には、わざわざ男に裸を見せたがる女が居るのだ。
しかも、かなりたくさん!
なので、キャゼリアが見る専で少し安心した。
俺の体を見て、「何も変わったところがないわね」とキャゼリアは残念な様子。
「尻尾は?」とか言って、タオルめくって尻を見られたので、テンションが下がった。
前は死守した。さすがに狙われなかったけれど。
「あの扉を開けられるなら、何かあると思うんだけど、見た目じゃ判断できないみたいね」と言う。
迷宮の扉のことだろう。なるほど。
普通の人間では開くことのできない扉を開いたから、普通の人間との外見上の違いを調べたかった……のだろう。
「扉の中に何があるのか見たいのだけど、開けられる人がいなかったの」
…………
…………
意外にも、キャゼリアは俺の体よりも、迷宮の扉の方に興味があるようだ。
タンガレアには、扉の開かない迷宮があり、そこから白い巨人がでるのだという。
俺が見たあれだ。迷宮の中ボスと同じやつだと思う。
「あの扉の向こうを、遂に見られる時が来たのよ!」
キャゼリアはタンガレアの迷宮内を見てみたいのだという。
俺なら開けられるはずだと。
風呂で悪戯とかする様子も無いし、開けられるのが俺だけと言うなら機会があれば、一緒に行ってみるのも良いかもしれないと思った。
でも、そういうのって開けるとフラグが立ちそうだからな……と思っていると、荒い息が聞こえた。
振り返って見ると、テーラとエスティアが真っ赤な顔で汗だらだらになってる。
こりゃまずいと思い、キャゼリアに言う。
「そろそろ出よう」
「何言ってるの。まだ入ったばかりじゃない」と返事が返ってきた。
ここで言う風呂というのは、半日がかりで入るものだという。
テーラがたまらず、「ちょっと脱いでくる」と言って出て行った。
嫌な予感がした。
もちろん、こう言う悪い予感は当たる。
しばらくすると、テーラが薄い下着を着て入ってきた。
それ、絶対透けるから!!
さらにエスティアが「交代」とだけ言って出て行った。
見る見るうちに、テーラの下着が汗で濡れて貼りつく。もちろん透ける。
だんだん俺が動悸と目眩で不味くなってきたところで、エスティアが戻ってきた。
キャゼリアと同じやつを着ている。
「従業員の服借りてきた」と言う。
俺が倒れそうになってるのと、テーラの服が透けてるのを見て、テーラに「これに着替えてきて」と言うと、テーラが出て行った。
エスティアのおかげで何とか助かった。
キャゼリアが超ハイテンションになって、
「毎日女と暮らしてるのに、服が透けただけでこんなに凄いの?」
とか言い出して、急に話のテンポが速くなった。
服が透けてたので仕方ないが、何かが漏れてしまったのだと思う。
お湯をかぶって、臭いを消す努力をする。
俺自身は、臭いがわからない。どうすれば、消えるのだろうか?
幸い、エスティアは透けてないので助かった。
従業員の服というのは、汗をかいても吸ってくれる素材でできているようだ。
この服は透けたりはしないようで安心した。
たぶん、この風呂の従業員用の服なのだろう。
ちょっとして落ち着くと、やっと話をしてくれた。
風呂でなくてはならない理由は分からないが、この話をするのが、目的だったのだろう。
「テリオスと私は勇者の研究をしてたの。
私は勇者を。あの人もはじめは勇者を調べてたけれど、そのうち大鎧の方に興味が移ってね。
大鎧の伝承が変わると、勇者の話も変わる。だから大鎧を調べてたの」
キャゼリアはテリオスと勇者の研究をしていたのだという。
テリオスと言うのは、ルルとテーラのお父さんのことだ。
キャゼリアは大鎧と勇者の伝承の勇者側を詳しく調べていたが、テリオスは大鎧に興味を持った。
大鎧を調べると竜の話になる。
竜に詳しい女が居て、いろんな話を聞いた。
そして、竜のことならトート森で調べることがあると言って、トート森に行ってしまった。
竜に詳しい女と言うのがシートだ。シートはテーラのお母さんだ。
そのとき着替えたテーラが戻ってきて、シートとテリオスの話をしてくれたが、テーラは、お父さんの名前を”ガスパール”だと言った。
テリオスの話を聞いてたはずがガスパールに変わったので俺は混乱した。
テリオスとガスパールは同一人物で、”テリオス”から”ガスパール”に名前を変えたのだそうだ。
この世界では、名前が変わることがある。
当然事情はあると思うが、そこはスルーした。
「竜は実在するって」 テーラが言う。
”ガスパール(テリオス)”は、竜は実在すると言っていたそうだ。
竜は迷宮の奥に居ると言う。
なるほど、だからテーラは迷宮に行きたがったのか。
テーラが迷宮に行きたかったのか、それとも俺を、迷宮に連れて行きたかったのか?
俺は、竜とやはり何か関係があるのだろうか?
テーラのお父さんは、子供作ってるしキャゼリアと研究もしてるし、どういうことだろう?
