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【WEB版】異世界転生した元教師、【臨時教師】として崩壊した魔術学園を救う。『GA文庫様より11/15発売!』  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第91話 長期休み


「し、失礼しました! そうですね、もう試験の時期ですか……」


「が、頑張ります!」


「僕も頑張らないと!」


 メリアとベルンは平民特待生だ。試験の結果は今後にも反映されることだし、頑張ってほしいところである。もちろん贔屓をするつもりはないが。


「試験が終われば長期休みですから、ご褒美と思えば頑張る気もおきますね」


 シリルの言う通り、試験が終われば一月ほどの長期休みとなる。俺もここしばらくは研究に没頭できていなかったことだし、久しぶりに研究三昧な生活といくとしよう。


「ですが、休みのあとは魔術競技会が控えておりますからね。この学園の名誉を回復するためにもそれほど休んでいる時間はないかもしれません」


「さすが姫様です! 私も精進します!」


「ふむ、魔術競技会か。確かに同世代のライバルと競い合うのはお互いの良い刺激にもなるが、危険な項目もあるからほどほどにしてもらいたいというのが教師から見た本音だな」


 まだ先の話になるが、休みが終わったあとには魔術競技会というイベントがある。この都市にはバウンス国立魔術学園だけでなく、いくつかの魔術学園が存在している。


 それぞれの学園ごとに魔術を使った競技で競い合う、学園合同で行う運動会のようなものだな。学年ごとに分かれて、それぞれの学園に集まって競技が行われる。


 もちろんこの学園の卒業生である俺も在学時には参加したことがある。一応対策はされているが、魔術を撃ちあう競技なんかもあるので、当時はちょっとどうかと思っていた。これくらいの血気盛んな年頃の学生が戦うというのは危険なのである。前世の学校でも騎馬戦や棒倒しなんかの危険な競技は運動会でも禁止されたっけ。


「魔術競技会はここ数年でだいぶ安全になりましたよ。事故なんてここ何年も起きていないですからね」


「ほう、それなら大丈夫か」


 そういえば演習場もだいぶ変わっていたようだし、安全に対する技術もだいぶ進んでいたようだ。時間がある時にあの演習場の魔道具についても詳しく分析してみたいところだな。


「ただ残念ながらここ数年間、この学園は不名誉な結果しか残せておりませんからね。少なくとも今年の一学年は絶対に一位を取りたいです!」


「そうですね、私も負けたくないです。私たちの学園が低くみられるのは嫌ですからね」


「私も全力で姫様をサポートします!」


「が、頑張ります!」


「僕も頑張ります!」


 ……みんなすごいやる気だな。


 魔術競技会はこの辺りの魔術学園が集まって、各校の代表選手がその魔術の腕を競い合うため、多くの魔術関係者が観戦に集まる。在学中にスカウトされることもあるため、特に進路が決まる第三学年にとっては自分を売り込む良いアピールの場となるらしく、スカウトする側の勧誘も激しい。


 俺が在学中にもそういった誘いはあったが、すべて断ったんだっけ。実力重視の組織もそれなりにあるため、平民である者にとっても良いアピールの場ともなる。まあ、さすがに第一学年の生徒についてはそこまで関係ないけれどな。


「みんなやる気になっていることですし、長期休み中に希望者を集めて今のような勉強会をしたり、合宿などをしてみてもいいかもしれませんね」


 ノクスがいきなりそんなことを言う。


「週に一度くらいは勉強会をしてもいいかもしれないな。ただ、二学年からはそういった行事もあるらしいが、さすがにまだ泊りがけでそういったことをするのはまだ早いんじゃないか。それに長期休み中くらいは生徒たちもゆっくりと過ごしていたと思うぞ」


「いえ、もしもギーク教諭が可能でしたら、ぜひともお願いしたいです。なんとしてもお父様に許可を取ります!」


「そうですね、私も参加したいです。長期休み中に時間のある生徒も多いと思いますよ」


「ふむ、考えてみるか。学園長も生徒たちが希望したといえば反対されることはないだろう」


 合宿の方はともかく、勉強会の方は希望する生徒がいるのなら週一で開催してもいいかもしれない。演習場もそれくらいなら借りられるだろう。


「僕も休みの後半は学園都市に戻って来るので、その時は参加させてください」


「わ、私も村から戻ってきたら参加したいです」


「ああ、もちろん構わないぞ。だが、無理はしないでいいからな」


 ベルンやメリアたちのように離れた場所からこの街へやって来て寮で生活をしている生徒も多くいる。そういった生徒たちは長期休みを利用して里帰りをすることが多いため、あまり負担にならないように考慮をしよう。


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