第十九話
駄文ですが見てやってください。
俺達が部屋に入るとそこには、初老の男性の姿をした時の精霊王がいた。
意外な事に、部屋には時計がなく、椅子とテーブルがあるだけだった。
「やあ、いらっしゃい。待っていたよ。」
「流石、時の精霊王だな。俺達が来るのが分かっていた様だな。」
「ええ。あなたは契約しに来たんですね?じゃあ、早く契約しましょう。」
「ああ…だけど、話が急だな。」
「当たり前ですよ。私は未来を知り、過去を見る事が出来るのですから。しかし、妙なんですがね…最近、二つの未来が見えるのです。こんな事は今まで無かったのですが…まあ、あなたには期待してますよ。未来はあなたによって変わるみたいですから。」
「ああ、きっと大切な物を全部守り切れている未来にする。じゃあ、契約をしてくれ。」
手を差し出すと、時の精霊王が右手の甲に印を刻んだ。
「では、あなたには私の技を見せます。よく見ててくださいね。」
時の精霊王は時間の力を最大限に使った技を放っていたが、どれも俺が思いつかなかった技ばかりだった。
「どうでしたか、私の技は?」
「俺の思いつかなかった技ばかりだった。正直、勉強になった。ありがとう。」
「それは、良かったです。では、残りは空の精霊王だけですね…パルテノン神殿に向かえば必ず会えるでしょう。」
「何から何まで悪いな…じゃあ、行ってくる。ベス行こうぜ。」
「ええ、行ってらっしゃい。………世界を生かすも殺すもあなた次第ですから選択には気をつけてくださいよ…」
俺が部屋から出る時、時の精霊王がそう呟いたのだった。
パルテノン神殿…そこは、神殿と言うには少し小さいが充分に、威厳がある建物だ。しかし、そんな建物には、滅多に人が来ない。何故なら魔術のせいだ。魔術はバルク三世が発見した物で、それまでは神への信仰もあった。しかし、魔術の発見は人々から神への信仰を失わせるには充分だった。魔術という神秘を使える事に人間こそ絶対だと思ってしまっているのだった。
俺の目の前には、威厳のある建物があった、…パルテノン神殿だ。この神殿には、空の精霊王がいるらしい。空の精霊王との契約を済ませたら帰れる。この契約が済めば俺は間違いなく最強の存在になれるだろう。最後だからこそ気を引き締めよう。
「優、行きましょう。」
「ああ、分かってる…ベス、俺の我侭につきあわせて悪かったな。」
「いいえ、そんな事無いですよ…それに、学校も一緒に通うじゃ無いですか。優にはまだまだ付き合わせてもらいますよ。」
「学校もだったな。…じゃあ、まだまだ付き合ってもらうよ。じゃあ、入ろうぜ!」
俺は、神殿の重い扉を開けたのだった。
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