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鎖骨は出す方向で

メンズ服のショップが多く立ち並ぶ通りにやって来た。


痩せて程よく筋肉が付いてきた須賀君には是非素敵な服を着て欲しい。


「須賀君はどんなタイプの服が着たい?」


とりあえず、服を選ぶ前に好みを聞いてみる。

私的にはシンプルかつクール系の服を着て欲しいが、好きでもないタイプの服を着るのは自分も嫌だしな~。


「うーん…余り目立たない服なら何でもいいよ?」


「本当?じゃあ、私の独断と偏見で決めていくからね~、今までサイズの会わない服ばっかりだったから、今日はガンガン買っていくよ~!」


「あっ、あのっあんまり予算無いからお手柔らかに…」


「大丈夫!須賀君のお母さんから軍資金を預かってきたから。」


「ええっ!?なんで四ノ宮さんが母さんからお金預かってるの?」


「ああ。買い物に行くってメールで言ったら、息子にお金渡すとみんなマンガかアニメグッズにつぎ込んじゃうからって、私に預けてきたよ?」


「はぁっ!?」


「このお金で好きなだけ息子を変えてやって下さいって結構な額渡されたの。だから、責任持ってやらせていただきますよ~。あ。ちゃんと領収書は全部取ってあって、残額と一緒に返すから安心してね!!」


「なにやってんだよ…母さん…。」


須賀君がガックリ項垂れてる。

そんな姿も可愛い。


「さぁ、サクサク買い物イキマスヨー!!」


須賀君の首根っこをつかんで店内に入る。

しばらく中を見て回り、次の店に向かう。


「あれ?買わないの?」


「うん。私、直ぐには買わないタイプなの。色んなお店を回って、今後の着まわしとか、値段とかをじっくり見て、目星が決まったら一気に買っていくんだ。」


「へぇー」


そんな会話をしながら何軒の店で試着をしたり小物を探したりして、粗方買うものの目星をつけた。


「よし!じゃぁ目星を付けたものを全部買って着替えよう!!」


「えぇ~かなりの数買うことになるよ?それにコーディネートの仕方なんて解らないんだけど…」


「大丈夫!極力合わせやすそうな服ばっかりだから。それに今後、困ったらいつでも相談に乗るから!さっ行くよ~!」



「あっちょっと待ってーー」


そうして最初の店まで逆送しながら目当ての服を買い占めて行き、最初の店でシャツを買うと、店員にことわりフィッティングルームを借りて須賀君に買った服を着せた。


「しっ四ノ宮さん…一応着たけど、これでいいのなぁ…」


須賀君がカーテンから首だけ出して不安げにたずねてくる。乙女か!?

男ならシャッキリしろぃ!と一気にカーテンを開けると、そこにはスタイリッシュなボサボサ頭のイケメンがいた。


襟ぐりが広めに開いた黒無地のVネックTシャツの上に、白いガーゼ生地のシャツ。そのシャツには同生地でユニオンジャックの刺繍がしてあり、近くで見ると立体的な柄になっていて少しポップな印象を与える。

パンツは黒で七分丈、裾を折ると水玉模様の赤い裏地が見える 。腰のベルトは、二本に別れており一本は腰へ。もう一本は緩く臀部に掛かるよう止められ、白いシャツの裾からチラリと見え隠れする。

アクセサリーはブラックビースが連なりトップには惑星のモチーフが輝くネックレスと、ベルトと同じレザーのブレスレット。


モノトーンで纏めた中に赤の指し色がいい感じに仕上がった。


「お客様、大変お似合いですね。かなり雰囲気が変わられましたよ!!」


見ていた店員が感嘆の声をあげた。

そうでしょう、そうでしょう!!須賀君格好いいでしょう!!心なしかボサボサ頭も素敵に見えてくるから凄いと思う。


「うん。須賀君格好いいよ!似合ってる!!」



このVネックシャツから見える鎖骨が堪らん!!

Uネックじゃ駄目なんだ。あれは鎖骨のラインが綺麗に見えない。

鎖骨は見せてナンボだと思うんだよね。

イケメンの鎖骨。肉食系女子なら間違いなくカジリ付くに違いない。

うーん。私的には、肩の辺りの僧帽筋がもう少しだけあった方が好みだな。

よし。今度お父さんに頼んで鍛えてもらおう。


「四ノ宮さんはこんな感じの服、好き?」


あ。上腕三頭筋ももう少しあってもいいな…。あんまり有りすぎると服がパツパツに見えるから、適度な加減が必要なんだよね…。お父さんに任せすぎるとムキムキになりかねないから、しっかり腕回りを測ってトレーニングしてもらわなきゃなぁ。


「えっ?ごめんちょっと須賀君の筋肉の事考えてて聞いてなかった。なに?」


「俺の事考えててくれるのは嬉しいけど…筋肉なんだ…。」



「ごめんごめん。須賀君の鎖骨がいい感じに見えてて、萌えてたんだけど、僧帽筋がもう少しだけあった方がもっといいなと思っちゃったから、ずっと考えてたのよ」


「四ノ宮さんて眼鏡と筋肉萌なんだ…」


「基本的に魅力的な人にはなんでももえるよ?」


「じっ、じゃあ、俺にも萌える?」


「そうだね、須賀君にはチョイチョイ萌えてるよ。」


当たり前じゃないか。須賀君ほと可愛い性格でイケメンで努力家な人はなかなかいないと思う!!

いつも萌えをありがとうという意味を込めて笑ったら。須賀君はフィッティングルームに隠れてしまった。


なんで?



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