と疑問に思った。
子供が作れる男なら、キャゼリアと一緒に研究はできないだろうと思ったのだ。
シートは当時ダルガノードに住んでいたが、元は北の町出身らしい。
北の町というのはビフェット・ウグムという同じ名前の町が南北に2つあるため、北の町、南の町と呼ばれている。その北のビフェット・ウグムの町のことだ。
シートは北の町出身なのか……だったらキタキタ踊りを踊れそうだ。
ちょっとだけ見てみたい気もしたのだ。
「なんだ。シートは北の町出身なのか。今度シートにキタキタ踊りを躍ってもらおう」
そう言ってみる。
北のビフェット・ウグムに、キタキタ踊りと言うのがあるわけでは無い。
俺が勝手にそう呼んでいるだけだ。
俺が若い頃にアニメ化もされたマンガに出てくるネタで、”キタの町に伝わるキタキタ踊り”というのがあったので、俺は勝手に、北の町の踊りをキタキタ踊りと呼んでいる。
あのマンガだと、キタキタ踊りを受け継ぐ女の子が居ないので、おっさんが踊って大惨事だが、この世界なら心配無い。おっさんが不足している世界なのだ。
それにシートくらいの歳だと、俺もそんなに困ったことにはならないと思うのだ。
すると、珍しくテーラが話に乗ってきた。テーラもキタキタ踊り行けるようだ。
「お母さんに頼まなくても私も踊れるから」とか言い出す。
何故かテーラは特定の問題で、誰かと張り合うことがあるのだ。
嫌な予感がしたが、思った通り、テーラが踊り始めた。
キタキタ踊りは微妙な踊りなので、そんなに激しくないが、一つ大きな問題に気付いてしまった。
どういうわけか、そこにあるはずの”パンツの形跡”が無いのだ。
この世界のパンツは裾が長い。
テーラが着てる従業員の服は、膝上何センチとか、そんな長さなので、直立してればパンツの裾は余裕で隠れるが、動けば見えるはずだ。
なのに、踊れば見えるはずのパンツの裾が見えないのだ。
横のスリットからもパンツの形跡が見えない。
”これは極めてまずい事案であると言わざるを得ない”
事故が起きて、何かが見えてしまったら、俺は死んでしまうかもしれない。
動悸が激しくなる。
すると、何故かテーラと張り合うように「ウグムの踊りなら私も踊れる」とエスティアも踊る。
エスティアは南の町出身らしい。
南の町じゃ、”ナンナン踊り”になってしまう。あんまりロマンが無い。
でも、エスティアは、パンツの裾が見えたから安心した。
パンツ装備無しのテーラを見てると、死んでしまうかもしれないと思い、エスティアのパンツを見て、なんとか落ち着こうと思って頑張る。
”そうだ、在る。確実に有るのだ、パンツは存在する。だから大丈夫。
布で隠れてるから見えちゃうことはない。とっても安心だ”と心の中で、自分に言い聞かせる。
俺は落ち着くために頑張ってるのに、何故か俺が踊り好きと思ったのか、
「こっちの踊りはこんな感じよ」とか言ってキャゼリアも踊る。
胸がぶるんぶるん揺れて、催眠術のように、ぶるんぶるんぐるんぐるんなって俺はもうだめだと思って倒れた。
すると、3人で寄ってたかって介抱なんだかいじめなんだか、よくわからない状況になり、テーラが近くにいて気になったので、「パンツ」と言うと、「穿いてた方が好き?」と言われて、こんな至近距離で事故が起きて、何かが見えてしまったら、俺は死んでしまうに違いないと思い気を失ってしまった。
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気が付くと、キャゼリアの屋敷、と言うか、屋敷の一部がキャゼリアに割り当てられてるだけなのだが、風呂ではなく屋敷だった。
そして、皆が凄い勢いで帰り支度をしている。
「急いで、お母さんが戻ってくる前に」 テーラが言う。
キャゼリアが戻る前に逃げないと、キャゼリアに捕まったら、トート森に帰れなくなると言う。
俺の体を調べたがっているのだという。
俺も逃げる準備をしなければと思って起き上がろうとすると、テーラがやってきて、そっと手を握り。
「大丈夫。パンツ穿いてるよ。トルテラが好きなやつ」と言った。
なんか、意味が良くわからないけど安心して力尽きた。パンツがあれば安心だ……
俺は荷車で運び出され、無事脱出できた。
匂い隠しのマントを持ってきていたので、なんとか逃げられたのだと言う。
風呂で倒れてキャゼリアの屋敷まで荷車で運ばれてきたのだ。
それがそのまま残っていたので、それを使って運ばれたのだ。
また、匂い隠しのマントを着せられて……
俺達が屋敷から脱出する間キャゼリアは何をしてたかというと、混乱の収拾だった。
俺が気を失ったとき、ちょっと匂い暴発して、大騒ぎになって混乱してるうちに逃げてきたのだと言う。
さすがにまずくないかと思ったが、そもそも、”暴発するから刺激は与えるなと言っていたのに踊ったキャゼリアが悪い”のだから問題無いと言う。
俺は”テーラがパンツ脱いで踊ったからじゃーーーー!!!!!”と宇宙の果てまで届くほどの大声で叫んだ。心の中で。
あとでエスティアにお説教されると思って恐れてたが、エスティアは、なんか妙に優しかった。
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実は風呂で、トルテラが(テーラのノーパン攻撃から気を逸らすために)エスティアのパンツを見ていたので、エスティアはパンツ姿の踊りが気に入ってもらえたのだと思って、安心していたのだ。
テーラも、せっかくのキタキタ踊りが、パンツを脱いだせいで見てもらえなくて残念に思っていたのだ。
次は”かぼちゃパンツで踊る”そう心に決めたのだった。
だいたい、トルテラの行動は裏目に出る。
お説教は無かったが、トルテラはますますパンツ好きと認識され、後々の出来事に影響していくのだった。




